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それから
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荷物というほどのものもなく、彦佐はていに軽く頭を下げるとあやめ屋を後にするのだった。
それを見送る時、政吉が平次を呼びに台所へ行った。平次は帳場で皆が騒いでいたというのに、こちらに来なかったのだ。浜は裏手で洗濯でもしているかもしれないが、台所にいた平次に声が聞こえなかったとは考えにくい。
あれだけ懐いていたのだから、去ったら去ったで平次は残念だろう。別れがつらくとも、ちゃんと見送った方がいい。
しかし、平次を呼びに行った政吉は一人で戻ってきた。そうして、しかめっ面になる。
「どうしやした、政吉さん」
思わず高弥が問うと、政吉は腕を組んでため息をついた。
「もういいって言ってやがる」
「へっ」
「情けなくって駄目なんだと」
情けないとはなんのことなのか。高弥は首をかしげた。
そうしていると、政吉は高弥の隣に来て、ポン、と高弥の肩に手を載せた。そうして、少し笑ってみせる。
「後は頼むな。お前が話した方がいいや」
「おれが――」
すると、政吉はうなずく。
「平次はあんなだけどよ、見捨てねぇでやってくれよ」
お互い、腹を割って話し、それでも駄目だと思えば離れる。今はまだそこまで本気でぶつかっていないつもりだ。
平次は昨年の火事の後、本当に懸命に働いた。それを誰よりも身近で見てきたのは高弥なのだ。あれだけの短期間にここまで学べたのは、平次のやる気があったからこそのことだと高弥は思っている。
「おれ、見捨てたつもりはありやせん」
それを言うと、政吉は満足げに高弥の肩を何度かポンポン、と叩いた。
「そっか。じゃあ、俺がつぐみ屋にもちゃんと知らせておくから、後は心配すんな」
「助かりやす。また改めて顔を出すって伝えておくんなさい」
それから政吉は、ていに挨拶して出ていった。
高弥は恐る恐る台所の戸を開けて中に入った。すると、そこには浜がいた。土間にしゃがみ込んでいる。高弥を見るなり、パッと顔を輝かせた。
「あ、高弥さん。おかえりなさぁい」
その時、浜の隣の塊が項垂れて背を向けていた平次であったことに気づいた。ビクリと肩を跳ね上げたくせに振り向かなかった。
浜は無遠慮に平次の背を叩く。
「平次さん平次さん、高弥さんですよぅ」
浜には、そっとしておくという配慮はないらしい。まあいいかと思いつつ高弥は平次に近づいた。
「平次さん、迷惑をかけてすいやせん。その、元助さんを連れ戻しに高輪まで行ったらすぐに戻って来れなくて――」
仕事を放りだすようなやつとは一緒に働きたくないと平次は思っていると彦佐が言っていた。けれど、高弥は鵜呑みにしていない。
それでも、すぐに戻れずに負担をかけてしまったのは間違いないから謝った。
しかし、それでも平次は顔を上げなかった。ボソボソと何かを言ったけれど、よく聞こえない。
「平次さん、怒ってるんでしょうか」
怒っているなら怒っていると言ってもらえばいい。そんなふうに背を向けてばかりいるのはやめてほしい。
どうしたものかと高弥が思っていると、浜が平次の背を、まるで子供を宥めるようにしてまた叩いた。
「ほらほら、いつまでも泣いてたら駄目ですよ」
「え、泣いて――」
そんなにも彦佐との別れが悲しいのか。これは思った以上に重傷だ、と高弥が困惑していると、平次は腕で目元を乱暴に擦り、それからやっと高弥の方に顔を向けた。
けれど、そうして高弥と顔を合わせたら余計に悲しくなったのか、糸目にまた涙を浮かべた。
「ど、どうなすったんで」
「高弥ぁ」
うぅっ、と涙を堪えきれない平次に、高弥はただ焦った。
おろおろしていると、平次がようやく理由を話し始めた。
「お前が出ていって、おいらだけで料理を作るしかなくて、なんとか作ったんだけど、でも、美味くねぇって。彦佐さんが、おいらと高弥は同じくらい料理ができるって思ってたのに、高弥が出ていった途端に味が落ちたって。見るからにガッカリしながら言われて」
「そ、それは――」
彦佐は、自分がそれを口にした時に平次がどれほど傷つくかまではわからなかったのだろうか。それとも、わかっていて、むしゃくしゃするから八つ当たりをしたのだろうか。
この際、そんなことはもうどちらでもいい。
「懸命に働いて、それをそんなふうに言われたらつれぇことかと思いやす。ただ――」
慕っている相手に言われたら、他の誰に言われるよりも傷ついただろう。
しかし、彦佐が平次にわざとそんなことを言ったのだとしたら、いつまでも自分を兄と混同している平次に内心では腹が立ち、傷つけてやりたくなったのかもしれない。
