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転がり落ちてきたラッキー
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納得した。このわんこ、呪われてわんこにされてるんだ。
「ついでになんですけど、笑わないで聞いて欲しいんですけど、もしかして王子サマだったりとかします?」
恐る恐る聞くと、わんこの目がまん丸になった。これはどういう感情なんだろう、よく分からない。ああ、つい映画に引っ張られちゃったけど変なこと言ったかも。
王子なんてほら全然身近じゃなくてテレビの中の存在だし、いきなり目の前のわんこに「王子様ですか?」なんて聞く女子大生とか冷静に考えて痛すぎじゃない?
自分の発言の痛々しさに頭を抱える直前、わんこが「すごいな」と呟いた。
「僕は名乗っていないよね?どうして王子だって気が付いたんだい?」
「え。いや、そりゃあ」
異形になってる呪われた男性は「王子」だって相場が決まってるといいますか。ねえ?
え。っていうか。
「本当に王子様なの!?」
「まあ、ね。ターラント国の第一王子、テオフィル・ターラントだ」
「おお」
すごい。国の名前をそのまま名乗れるんだ。それって凄く格好良い!
ヤバい筋の人じゃなくて王子様だったのか。なるほどなるほど。色んな事がしっくりきた。
王子様は呪われてしまってこんなわんこにされちゃった。野獣と違って別に醜いとかじゃないけど、っていうよりむしろわんことしては格好良いけど、でもわんこだし周りから倦厭されてるんだろう。
状況説明しようにも上手く喋れないみたいだし。
呪いを解く方法は決まってる。
野獣だろうとカエルだろうと、王子様の呪いはキスで解決するんだ。
「良いですよ、協力しても」
「え、本当かい?」
「はい。私に出来る事なら協力させてください」
わんこ王子の耳がピーンって立って、尻尾がぶんぶん振られてるのが見えた。可愛い。
ああいや、わんこ王子じゃないや。ええっと、テオフィル王子とか名乗ったっけ。
「テオフィル王子の呪いを解くお手伝い、私で良ければさせてください」
ダメ押しに、見上げてそっと微笑む。
そんな私のお腹はきっと真っ黒に染まっているだろう。
だって王子様だよ、王子様!王子様とキスして呪いを解いた女の子はそのまま二人で幸せに暮らしました、って相場が決まってるじゃん!
しかも呪いを解いたらイケメンなんだよ!
イケメン王子と玉の輿!
最高じゃない!?国立大男子なんて目じゃなくない!?
こんな転がり落ちてきたラッキー、手放す理由なんて無いでしょっ!
いやまぁ実際に落ちたのは私なんだけど。
「ついでになんですけど、笑わないで聞いて欲しいんですけど、もしかして王子サマだったりとかします?」
恐る恐る聞くと、わんこの目がまん丸になった。これはどういう感情なんだろう、よく分からない。ああ、つい映画に引っ張られちゃったけど変なこと言ったかも。
王子なんてほら全然身近じゃなくてテレビの中の存在だし、いきなり目の前のわんこに「王子様ですか?」なんて聞く女子大生とか冷静に考えて痛すぎじゃない?
自分の発言の痛々しさに頭を抱える直前、わんこが「すごいな」と呟いた。
「僕は名乗っていないよね?どうして王子だって気が付いたんだい?」
「え。いや、そりゃあ」
異形になってる呪われた男性は「王子」だって相場が決まってるといいますか。ねえ?
え。っていうか。
「本当に王子様なの!?」
「まあ、ね。ターラント国の第一王子、テオフィル・ターラントだ」
「おお」
すごい。国の名前をそのまま名乗れるんだ。それって凄く格好良い!
ヤバい筋の人じゃなくて王子様だったのか。なるほどなるほど。色んな事がしっくりきた。
王子様は呪われてしまってこんなわんこにされちゃった。野獣と違って別に醜いとかじゃないけど、っていうよりむしろわんことしては格好良いけど、でもわんこだし周りから倦厭されてるんだろう。
状況説明しようにも上手く喋れないみたいだし。
呪いを解く方法は決まってる。
野獣だろうとカエルだろうと、王子様の呪いはキスで解決するんだ。
「良いですよ、協力しても」
「え、本当かい?」
「はい。私に出来る事なら協力させてください」
わんこ王子の耳がピーンって立って、尻尾がぶんぶん振られてるのが見えた。可愛い。
ああいや、わんこ王子じゃないや。ええっと、テオフィル王子とか名乗ったっけ。
「テオフィル王子の呪いを解くお手伝い、私で良ければさせてください」
ダメ押しに、見上げてそっと微笑む。
そんな私のお腹はきっと真っ黒に染まっているだろう。
だって王子様だよ、王子様!王子様とキスして呪いを解いた女の子はそのまま二人で幸せに暮らしました、って相場が決まってるじゃん!
しかも呪いを解いたらイケメンなんだよ!
イケメン王子と玉の輿!
最高じゃない!?国立大男子なんて目じゃなくない!?
こんな転がり落ちてきたラッキー、手放す理由なんて無いでしょっ!
いやまぁ実際に落ちたのは私なんだけど。
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