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チワワ系ならともかく
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「何を想像してるのか知らないけど、殺したりなんてしないよ。するはずない」
「悪い事に手を貸すのも嫌ですよっ」
「イケナイコトではあるかもしれないけど、悪い事じゃないと思う。多分」
「たぶん!?そこははっきりきっぱり断言していただきたいんですけれども!」
「良い事になれるように頑張るから、じゃあ取引成立ってことで」
「いやいや待って待って!私は良いですよなんて言ってないですし、そもそも何をしなきゃいけないのかを具体的に言ってもらわないと検討もできないといいますかっ」
とか言いつつ実はあんまり聞きたくもない気もしてる。だって聞いたからにはもう逃げられないぜ、とかありがちな話じゃん。
「うーん、伝えられるかなぁ。君には……してもらいたいんだ」
「え?」
「だから、僕は……て、君と……すると……んだ。だから協力してくれないかな?」
「いや何言ってるのか全然分からないですよ?」
わんこがぱくぱくとパントマイムみたいに口を動かした。いや、操り人形?操ってる人がいないから何言いたいのか全く分からないけど。
私が首を傾げると、困ったように耳がへにょりと折れる。う、なんだかその動き可愛いな。
「やっぱりだめかぁ。こうして触れられるし、落とし子だから大丈夫だと思ったんだけどな」
よく見ると尻尾まで垂れ下がっていた。そういうチャームポイントを的確に使うのはズルい。なんかさ、悪い人だとしてもいっかなーみたいに思っちゃうじゃん?
いや、何がいいのか自分でもよく分からないけど。
いくら可愛いわんこだって私の命は掛けられないぞ。しかもチワワ系ならともかくシベリアンハスキー系になんてとてもとても。
はぁ、と大きなため息をついたわんこを見上げるとちょっとドキってした。
うん、これは野生のケモノに見惚れてしまうそんな感覚だ。だってこのわんこめちゃくちゃ毛並みがいいし、銀色っぽいし、キラキラしてるし、顔はシュッとしてるシベリアンハスキー系だし。
「見ての通り、僕はとっても困っているんだ。この状態をどうにかできるのは君以外に居ない」
「困ってる?」
「そう。すごく困っているのに、それを誰かに話す事すら出来ない。僕はこのままじゃ本当に困るんだ」
わんこの垂れ下がった耳に、私はピンと来た。
これ、まんまあの映画の状態なんじゃないかって。
「もしかしてなんですけど、呪われてたりします?」
「分かるのかい!?」
「あー、やっぱり」
「悪い事に手を貸すのも嫌ですよっ」
「イケナイコトではあるかもしれないけど、悪い事じゃないと思う。多分」
「たぶん!?そこははっきりきっぱり断言していただきたいんですけれども!」
「良い事になれるように頑張るから、じゃあ取引成立ってことで」
「いやいや待って待って!私は良いですよなんて言ってないですし、そもそも何をしなきゃいけないのかを具体的に言ってもらわないと検討もできないといいますかっ」
とか言いつつ実はあんまり聞きたくもない気もしてる。だって聞いたからにはもう逃げられないぜ、とかありがちな話じゃん。
「うーん、伝えられるかなぁ。君には……してもらいたいんだ」
「え?」
「だから、僕は……て、君と……すると……んだ。だから協力してくれないかな?」
「いや何言ってるのか全然分からないですよ?」
わんこがぱくぱくとパントマイムみたいに口を動かした。いや、操り人形?操ってる人がいないから何言いたいのか全く分からないけど。
私が首を傾げると、困ったように耳がへにょりと折れる。う、なんだかその動き可愛いな。
「やっぱりだめかぁ。こうして触れられるし、落とし子だから大丈夫だと思ったんだけどな」
よく見ると尻尾まで垂れ下がっていた。そういうチャームポイントを的確に使うのはズルい。なんかさ、悪い人だとしてもいっかなーみたいに思っちゃうじゃん?
いや、何がいいのか自分でもよく分からないけど。
いくら可愛いわんこだって私の命は掛けられないぞ。しかもチワワ系ならともかくシベリアンハスキー系になんてとてもとても。
はぁ、と大きなため息をついたわんこを見上げるとちょっとドキってした。
うん、これは野生のケモノに見惚れてしまうそんな感覚だ。だってこのわんこめちゃくちゃ毛並みがいいし、銀色っぽいし、キラキラしてるし、顔はシュッとしてるシベリアンハスキー系だし。
「見ての通り、僕はとっても困っているんだ。この状態をどうにかできるのは君以外に居ない」
「困ってる?」
「そう。すごく困っているのに、それを誰かに話す事すら出来ない。僕はこのままじゃ本当に困るんだ」
わんこの垂れ下がった耳に、私はピンと来た。
これ、まんまあの映画の状態なんじゃないかって。
「もしかしてなんですけど、呪われてたりします?」
「分かるのかい!?」
「あー、やっぱり」
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