悪役令息と悪役令嬢の兄と姉を守りたいので第四王子との恋愛フラグをへし折りまくります!

いずみ

文字の大きさ
34 / 55

出会い

 アイルファルの国に入ると、占いの店がそこら中にあった。ラジオと言う機械から聞こえてくる今日の運勢の星座占いが聞こえてきた。どうやら、産まれた月日で星座が決まりその星座で一日の運勢や運勢を少しでも良くするためのグッズが紹介されていた。
 まさか、ここまでとは思っていなかった。
「占いの国だとは知っていましたが、ここまで発展しているんですね」
「そうだな、アルはちなみに何月が誕生日なんだ?」
「内緒ですね、占いに頼りたくないので」
「そうか、残念だがとっくに調べて知っているから別にいいけどな」
「知っているんですか……、まぁいいですけどね」
 誕生日くらい知られても大丈夫だ。そう言えば僕はシフォンの誕生日を知らない。
 またの機会にでも聞いてみよう。
 馬車はガタガタと道を順調に進んでいる。
 さて、首都に着いたら王に謁見するだろう。イモータルもきっとその時に会えると思っている。どんな奴なんだろう?
「なぁ、馬車から降りてちょっとイモータルの事を一般の人にも聞いてみないか?」
「いいが、食い歩きは駄目だぞ」
「えー!」
「俺達はアラン国の顔として来ている。泥をぬったら怖い、特に父上が」
「そうだね、うん。今回は大人しくします。食べる時は座ってだね」
 僕とシフォンは馬車から降りて、後ろから護衛の人が二人ついてくる。
「すみません、団子とお茶を二つお願いします!」
「はーい、承りました! あら、君達護衛なんて何処かの貴族かい?」
「はい、そうですが?」
「気を付けた方がいいよ」
「え?」
 僕はそう言って、静かに話しに来る店のおばちゃんの言葉に驚いた。
「貴族や金持ちを狙った窃盗団が夜な夜な出ているからね」
「そうなんですか、物騒ですね」
「けど、大丈夫だよ! ちゃんと警備隊が見回りしているからね」
「そうなんですか、それは安心ですね。ちょっと、お聞きしたい事があるのですが」
「なんだい?」
 おばちゃんは不思議そうな顔をしていた。
「イモータル様の事で何か知っている事はありますか?」
「イモータル様は国の大事な事を決める時に占いをして、王様がそれを了承するほどの占い師としての力は、とびぬけているね。皆、イモータル様に占ってほしいって思っているよ」
「そうなんですね、ありがとうございます」
「いえいえ、ゆっくりしていってね」
 そう言って、おばちゃんは店の奥に行ってしまった。
 僕は小声でシフォンに話した。
「どうやら、洗脳されているね。この国の人間は」
「あぁ、占いで国の事を決めるなんて、傀儡になっているな。占いに頼りすぎている」
「イモータル、会ってどんな奴か気になる。こんなに、国に影響を与えているなんて」
「そうだな、馬車に戻ろう。きっと、他のこの国の人に聞いても同じ答えだろう。それに、夜な夜な出ると言う窃盗団が気になる」
「そうだな」
 僕とシフォンは団子を食べてお茶を飲んで、馬車に戻ろうとすると後ろから声をかけられた。
「君達、他の国からの観光者?」
 声をする方を見ると、見た事のある顔があった。髪は赤く、瞳はルビーの色をしている美形が立っていた。軍服を着ているが鍛えられた身体は隠しきれていない。その両隣には護衛と思われる男が後ろで二人立っている。
「あの、なんでしょうか?」
「あぁ、悪い。俺はアルフェイって言うんだ。お前たちは何て名前なんだ?」
 知っています! ていうか、貴方が目当てで来ましたなんて言えない。あぁ、出会えてラッキーだと思うが今の状況は心臓に悪い。
「すみません、話なら馬車の中でもいいですか?」
「構わない、話を聴いてくれるようで感謝する」
「いえ」
 ここで立ち話何て、女性達の視線で刺さりまくりで死ぬ。僕の精神がごっそり無くなる。
「馬車に失礼する」
「はい」
 俺とシフォンは隣同士に座り、アルフェイ様はその前に座った。付き添いの護衛の二人も。
「さて、あんた等は何しにこの国に来たんだ」
 アルフェイ様からの直球の質問だ。
「今は大事な時期なんだ。イモータルを失脚させるための」
「邪魔ですか?」
「あぁ、邪魔だね。悪いがアラン国に帰ってくれ。今は、この国の大事な時期なんだ」
 アルフェイ様が厳しい顔を見せる。
 だが、僕もひけない!
「ちなみに、アルフェイ様は婚約者や恋人とかいらっしゃいますか?」
「あ? いないが、なんだ?」
「いえ! ちょっとした疑問です!」
 ヨッシャ! まずは第一関門は突破! 恋人も婚約者もいないなら、こっちのものだ!
「僕達もイモータルの事を疑っています」
「なに?」
「イモータルが王様に近付いてから、アラン国でこの国から麻薬が入っている情報を掴んで、それを調べにこの国来たんだ」
「……、そうなのか! イモータル、アイツの仕業だな」
「やっぱりそうですか?」
「あぁ、アイツは裏では汚い事をしている金の亡者だ。金のためなら、この国がどうなろうといいと思っている。しかし、君達の本当の狙いを知っていいのか?」
「はい! 信頼できる方だと分かります。国が傾きそうなのを立ち直そうとしている。立派だと思いますよ」
 それに、絵画と一緒の外見で安心した。性格も国民想いだ。いい物件だ!
「俺達はこのまま、王様に謁見する予定だ」
「そうか」
「なんか、暗いですね? 王様がどうしたんですか?」
「王は、イモータルの言葉で何でもする。自分で考えてものを言わない。だから、危険なんだよ」
「とういう?」
「なるほど」
 シフォンは分かった様で、僕もちょっと考えたら分かった。
 傀儡の王は、イモータルが俺達を邪魔だと思ったら何時でも殺せるという事だ。
 だが、出来るのか?
 俺達はこの国よりも大国のアランの貴族とシフォンは王族だぞ。もし、殺したりしたら戦争なんて話になる。
「お前等も分かっているみたいだが、イモータルは裏工作が上手い」
「なるほど、こちらが死刑になるような事を仕組んでくると?」
「あぁ、それ位してくる。自分が一番偉くないとイヤらしいからな」
「なんじゃ、そりゃ?」
 僕は小さな子供みたいで呆れた。
 シフォンも大きなため息をついた。
 あぁ、今からお城に入って王様に会うのが億劫だ。
感想 2