そんな双方の思いは、この際もういいのだ。重要なのは、それでどうするかということである。
「そう言われて傷ついたのなら、泣いている場合じゃあありやせん。これからもっともっと精進して立派な料理人になるしかねぇ。平次さんならなれるって、おれは思いやす」
まっすぐに平次を見据えて言った。そう、やる気さえあればなれるのだ。
立派な料理人とは、どれだけ情熱をもって料理と向き合えるかが問われるのだと思う。だから、なれるはずなのだ。高弥も、平次も。
すると、平次はまた泣いた。
「高弥ぁ」
「だから、泣いてる場合じゃあねぇって言ってるんで。さ、今日の夕餉はなんにしやしょう」
同い年で、上背は平次の方があるけれど、平次は料理人としてはまだ歩き始めたばかりなのだ。向いているか向いていないかなどと判ずるのはまだ早い。
平次はぐすぐすと鼻を啜りながらつぶやく。
「おいら、お前にひでぇこと言ったよな」
「さぁ。覚えちゃおりやせん」
「言った。ごめんな、高弥」
「そんなのはお互いさんでござんす」
へへ、と笑うと、平次もほんのりと笑った。それを浜は子供の喧嘩でも眺めているような顔をしてそこにいた。
「よかったですねぇ、平次さん」
浜の方が年下だというのに、浜は弟にでも接しているふうだった。平次も急に照れ臭くなったのか、耳まで赤くなった。
「ん、まあ、な」
「高弥さんにも嫌われたって嘆いてたんですよぅ」
「あ、こらっ」
平次は慌てるけれど、浜は笑うばかりだった。高弥も何かこそばゆい。
「高弥さんは小さい頃から料理人のおとっつぁんについて料理を教えてもらっていたんでしょう。それに比べて平次さんは料理を始めたのは去年の暮れ。同じほどできるわけないじゃないですかぁ」
それはそうなのだ。同じほどにできたら、高弥の方がしょげてしまう。
浜はにこやかに平次に言う。
「一年も経ってないのにこれだけできるのって、あたしから見たら十分すごいですけどね。後一年したらもっともっとすごくなってるんじゃあないですか」
本当に、自然に思ったことを口にする娘だ。だからこそ今、そんな裏表のない言葉に平次は救われたのではないだろうか。
こっくりとうなずいた平次の目にはまた涙が浮いていたけれど、それは悲しみのためではなかったように思う。
高弥は微笑ましい気持ちで言った。
「彦佐さんがいつかまたあやめ屋を訪れる日が来やす。その時には、美味ぇ料理を出して、あっと言わせてやりゃあいいんでござんす」
「ん、その日が楽しみだな――」
それを見送る時、政吉が平次を呼びに台所へ行った。平次は帳場で皆が騒いでいたというのに、こちらに来なかったのだ。浜は裏手で洗濯でもしているかもしれないが、台所にいた平次に声が聞こえなかったとは考えにくい。
あれだけ懐いていたのだから、去ったら去ったで平次は残念だろう。別れがつらくとも、ちゃんと見送った方がいい。
しかし、平次を呼びに行った政吉は一人で戻ってきた。そうして、しかめっ面になる。
「どうしやした、政吉さん」
思わず高弥が問うと、政吉は腕を組んでため息をついた。
「もういいって言ってやがる」
「へっ」
「情けなくって駄目なんだと」
情けないとはなんのことなのか。高弥は首をかしげた。
そうしていると、政吉は高弥の隣に来て、ポン、と高弥の肩に手を載せた。そうして、少し笑ってみせる。
「後は頼むな。お前が話した方がいいや」
「おれが――」
すると、政吉はうなずく。
「平次はあんなだけどよ、見捨てねぇでやってくれよ」
お互い、腹を割って話し、それでも駄目だと思えば離れる。今はまだそこまで本気でぶつかっていないつもりだ。
平次は昨年の火事の後、本当に懸命に働いた。それを誰よりも身近で見てきたのは高弥なのだ。あれだけの短期間にここまで学べたのは、平次のやる気があったからこそのことだと高弥は思っている。
「おれ、見捨てたつもりはありやせん」
それを言うと、政吉は満足げに高弥の肩を何度かポンポン、と叩いた。
「そっか。じゃあ、俺がつぐみ屋にもちゃんと知らせておくから、後は心配すんな」
「助かりやす。また改めて顔を出すって伝えておくんなさい」
それから政吉は、ていに挨拶して出ていった。
高弥は恐る恐る台所の戸を開けて中に入った。すると、そこには浜がいた。土間にしゃがみ込んでいる。高弥を見るなり、パッと顔を輝かせた。
「あ、高弥さん。おかえりなさぁい」
その時、浜の隣の塊が項垂れて背を向けていた平次であったことに気づいた。ビクリと肩を跳ね上げたくせに振り向かなかった。
浜は無遠慮に平次の背を叩く。
「平次さん平次さん、高弥さんですよぅ」
