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悪鬼羅刹
悪鬼羅刹 第一話
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大きな窓の外に輝くネオンの輝きがとても綺麗で、シャワールームから聞こえる水音を聞きながら見とれている。
まるで天と地が真逆にひっくり返ったみたいだ。
赤い壁ではない部屋でこういう行為をする相手は、正直限られている。今日の壁の色は、薄いクリーム色をしていた。
一泊何十万とする高級ホテルのベッドはとても柔らかくて、寝心地がいい。
目を閉じれば思わず眠ってしまいそうになるくらいに、全ての肌触りがいいのだ。
「ゼノちゃんさぁ………最近俺とプレイ、してくれなかったよねぇ………?」
最高の夜景に最高の寝具迄揃った最高のシチュエーションだが、背中一面に彫られた女郎蜘蛛の入れ墨を見る度にほんの少しだけ気が滅入る。
かっちりと髪をオールバックに整えた男の顔はとても美しいけれど、その眼には何時も邪悪な光が宿っているように見えるのだ。
男の名前は京條漣。この辺を仕切っている裏社会の権力者だ。
もちろん、このパティスリーショップも、とてもお世話になってはいる。
だが正直面倒くさい人ではある。
「………え?普通に忙しかっただけだけど?」
実際に此処の店の看板をしている訳だ。忙しくないわけがない。
京條さんが俺の身体を抱きしめて、いきなり俺の首筋に顔を埋める。深く深呼吸をしながら、小さく囁いた。
「………ほんとかなぁ?嘘ついてる時匂いで解るからね?」
京條さんは長い間仕事でケーキと関わってきているフォークだ。だからこそケーキの事はよくわかっている。
京條さんの前ではケーキは間違いなく、心の中を読み取られる。
その絡繰りは京條さんはありとあらゆる感情による、ケーキの芳香の具合を全て理解しているからだ。
幸せな時の香り立ち方や、不機嫌な時の香り立ち方。その微妙な変化を見抜ける嗅覚を、この男は持っている。
「……ふふ、やめてよ京條さん。俺今本当にお疲れだからさ」
そう言って笑い飛ばしてみれば、京條さんは俺の首筋を淡く噛む。その噛み方で思わず、身体が震えた。
「……まー、疲れてるケーキの匂いはしてるよ。お前は何時も」
そう囁きながら俺の身体をベッドに倒し、俺の顎を掴んで唇を薄く開かせる。
この人の人を抱きなれている慣れた手つきと余裕を、俺は好きではあるのだ。面倒な人ではあるけれど、数少ない好きな人の一人でもある。
「疲れてるケーキってなんかやだなぁ……どんな匂いしてんの?」
そう言って笑いながら京條さんの目を覗き込む。そしてその目の瞳孔が開いたのを確認した後、俺は静かに目を閉じた。
京條さんの唇が俺の唇に重なり、ゆっくりと舌が入り込んでくる。
正直京條さんの時だけは、俺は完全に受け身に徹底させられてしまう。この人は俺に絶対に主導権を握らせないのだ。
「ん………は…ぁん……」
京條さんに口の中を探られてしまうと、思わず喘ぎ声が出てしまう。思わず溶けた表情を浮かべた瞬間に、京條さんは笑った。
「いいね……ゼノちゃんもっと感じて?感じれば感じる程甘くなるから………」
京條さんの手がバスローブを着ている俺の中に入り込み、俺の胸の突起を爪ではじく。
先端を指先で円を描くようになぞり、わざと其処に触れないように撫でまわす。
思わず小さく息を漏らした瞬間に、京條さんの爪が軽く俺の胸の突起の先端をかすめた。
「………ぁあっ!!!」
京條さんの首に回した腕に力が勝手に入り、しがみ付くような形になる。京條さんは俺の様子を探りながら、からかうように囁いた。
「ゼノちゃん乳首だけでこんな感じるんだね…………ほんとド淫乱」
正直淫乱の自覚はあるが、此処までそれを自分が感じることが解る相手は京條さんだけだ。
「違いますよ……相手が京條さんだから、ですよ」
そう言って煽れば、京條さんが満足そうな表情を浮かべる。すると京條さんが俺の身体に舌を這わせる。
京條さんの手が俺の身体を撫でまわし、身体がゾクリと震えた。
すると京條さんが俺の入り口を指先で撫でながら、吐息交じりの甘えた声色で囁く。
「………今日ゼノちゃん、何回いけるかな?」
その時に俺は正直、ほんの少しだけ先が思いやられた。何故なら京條さんとのプレイは、全体力を持っていかれる位には激しいからだ。
***
「あっあっあっ!!!だめ………!!!もうだめぇ!!!あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
部屋中を機械音が響きまわる中、俺は犬のお座りのような状態で手足を拘束具で固定されてベッドに寝かされている。
