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第65話 まさか父上も!?
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あの時。
レオナルド殿下は「送り返すよー」と言って私のおでこに口付けを落とした後、時空の切れ目に吸い込まれていく私へ、つけ足すみたいにこう言ったのだ。
「あ、そうだ! 君に託したいことがあるんだ。僕の机の二重底に手紙が入ってるから、よろしくね~!」と。
なにが「よろしくね~!」よ。
あんな状態で頼まれちゃったら、断れないじゃない。絶対に確信犯だわ。
それに、こちとら非力な乙女なんですからね? 一国の国王に向かって説教できる立場じゃないんだから。
とはいえ、気乗りがしない仕事でも手抜きできないのが私なのよね。
まったく。どうしてこうも、損な役回りばっかり来ちゃうんだろう……。
◇◇◇
「独白は以上ですか?」
娘ほども歳の離れた私から塩対応で返された陛下は、分かりやすく肩を落とした。
「……独白か。そうだな、妃に娶った女性すら幸せできない男が、民を幸せにすることなどできぬ、な……。国王の座は、早々にリシャールへ譲るつもりだ」
「そうやってまた、逃げるんですね?」
「おい! 流石にそれは言い過ぎ――」
パスカルさんの制止を振り切るように、バンッと机を叩いた。
「陛下。今のままでは神の世界へは行けませんよ? わたし死にかけた時、向こうでレオナルド殿下に会ってきたんです。彼、今、冥界で裁判官みたいなことしてるんです。きっと、今の陛下を見たらこうおっしゃるでしょうね。
『残念ですが、父上。あなたは不合格です』と」
「ふ、不合格?」
「現世の課題をクリアできてない者を送り返すのがレオナルド殿下の役割なんだそうです。現にわたしも、追い返されてきちゃいました」
「そ、それは……。だが私には――」
「妃に娶った女性を幸せにできなかった贖罪として王位を息子に譲る前に、なすべきことがあるでしょう?」
「だが、カロリーヌはもう……」
「カロリーヌ妃と共有できる宝が、陛下にはあるでしょう?」
「……シャーロットか」
「今頃、王妃様も激おこでしょうね」
「げ、激おこ?」
「シャーロット王女は、カロリーヌ妃がお腹を痛めて産んだ王女。同時に、コンスタンス王妃が心を痛めて育てたお子様でありましょう?」
「……そうだな」
「シャーロット王女は今、どちらへ?」
「南国から直接、カロリーヌの幽閉先へ駆けつけたと聞いている」
「で? 陛下はここで、しけた面して小生意気な娘相手に管を巻いてるってわけですか」
「……シャーロットには、もう長い間会っておらん。今さら私の顔を見たいとも思わないだろう」
「どうして勝手にそう決めつけるのです? 娘はね、娘はっ――親から分かりやすい愛情がほしいんですよ。寂しいときや心細いときに、黙って抱きしめてくれるような、そんな愛情が。陛下には、まだそれができるじゃないですか! なのに、どうして……諦め……るのよ」
そこまで言ったところで、ポロポロ涙が溢れて止まらなくなってしまった。
「……そうだな。デルフィーヌの言う通りだ。すまん。泣かないでくれ――」
陛下が私の頬に手を伸ばし、涙を拭ってくれようとした時、ものすごい勢いでドアが開かれた。
バンッ!!
