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387番、山田耶麻音③
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それからしばらく...…耶麻音の身に、何もおきなかった。
電話も鳴らなければ、手紙も来ない。
生活にも慣れてきて、すっかり忘れていた……
そんな時。
プルルル……
電話が鳴った。
「もしもし?」
「久しぶりだね。元気してたー?」
「っ、お前っ!!」
「やだなあ。そんなに寂しかったの? ごめんねー。色々準備しててさ。君を迎え入れる準備。おそろいの結婚指輪、郵便受けに入れといたから、サイズいけるか見てみてくれる?」
「ふざけんなっ!!!」
耶麻音は電話を乱暴に切った。
無視してもいいが、気になって郵便受けを確認する。
ラッピングされた小箱が1つ。
中には電話の主が言うように結婚指輪が入っていた。
なんとなく気になって指にはめてみると……
ピッタリと隙間なく収まった。
ゆるくもなくきつくもない、ジャストフィットに、耶麻音は悲鳴を上げて指輪を外すと投げ棄てた。
怖い。
気持ち悪い。
恐怖に駆られながら、部屋へ戻った耶麻音に更なる恐怖が襲いかかる。
「お・か・え・り」
「!!!!???」
見知らぬ青年がソファに座ってニコニコ微笑んでいる。左手の薬指には指輪が光っていた。
「だ、だれだてめえっ!!!!」
「やだなあ、婚約者のこと、忘れちゃったの? こんなに愛してるのに、なんでわかってくれないかなあ」
「気持ち悪いんだよっ!!!」
「もーそんな照れなくたっていいじゃん」
全く聞く耳を持たない青年が、微笑みながら近づいてくる。
恐怖に後ずさるが、ふと思い直す。体格差からいって勝てるかもしれない、という希望が頭をよぎり、次の瞬間、拳を握りしめ、耶麻音は青年に向かっていった。
「ふざけんなっ!!!」
勢いよく繰り出した拳は虚しく宙を切り、余裕で躱した青年は、耶麻音が繰り出した腕を掴むと、そのままソファの上に投げ飛ばした。そのまま抵抗されないよう、覆いかぶさる。
華奢な様で意外と力が強く、振りほどくことができない。
耶麻音は恐怖で押しつぶされそうになった。
「ふふ。かわいいねえ。食べちゃいたいくらい」
「やめろっ!!」
「いやよいやよも好きのうち、って言うだろ。誘ってんの?」
「違うっ!!! なんなんだよ、もうっ」
「おや? きみも恋人にこういう事してたって聞いたんだけどなー。相手は違うと言い張ってるのに信じようとせずしつこくしてたんだろ? 同じじゃないかー。オレの気持ち、わかってくれるだろ? こんなに愛してるんだからさ」
言われて初めて、男の顔色が変わる。
まさか……いや、こいつと俺は違う。違うんだ。
葛藤する耶麻音を楽しそうに見つめていた青年は、ニヤリと笑うと、おもむろに首筋に舌を這わせだした。
「なっ……!!? やめっ……!!」
「んー、やっぱかわいいー。このまま食べちゃいたい」
「ふざけ、っ、なっ……ぁ……」
青年の舌使いに、嫌なはずなのに、呼吸が荒くなる。
身体の力が抜けていく耶麻音の様子に満足したのか、青年はふっと身体を離した。
「ふふ。今日のところはこの辺で帰るね。
続きは次回のお楽しみ、って事で」
青年は、ばいばーい、と笑顔で手を振って、部屋から出て行った。
※※※※※※※※※※※※※※※※※
「おい、遊びすぎだろ」
「んー、だってかわいくて、つい」
「喰う気か?」
「どうしよっかなー。自分は違う、ストーカーじゃないって葛藤してたみたいだしなー」
「自分がした事と同じことをされてまだ自分は違うと言い張れる根性がすごいと思うがな。どっから来るんだか、その自信」
「ほんとにねー。ま、体でわからせないとわからないようだったら、ちょっとお仕置きしちゃうかもー」
「……ほどほどに、な」