あなたにおすすめの小説

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

召喚された聖女の俺は生真面目な護衛騎士に愛されたい

緑虫
BL
バイト帰りにコンビニを出た瞬間、西洋風な服装のおじさんたちに囲まれた片桐隼人(かたぎり はやと)。 「聖女様が御姿を現されたぞ!」 「え、あ、あの」 だが、隼人を聖女と呼ぶ赤毛の王子は隼人が男と知ると態度を豹変。金髪碧眼の美貌の騎士レオが「――ここにもうひとりおります!」と言ったことで、聖女召喚に巻き込まれただけの一般人としてレオと共に城を追い出されてしまう。 てっきりこれはドッキリの類だと思い込む隼人は、「早く家に帰ってインスタント焼きそば(辛子マヨネーズ味)を食べたい!」と願うが、事はそううまくは運ばない。 「我レオ・フェネオン、騎士の名誉に誓い、真の聖女様に揺るぎなき忠誠を捧げる」 あまつさえ、レオにそんなことを言われてしまう。 レオに連れられて異世界を移動するうちに、魔物に襲われてしまう二人。 光り輝く剣で敵を倒すレオは格好いいけど、隼人は最早リバース寸前だった。  ――ここまできたら、いい加減認めざるを得ない。俺がいる場所が施設の中とかプロジェクションマッピングとかじゃなくて、本物の異世界だってことを! だが、元の世界に帰る為には、別の召喚陣がある場所まで行かなければならない。そんな訳でレオと二人、隣国に向けて逃亡を始めた。 レオ以外に頼る相手のいない隼人は、ひとりになった瞬間恐怖に襲われる。 するとレオが「では、私の祖国に到着し王家に保護されるまでの間、私とハヤトは結婚を間近に控えた恋人同士の設定でいきましょう」と何故か言い出し――? オメガバースは独自設定です。ご了承下さい。 秘密多き生真面目イケメン騎士攻めx明るい勤労大学生受け ハピエン、完結保証。ムーンライトノベルズにも掲載中。 聖女(男)・騎士・追放・後宮・溺愛・執着・王子・異世界・召喚・敵国・偽装・オメガバース(α、Ω)

正義の味方にストーカーされてます。〜俺はただの雑魚モブです〜

ゆず
BL
俺は、敵組織ディヴァイアンに所属する、ただの雑魚モブ。 毎回出撃しては正義の戦隊ゼットレンジャーに吹き飛ばされる、ただのバイト戦闘員。 ……の、はずだった。 「こんにちは。今日もお元気そうで安心しました」 「そのマスク、新しくされましたね。とてもお似合いです」 ……なぜか、ヒーロー側の“グリーン”だけが、俺のことを毎回即座に識別してくる。 どんなマスクをかぶっても。 どんな戦場でも。 俺がいると、あいつは絶対に見つけ出して、にこやかに近づいてくる。 ――なんでわかんの? バイト辞めたい。え、なんで辞めさせてもらえないの? ―――――――――――――――――― 執着溺愛系ヒーロー × モブ ただのバイトでゆるーく働くつもりだったモブがヒーローに執着され敵幹部にも何故か愛されてるお話。

最強騎士団長の養子になったエルフ。遊び相手の王子は、僕にだけ重すぎる愛を注ぐ

えの
BL
突然知らない森に飛ばされたエルフの少年リュカ。 驚くことも無く「まぁ、森だし」で片付けてしまう。 そんなマイペースなリュカが傷心した獣人女性に出会ったことから物語が動き出す。 攻めが出てくるの少し遅いです。 執着王子×マイペースエルフ

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼不定期連載となりました。 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。

贖罪公爵長男とのんきな俺

侑希
BL
異世界転生したら子爵家に生まれたけれど自分以外一家全滅という惨事に見舞われたレオン。 貴族生活に恐れ慄いたレオンは自分を死んだことにして平民のリオとして生きることにした。 一方公爵家の長男であるフレドリックは当時流行っていた児童小説の影響で、公爵家に身を寄せていたレオンにひどい言葉をぶつけてしまう。その後すぐにレオンが死んだと知らされたフレドリックは、以降十年、ひたすらそのことを悔いて生活していた。 そして十年後、二人はフレドリックとリオとして再会することになる。   ・フレドリック視点は重め、レオン及びリオ視点は軽め ・異世界転生がちょいちょい発生する世界。色々な世界の色々な時代からの転生者の影響で文明が若干ちぐはぐ。 ・世界観ふんわり 細かいことは気にしないで読んでください。 ・CP固定・ご都合主義・ハピエン ・他サイト掲載予定あり