「父上!!」
「リ、リシャール様?」「殿下!?」「お前……どうしてここへ」
無精ひげを生やし、目の下に酷いクマをつくった殿下がズンズンと大股でやって来ると、陛下から私を守るように立ちはだかった。
「父上、抜け駆けですか!? デルフィーヌだけは、ダメです! 絶対に渡しませんから!!」
「リシャール。お前、目が血走ってるぞ?」
「父上こそ、何を血迷ったことをなさっているのです?」
「いや、デルフィーヌを泣かせてしまったから、涙を拭ってやろうと――」
「なっ!? デルフィーヌ、大丈夫か!? 父上に何をされた!?」
「いえ、殿下。どちらかというと、何かしたのはお嬢さんの方でして……」
「リシャール。悪いが、私は明日からしばらく王都を留守にする」
「まさか……、父上も”王命に近い命令”による処分を!?」
「なわけがないだろう? お前と一緒にしてくれるな」
父子の間に壮大な誤解が生じる前に、一人冷静なパスカルさんが事の経過を手短に殿下へ説明してくれたのだった。
「――というわけだからリシャール。留守中の公務は頼んだ」
「ようやく滞っていた職務を全て終わらせてきたところなのに――」
「借りを返してもらおう」
「え?」
「お前がデルフィーヌの看病に付きっきりだった時、王太子の公務をこなしていたのは誰だ?」
「そ、それは……。どのくらいの期間、留守にされるのでしょう?」
「最低でも10日……いや、1か月くらいか。ついでにシャーロットの留学先にも顔を出してくる」
「そんなに……」
「というわけだから、頼んだぞ。――デルフィーヌ、今日はありがとう。あと20年遅く産まれていたら、君に求婚していただろうと思うよ」
「ふふっ。そんなことおっしゃって。わたくし、『側近としてならば逸材でも、妃としては……』な残念令嬢ですのよ?」
「残念なのは、君の素晴らしさに気付かない奴らだ。いつの時代も、本質を見極めることのできる人間は少数派なんだ。な?」
陛下はそう言うと、リシャール殿下の肩をポンッと叩いて王宮へと戻って行った。
◇◇◇
陛下を見送ると、殿下はテーブルに突っ伏した。
ほとんど徹夜の勢いで滞っていた職務を終わらせ、その足でやって来たらしい。髪もボサボサで伸び放題になっている。
パスカルさんは、「久しぶりに酒を飲んで酔ったから」と言って、早々に寝室へ引き上げてしまった。たぶん、気を遣ってくれたのだと思う。
「謹慎はもう解けたんですか?」
「謹慎? なんだそれ?」
「え!? お義母様からそういう処分が下されたと伺いましたけど」
「あぁ。デルフィーヌへの接近禁止命令なら受けたよ。滞らせていた仕事を全て終わらせるまでな。ようやく終わったと思ったら、今度は父上の公務が……」
「ごめんなさい。私の看病で無理させちゃったのでしょう?」
「あれは、俺がしたくてしただけだから」
殿下の一人称が『俺』になっている。
取り繕う余裕もないほど疲れているみたいだ。とりあえず、何か食べさそう。
「――どうぞ」
「ん?」
「薬草粥。あんまり食べられてないんじゃないですか?」
「あぁ、悪い。………美味いな」
コトン。
「お茶もどうぞ」
殿下はお茶を一服すると、ふぅ――っとため息をついた。
「やっぱり良いな、落ち着く…………。奥さんになってほしい」
「……いいですよ?」
「え?」
「ふふっ」
「ほんとか?」
「――はい」
殿下がさり気なく言ったセリフに正直に答えたら、信じられないといった表情を浮かべた殿下がおもむろに立ち上がった。それからもう一度私の意思を確認すると、「分かった……また来る」と言ってそのまま帰ってしまった。
呆気にとられたのは私の方だった。
うそ……、帰っちゃうんだ。
「嬉しい!」とか「幸せになろうな!」とか、感激のあまり抱きしめてキスしちゃうとかもなく、帰っちゃうんだ。
盛大な肩透かしを食らってしまった私は、こうなったらもう仕事に邁進するしかないなと決意を新たにしたのだった。
――翌日。
宮廷医が傷の経過確認に来てくれて、全治したとのお墨付きをもらった。
そこでその日の夕方、職場復帰をお願いするために久しぶりに宰相閣下の家を訪ねた。縫合処置のための剃毛により部分的にはげができてしまった箇所は、大きな白いガーゼで隠している。