浜には、そっとしておくという配慮はないらしい。まあいいかと思いつつ高弥は平次に近づいた。
「平次さん、迷惑をかけてすいやせん。その、元助さんを連れ戻しに高輪まで行ったらすぐに戻って来れなくて――」
仕事を放りだすようなやつとは一緒に働きたくないと平次は思っていると彦佐が言っていた。けれど、高弥は鵜呑みにしていない。
それでも、すぐに戻れずに負担をかけてしまったのは間違いないから謝った。
しかし、それでも平次は顔を上げなかった。ボソボソと何かを言ったけれど、よく聞こえない。
「平次さん、怒ってるんでしょうか」
怒っているなら怒っていると言ってもらえばいい。そんなふうに背を向けてばかりいるのはやめてほしい。
どうしたものかと高弥が思っていると、浜が平次の背を、まるで子供を宥めるようにしてまた叩いた。
「ほらほら、いつまでも泣いてたら駄目ですよ」
「え、泣いて――」
そんなにも彦佐との別れが悲しいのか。これは思った以上に重傷だ、と高弥が困惑していると、平次は腕で目元を乱暴に擦り、それからやっと高弥の方に顔を向けた。
けれど、そうして高弥と顔を合わせたら余計に悲しくなったのか、糸目にまた涙を浮かべた。
「ど、どうなすったんで」
「高弥ぁ」
うぅっ、と涙を堪えきれない平次に、高弥はただ焦った。
おろおろしていると、平次がようやく理由を話し始めた。
「お前が出ていって、おいらだけで料理を作るしかなくて、なんとか作ったんだけど、でも、美味くねぇって。彦佐さんが、おいらと高弥は同じくらい料理ができるって思ってたのに、高弥が出ていった途端に味が落ちたって。見るからにガッカリしながら言われて」
「そ、それは――」
彦佐は、自分がそれを口にした時に平次がどれほど傷つくかまではわからなかったのだろうか。それとも、わかっていて、むしゃくしゃするから八つ当たりをしたのだろうか。
この際、そんなことはもうどちらでもいい。
「懸命に働いて、それをそんなふうに言われたらつれぇことかと思いやす。ただ――」
慕っている相手に言われたら、他の誰に言われるよりも傷ついただろう。
しかし、彦佐が平次にわざとそんなことを言ったのだとしたら、いつまでも自分を兄と混同している平次に内心では腹が立ち、傷つけてやりたくなったのかもしれない。
そんな双方の思いは、この際もういいのだ。重要なのは、それでどうするかということである。
「そう言われて傷ついたのなら、泣いている場合じゃあありやせん。これからもっともっと精進して立派な料理人になるしかねぇ。平次さんならなれるって、おれは思いやす」
まっすぐに平次を見据えて言った。そう、やる気さえあればなれるのだ。
立派な料理人とは、どれだけ情熱をもって料理と向き合えるかが問われるのだと思う。だから、なれるはずなのだ。高弥も、平次も。
すると、平次はまた泣いた。
「高弥ぁ」
「だから、泣いてる場合じゃあねぇって言ってるんで。さ、今日の夕餉はなんにしやしょう」
同い年で、上背は平次の方があるけれど、平次は料理人としてはまだ歩き始めたばかりなのだ。向いているか向いていないかなどと判ずるのはまだ早い。
平次はぐすぐすと鼻を啜りながらつぶやく。
「おいら、お前にひでぇこと言ったよな」
「さぁ。覚えちゃおりやせん」
「言った。ごめんな、高弥」
「そんなのはお互いさんでござんす」
へへ、と笑うと、平次もほんのりと笑った。それを浜は子供の喧嘩でも眺めているような顔をしてそこにいた。
「よかったですねぇ、平次さん」
浜の方が年下だというのに、浜は弟にでも接しているふうだった。平次も急に照れ臭くなったのか、耳まで赤くなった。
「ん、まあ、な」
「高弥さんにも嫌われたって嘆いてたんですよぅ」
「あ、こらっ」
平次は慌てるけれど、浜は笑うばかりだった。高弥も何かこそばゆい。
「高弥さんは小さい頃から料理人のおとっつぁんについて料理を教えてもらっていたんでしょう。それに比べて平次さんは料理を始めたのは去年の暮れ。同じほどできるわけないじゃないですかぁ」
それはそうなのだ。同じほどにできたら、高弥の方がしょげてしまう。
浜はにこやかに平次に言う。
「一年も経ってないのにこれだけできるのって、あたしから見たら十分すごいですけどね。後一年したらもっともっとすごくなってるんじゃあないですか」
本当に、自然に思ったことを口にする娘だ。だからこそ今、そんな裏表のない言葉に平次は救われたのではないだろうか。
こっくりとうなずいた平次の目にはまた涙が浮いていたけれど、それは悲しみのためではなかったように思う。
高弥は微笑ましい気持ちで言った。
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