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占いの関門

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 いろいろと状況を整理していたら、見えてきたのだ。南の国の大国である、国名はアイルファル国という国に入るための関門が。占いは昔から盛んな国だったが、イモータルが現われてからは、全てが占いで事決まる国。道は石やレンガなどで舗装されている道を馬車が進む。大きな塀と門が見えてきた。
 流石は大国の首都に続く門である、警備は厳重になっている。
 関門前でとまり、馬車から降りる様に門番に言われて馬車から降りた。
「あんたら、何しにこの国に?」
 門番が偉そうに上から見下す視線を向けてくる。
 シフォンがそれに対応した。
「俺達、こんなモノなんだよ」
 シフォンは上着の内ポケットからペンダント見せた。そのペンダントには、我が国の紋章が描かれている。これを持つことを許されているのは王族のみ。だから、門番は目をこすって見て。こすっては見て、頭を下げてきて先ほどとは違う対応になった。手のひらを返すのが早すぎる。
「大国アランの王子様が一体どのようなご理由で?」
「旅行がしたくてね。婚約者にねだられた」
「そうなんですね、首都はこの門を真っ直ぐに進むと着きます」
「そうか、ありがとう」
「ですが、一つして貰う事があります」
「なんだ?」
 知っているが知らないふりをするシフォン。演技が上手すぎる。流石、金の王子!
「はい、一つ。この箱に入っている紙を取ってください。もし、凶が出たら我が国に入る事は出来ませんので、ご了承ください」
「俺に指図する気か?」
「いえ、どんな人にも平等にやって頂いています!」
 門番は顔を横にふりながら、青い顔をしていた。
「はぁー、凶が出る確率はどれくらいだ?」
「10分の一です」
「フーン、なら俺と俺の婚約者とそれ以外の付き人のモノも俺が一回で引いていいか?」
「か、かまいませんが」
「ちょっと、シフォン!」
 僕は焦った。一回で凶が出たら最悪な事に何もできずに旅は終わる。
「アル、俺は運だけはいいんだよ」
「けど!」
「大丈夫、俺を信じて」
 真剣な目をしたシフォンに僕は折れるしかなかった。
 門番が箱をシフォンに向けて、箱の中に手をいれて紙を一つ取った。
 嬉しそうにしているシフォン。
 僕は違和感を覚えた。まさか……ね。
 シフォンが取った紙には大吉と書かれていた。
「これで、皆を通してもらおうか」
「はい、おめでとうございます! 今から門を開けます」
 僕は馬車に乗って座って、馬車が門をくぐって進んでいるなか、シフォンに声をかけた。
「なぁ、さっきの箱の紙とり占いって、まさかだけど」
「あぁ、インチキしたのがバレていたか」
「やっぱり。けど、何をしたんだ?」
「大吉の紙にだけは箱の右上に紙をくっ付けて貰ってそれを取ればいいとアイルファルの兵を買収しておいた。上手くいって何よりだ」
「全然気づかなかった……演技上手いな!」
「そうかな、確実にこの国に入らないといけないからな。手段は選んでいられないからな!さぁ、もうすぐでアイルファルの国の首都のイルだ! さぁ、本番だ気合入れないとな!」
 あぁ、このシフォンは敵に回してはいけないなと、アルフォンは心の中で呟いた。
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