「デルフィーヌ。宮廷医から報告を受けたよ。本当に、よかった」
「閣下。ご心配とご迷惑をおかけしましたが、本日復職の許可が降りましたので、明日にでも職場へ――」
「んんっ、そのことなんだが……」
「え?」
「いや。実は、うん、あれだ。明日、デルフィーヌのところへ顔を出すから。その時に話をしよう」
「? ……分かりました」
珍しく歯切れの悪い閣下の態度を訝しく感じながらも、私のことを聞き付けた3兄弟がやってきて、そんなことも忘れるくらい賑やかに夕食を取ったのだった。
――翌朝。
大量の書類が詰まった箱を抱えた上級文官たちが森の一軒家へ次から次へとやって来て、ダイニングにある天然無垢材の一枚板テーブルの上へズドン、ズドンと積み上げていった。
「……これ、どういうこと?」
「今日からここが、臨時の執務室になるらしい」
パスカルさんはそう言うと、手際よく運び込まれた大量の箱を整理し始めた。
それから、妙にかしこまった表情をした宰相閣下と鼻歌交じりの殿下がやってきた。
レオナルド殿下は「送り返すよー」と言って私のおでこに口付けを落とした後、時空の切れ目に吸い込まれていく私へ、つけ足すみたいにこう言ったのだ。
「あ、そうだ! 君に託したいことがあるんだ。僕の机の二重底に手紙が入ってるから、よろしくね~!」と。
なにが「よろしくね~!」よ。
あんな状態で頼まれちゃったら、断れないじゃない。絶対に確信犯だわ。
それに、こちとら非力な乙女なんですからね? 一国の国王に向かって説教できる立場じゃないんだから。
とはいえ、気乗りがしない仕事でも手抜きできないのが私なのよね。
まったく。どうしてこうも、損な役回りばっかり来ちゃうんだろう……。
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「独白は以上ですか?」
娘ほども歳の離れた私から塩対応で返された陛下は、分かりやすく肩を落とした。
「……独白か。そうだな、妃に娶った女性すら幸せできない男が、民を幸せにすることなどできぬ、な……。国王の座は、早々にリシャールへ譲るつもりだ」
「そうやってまた、逃げるんですね?」
「おい! 流石にそれは言い過ぎ――」
パスカルさんの制止を振り切るように、バンッと机を叩いた。
「陛下。今のままでは神の世界へは行けませんよ? わたし死にかけた時、向こうでレオナルド殿下に会ってきたんです。彼、今、冥界で裁判官みたいなことしてるんです。きっと、今の陛下を見たらこうおっしゃるでしょうね。
『残念ですが、父上。あなたは不合格です』と」
「ふ、不合格?」
「現世の課題をクリアできてない者を送り返すのがレオナルド殿下の役割なんだそうです。現にわたしも、追い返されてきちゃいました」
「そ、それは……。だが私には――」
「妃に娶った女性を幸せにできなかった贖罪として王位を息子に譲る前に、なすべきことがあるでしょう?」
「だが、カロリーヌはもう……」
「カロリーヌ妃と共有できる宝が、陛下にはあるでしょう?」
「……シャーロットか」
「今頃、王妃様も激おこでしょうね」
「げ、激おこ?」
「シャーロット王女は、カロリーヌ妃がお腹を痛めて産んだ王女。同時に、コンスタンス王妃が心を痛めて育てたお子様でありましょう?」
「……そうだな」
「シャーロット王女は今、どちらへ?」
「南国から直接、カロリーヌの幽閉先へ駆けつけたと聞いている」
「で? 陛下はここで、しけた面して小生意気な娘相手に管を巻いてるってわけですか」
「……シャーロットには、もう長い間会っておらん。今さら私の顔を見たいとも思わないだろう」
「どうして勝手にそう決めつけるのです? 娘はね、娘はっ――親から分かりやすい愛情がほしいんですよ。寂しいときや心細いときに、黙って抱きしめてくれるような、そんな愛情が。陛下には、まだそれができるじゃないですか! なのに、どうして……諦め……るのよ」
そこまで言ったところで、ポロポロ涙が溢れて止まらなくなってしまった。
「……そうだな。デルフィーヌの言う通りだ。すまん。泣かないでくれ――」
陛下が私の頬に手を伸ばし、涙を拭ってくれようとした時、ものすごい勢いでドアが開かれた。
バンッ!!
