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第1章 ガイコツ王子

12 後宮事件簿①

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朝私が目覚めると、ガイコツ王子の姿は無かった…

あれでよかったのだろうか…?
私にはどうすれば良いか分からなかった…
ガイコツ王子の事は嫌いじゃない。
だけど、男として見られるか?と問われれば、私は沈黙するしか無いだろう。

それから、3日間ガイコツ王子が私の部屋に来る事は無かった。

♦︎♦︎♦︎

「そういえば最近はガイコツ…シャルナーク様はお見えになりませんねぇ…」

ナタリーがつまらなそうに言う。

「きっとご政務がお忙しいのよ。」

私は言い、その日はレタスのチャーハンを作った。

食べてくれる人が1人減ると、張り合いというものが無いものだ。
そんな考えがふと、よぎった。

そんな中、ある事件が後宮で起こった。
侍女のポーラが私にその事件の概要を説明してくれた。

「えぇぇぇぇぇ!?
後宮で殺人事件!?」

「え、えぇ、そうなんです…

亡くなったのは、チューリップの後宮のセリーナ様ですから…
それはもう大騒ぎになっていて。
噂では、シャルナーク様とゼンリュート様が事件解決にあたっているとか…

だけど、犯人の目星は全くついていないそうです。」

ゼンリュート様と言えば第5王子である。
確か王子達はそれぞれ、母親が一緒だったり、違ったりするらしく、第1王子のザルトハック様と第2王子のシャルナーク様、第5王子のゼンリュート様は同じ母親のはずだ。
ゼンリュート様は後宮や本城の人事や総括を政務としており、それで今回の事件にもあたっているのだろう。

「それで?
詳しい状況は???」

「いえ、そこまでは私の情報では…」

「毒殺だ…」

ガイコツ王子の声がして、開いていた扉の側に立っているのが見えた。

「シャルナーク様…!
お久しぶりのお越しで…!」

「あぁ、久しいな。」

そう言うシャルナーク様は少しふっくらされ、顔は相変わらず白いが、病人のような白さでは無かった。

「しかし、何の毒なのか?
誰が毒を盛ったのか?
さっぱり分からぬよ。」

シャルナーク様は肩をすくめた。

「何故毒殺だと分かるのですか?」

「セリーナはチョコレート菓子を食べて死んでおった。
死体の側にチョコレートの包み紙が散らばっていたから、間違いない。
だが…
全て食べられており、死体解剖するしか毒物を判定する手段は無いだろう。」

「まぁ…!
容疑者は…?」

「さぁな、セリーナは第3王子ローズリートのお気に入りで、恨みに思うおなごは山ほど居ろうな。

それより、何か無いか?
腹が減ったわ。」

「うふふ。
レタスチャーハンがございますわよ。」

私はレタスチャーハンを器に盛った。



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