「はーい」
モニターを見ると、まだ押し倒されたままの状態で放心している耶麻音の姿が映っていた。
電話も鳴らなければ、手紙も来ない。
生活にも慣れてきて、すっかり忘れていた……
そんな時。
プルルル……
電話が鳴った。
「もしもし?」
「久しぶりだね。元気してたー?」
「っ、お前っ!!」
「やだなあ。そんなに寂しかったの? ごめんねー。色々準備しててさ。君を迎え入れる準備。おそろいの結婚指輪、郵便受けに入れといたから、サイズいけるか見てみてくれる?」
「ふざけんなっ!!!」
耶麻音は電話を乱暴に切った。
無視してもいいが、気になって郵便受けを確認する。
ラッピングされた小箱が1つ。
中には電話の主が言うように結婚指輪が入っていた。
なんとなく気になって指にはめてみると……
ピッタリと隙間なく収まった。
ゆるくもなくきつくもない、ジャストフィットに、耶麻音は悲鳴を上げて指輪を外すと投げ棄てた。
怖い。
気持ち悪い。
恐怖に駆られながら、部屋へ戻った耶麻音に更なる恐怖が襲いかかる。
「お・か・え・り」
「!!!!???」
見知らぬ青年がソファに座ってニコニコ微笑んでいる。左手の薬指には指輪が光っていた。
「だ、だれだてめえっ!!!!」
「やだなあ、婚約者のこと、忘れちゃったの? こんなに愛してるのに、なんでわかってくれないかなあ」
「気持ち悪いんだよっ!!!」
「もーそんな照れなくたっていいじゃん」
全く聞く耳を持たない青年が、微笑みながら近づいてくる。
恐怖に後ずさるが、ふと思い直す。体格差からいって勝てるかもしれない、という希望が頭をよぎり、次の瞬間、拳を握りしめ、耶麻音は青年に向かっていった。
「ふざけんなっ!!!」
勢いよく繰り出した拳は虚しく宙を切り、余裕で躱した青年は、耶麻音が繰り出した腕を掴むと、そのままソファの上に投げ飛ばした。そのまま抵抗されないよう、覆いかぶさる。
華奢な様で意外と力が強く、振りほどくことができない。
耶麻音は恐怖で押しつぶされそうになった。
「ふふ。かわいいねえ。食べちゃいたいくらい」
「やめろっ!!」
「いやよいやよも好きのうち、って言うだろ。誘ってんの?」
「違うっ!!! なんなんだよ、もうっ」
「おや? きみも恋人にこういう事してたって聞いたんだけどなー。相手は違うと言い張ってるのに信じようとせずしつこくしてたんだろ? 同じじゃないかー。オレの気持ち、わかってくれるだろ? こんなに愛してるんだからさ」
言われて初めて、男の顔色が変わる。
まさか……いや、こいつと俺は違う。違うんだ。
葛藤する耶麻音を楽しそうに見つめていた青年は、ニヤリと笑うと、おもむろに首筋に舌を這わせだした。
「なっ……!!? やめっ……!!」
「んー、やっぱかわいいー。このまま食べちゃいたい」
「ふざけ、っ、なっ……ぁ……」
青年の舌使いに、嫌なはずなのに、呼吸が荒くなる。
身体の力が抜けていく耶麻音の様子に満足したのか、青年はふっと身体を離した。
「ふふ。今日のところはこの辺で帰るね。
続きは次回のお楽しみ、って事で」
青年は、ばいばーい、と笑顔で手を振って、部屋から出て行った。
※※※※※※※※※※※※※※※※※
「おい、遊びすぎだろ」
「んー、だってかわいくて、つい」
「喰う気か?」
「どうしよっかなー。自分は違う、ストーカーじゃないって葛藤してたみたいだしなー」
「自分がした事と同じことをされてまだ自分は違うと言い張れる根性がすごいと思うがな。どっから来るんだか、その自信」
「ほんとにねー。ま、体でわからせないとわからないようだったら、ちょっとお仕置きしちゃうかもー」
「……ほどほどに、な」
「はーい」
モニターを見ると、まだ押し倒されたままの状態で放心している耶麻音の姿が映っていた。
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