「父上!!」
「リ、リシャール様?」「殿下!?」「お前……どうしてここへ」
無精ひげを生やし、目の下に酷いクマをつくった殿下がズンズンと大股でやって来ると、陛下から私を守るように立ちはだかった。
「父上、抜け駆けですか!? デルフィーヌだけは、ダメです! 絶対に渡しませんから!!」
「リシャール。お前、目が血走ってるぞ?」
「父上こそ、何を血迷ったことをなさっているのです?」
「いや、デルフィーヌを泣かせてしまったから、涙を拭ってやろうと――」
「なっ!? デルフィーヌ、大丈夫か!? 父上に何をされた!?」
「いえ、殿下。どちらかというと、何かしたのはお嬢さんの方でして……」
「リシャール。悪いが、私は明日からしばらく王都を留守にする」
「まさか……、父上も”王命に近い命令”による処分を!?」
「なわけがないだろう? お前と一緒にしてくれるな」
父子の間に壮大な誤解が生じる前に、一人冷静なパスカルさんが事の経過を手短に殿下へ説明してくれたのだった。
「――というわけだからリシャール。留守中の公務は頼んだ」
「ようやく滞っていた職務を全て終わらせてきたところなのに――」
「借りを返してもらおう」
「え?」
「お前がデルフィーヌの看病に付きっきりだった時、王太子の公務をこなしていたのは誰だ?」
「そ、それは……。どのくらいの期間、留守にされるのでしょう?」
「最低でも10日……いや、1か月くらいか。ついでにシャーロットの留学先にも顔を出してくる」
「そんなに……」
「というわけだから、頼んだぞ。――デルフィーヌ、今日はありがとう。あと20年遅く産まれていたら、君に求婚していただろうと思うよ」
「ふふっ。そんなことおっしゃって。わたくし、『側近としてならば逸材でも、妃としては……』な残念令嬢ですのよ?」
「残念なのは、君の素晴らしさに気付かない奴らだ。いつの時代も、本質を見極めることのできる人間は少数派なんだ。な?」
陛下はそう言うと、リシャール殿下の肩をポンッと叩いて王宮へと戻って行った。
◇◇◇
陛下を見送ると、殿下はテーブルに突っ伏した。
ほとんど徹夜の勢いで滞っていた職務を終わらせ、その足でやって来たらしい。髪もボサボサで伸び放題になっている。
パスカルさんは、「久しぶりに酒を飲んで酔ったから」と言って、早々に寝室へ引き上げてしまった。たぶん、気を遣ってくれたのだと思う。
「謹慎はもう解けたんですか?」
「謹慎? なんだそれ?」
「え!? お義母様からそういう処分が下されたと伺いましたけど」
「あぁ。デルフィーヌへの接近禁止命令なら受けたよ。滞らせていた仕事を全て終わらせるまでな。ようやく終わったと思ったら、今度は父上の公務が……」
「ごめんなさい。私の看病で無理させちゃったのでしょう?」
「あれは、俺がしたくてしただけだから」
殿下の一人称が『俺』になっている。
取り繕う余裕もないほど疲れているみたいだ。とりあえず、何か食べさそう。
「――どうぞ」
「ん?」
「薬草粥。あんまり食べられてないんじゃないですか?」
「あぁ、悪い。………美味いな」
コトン。
「お茶もどうぞ」
殿下はお茶を一服すると、ふぅ――っとため息をついた。
「やっぱり良いな、落ち着く…………。奥さんになってほしい」
「……いいですよ?」
「え?」
「ふふっ」
「ほんとか?」
「――はい」
殿下がさり気なく言ったセリフに正直に答えたら、信じられないといった表情を浮かべた殿下がおもむろに立ち上がった。それからもう一度私の意思を確認すると、「分かった……また来る」と言ってそのまま帰ってしまった。
呆気にとられたのは私の方だった。
うそ……、帰っちゃうんだ。
「嬉しい!」とか「幸せになろうな!」とか、感激のあまり抱きしめてキスしちゃうとかもなく、帰っちゃうんだ。
盛大な肩透かしを食らってしまった私は、こうなったらもう仕事に邁進するしかないなと決意を新たにしたのだった。
――翌日。
宮廷医が傷の経過確認に来てくれて、全治したとのお墨付きをもらった。
そこでその日の夕方、職場復帰をお願いするために久しぶりに宰相閣下の家を訪ねた。縫合処置のための剃毛により部分的にはげができてしまった箇所は、大きな白いガーゼで隠している。
「デルフィーヌ。宮廷医から報告を受けたよ。本当に、よかった」
「閣下。ご心配とご迷惑をおかけしましたが、本日復職の許可が降りましたので、明日にでも職場へ――」
「んんっ、そのことなんだが……」
「え?」
「いや。実は、うん、あれだ。明日、デルフィーヌのところへ顔を出すから。その時に話をしよう」
「? ……分かりました」
珍しく歯切れの悪い閣下の態度を訝しく感じながらも、私のことを聞き付けた3兄弟がやってきて、そんなことも忘れるくらい賑やかに夕食を取ったのだった。
――翌朝。
大量の書類が詰まった箱を抱えた上級文官たちが森の一軒家へ次から次へとやって来て、ダイニングにある天然無垢材の一枚板テーブルの上へズドン、ズドンと積み上げていった。
「……これ、どういうこと?」
「今日からここが、臨時の執務室になるらしい」
パスカルさんはそう言うと、手際よく運び込まれた大量の箱を整理し始めた。
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