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第1章 ガイコツ王子

11 初夜②

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sideシャルナーク

なんとか、料理教室も終わり、それぞれ作った肉じゃがを食べた。

「ショーユの深みが何とも言えぬなぁ…!」

「あら、みりんの甘さが良いのですよ、シャルナーク様。」

ナタリーが俺に言う。
だいぶ俺とナタリーの仲も打ち解けてきたようだ。

そして、俺は腹一杯で幸せな気持ちで帰っていった。

「おぉ、シャルナーク!
後宮からの昼帰りか!
お前も中々隅におけないな!」

ザルトハック兄さんがそう言って俺の肩を叩いた。

「そんなんじゃありませんよ。
俺はただエレナの料理を食べにいっているだけで…」

俺はそう答えた。

「なに?
料理を!?
それは誠か!?」

「はぁ…

何か問題でもあるのですか?」

俺は言う。

「あるに決まっておろう!
何のために後宮があると思っておるのだ!?
全ては俺たち王族の血を残すためだ!
それなのに、第2王子のお前に世継ぎが出来ないのは、大問題だ!

えぇい!
今夜はビシッと決めるんだぞ!

なに、女など、少し甘い言葉を囁けばだな…」

ザルトハック兄さんは言う。

「俺には無理だよ、兄さん…
ほら、俺はガイコツだし…」

俺は意気消沈して言う。

「何を言うか!
この国の第2王子だぞ!
自信を持て!

よいか!
今夜決めるんだぞ!」

そう説教をして、ザルトハック兄さんは去っていった。

俺は…

どうすれば良いのか、分からなかった。
エレナを抱きたいか?抱きたく無いか?と、そう言われれば答えは決まっている。
しかし、それ以上に彼女に嫌われるのが怖かった…

しかし、俺も男だ!

俺は意を決して夜にエレナの部屋に向かった。

「まぁ、シャルナーク様!
もう、夜食はありませんのよ?」

エレナは少し驚いた表情でそう言った。

「…夜食を食べに来たのでは無いのだ…」

「あら?
では、何を…?」

「そなたを抱きに来た…
と言ったら、どうする…?」

「そ、そ、それは…」

エレナは伏目がちに言葉を濁す。

「俺に抱かれればそなたは晴れて正妃だぞ!
欲しいものなら何でも買ってやるし、城を別に建ててもいいのだ!」

俺は必死に言う。

「私は…
そんなものは欲しくありません…」

「じゃあ、どうすればいいんだ!?
ガイコツの俺には物で釣るしか方法が無いじゃないか!!!」

俺は知らぬ内に涙をこぼしていた。

「シャルナーク様…」

エレナはそんな俺の頬に優しくキスをした。

「エレナ…
すまなかった…

どうか、嫌わないでくれ…
俺が欲しいのは、身体だけでは無いんだ…」

そして、その日初めてエレナのベッドで眠った。
彼女は俺を包むように抱きしめてくれた。


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