俺の中にはちょうどいいところを抉るように動く玩具をねじ込まれ、シーツの上にだらだらと体液を垂れ流していた。
「ゼノちゃん今8回目。前戯でこんなにへばっちゃったらさ、入れられたら気絶するかもね」
身体が勝手にガクガク震えて、いうことをきいてくれない。多分今の俺はほんの少しの刺激でイってしまうくらいには身体を解されている。
正直ものを考えている余裕がない。
「やあぁぁぁぁ!!もぉぉぉぉ!!らくにしてぇぇぇぇえ!!!やだあああああ!!!!!」
泣きながら懸命に悲鳴を上げて頭を左右に振れば、京條さんが俺の目の前に座る。
そして煙草を吸いながら、満面の笑みを浮かべた。
「なぁゼノちゃん………楽にして欲しかったら、ちゃぁんと俺の咥えて俺がゼノちゃんに入れたい気持ちにさせて?」
そう言って俺の目の前にそそり立った熱い性器を晒しながら、俺の顔目掛けて煙草の煙を吹きかける。
俺は震えながら、京條さんのものに舌を這わせた。
「ん………は……むぅ………!!!」
京條さんのものを呑み込み、不自由な体制で頭を振る。すると京條さんが俺の頭を掴んでいきなり喉奥を突き上げた。
「……ぐっ!!!!」
喉奥を突き回される度に、空気が頭に回らない。京條さんのを必死に噛まないようにしながら、京條さんの攻めに耐える。
苦しい。どうしても息が出来ない。このままでは死んでしまう。
そう思った瞬間に、俺の身体がまた激しく快楽に襲い掛かられた。
「ぐ……ヴ……!!!」
京條さんはそんな俺の様子を眺めながら満足をして、俺の口から性器をやっと抜いてくれる。
やっと空気が自由に吸えるようになり、何度も何度も呼吸を繰り返す。すると京條さんが、俺の中に入っていた玩具を勢いよく抜いた。
「……ひゃぁぁぁっぁぁあぁぁぁぁ!!!!!!」
玩具を抜かれた衝撃でまたイって、今自分がいかに身体がおかしくなっているのかを思い知る。
すると俺の背後から、京條さんが囁いた。
「ゼノちゃんもう十回イッちゃったじゃん………。今入れたら面白そう………」
京條さんが俺の尻の肉を鷲掴み、俺の中に入り込んで勢いよく突き上げる。もう馬鹿になってしまっている俺の身体は、十一回目の絶頂を迎えた。
「ああああああだめ!!!だめ!!!!だめ!!!!」
全く抵抗が出来ない状態のままで、身体を貫かれ激しく揺さぶられる。京條さんの狙い通りに、俺の身体は京條さんが動けば動くだけイってしまう。
何度も何度も突きまわされていると、頭が真っ白になり目の前がチカチカする。
正直何時意識を手放してもおかしくない。
「ああ、ゼノちゃんホントいい匂い……!!!最高………!!!」
京條さんが俺の背中に舌を這わせて、俺の汗を舐めとる。
正直俺自身はその甘い匂いを感じる事は無いのだ。解らない。けれどこの瞬間の京條さんに、正直あてられる自分がいるのだ。
京條さんに抱かれている時、ケーキ独特の破滅的な本能を思い返す。そして頭の中に、奏太の顔が浮かんで消えるのだ。
真っ白な頭のままで我に返れば、京條さんが俺の身体から拘束具を取っている。
そして満面の笑みを浮かべながらこう言った。
「美味しかったよ、ご馳走様」
まるで天と地が真逆にひっくり返ったみたいだ。
赤い壁ではない部屋でこういう行為をする相手は、正直限られている。今日の壁の色は、薄いクリーム色をしていた。
一泊何十万とする高級ホテルのベッドはとても柔らかくて、寝心地がいい。
目を閉じれば思わず眠ってしまいそうになるくらいに、全ての肌触りがいいのだ。
「ゼノちゃんさぁ………最近俺とプレイ、してくれなかったよねぇ………?」
最高の夜景に最高の寝具迄揃った最高のシチュエーションだが、背中一面に彫られた女郎蜘蛛の入れ墨を見る度にほんの少しだけ気が滅入る。
かっちりと髪をオールバックに整えた男の顔はとても美しいけれど、その眼には何時も邪悪な光が宿っているように見えるのだ。
男の名前は京條漣。この辺を仕切っている裏社会の権力者だ。
もちろん、このパティスリーショップも、とてもお世話になってはいる。
だが正直面倒くさい人ではある。
「………え?普通に忙しかっただけだけど?」
実際に此処の店の看板をしている訳だ。忙しくないわけがない。
京條さんが俺の身体を抱きしめて、いきなり俺の首筋に顔を埋める。深く深呼吸をしながら、小さく囁いた。
「………ほんとかなぁ?嘘ついてる時匂いで解るからね?」
京條さんは長い間仕事でケーキと関わってきているフォークだ。だからこそケーキの事はよくわかっている。
京條さんの前ではケーキは間違いなく、心の中を読み取られる。
その絡繰りは京條さんはありとあらゆる感情による、ケーキの芳香の具合を全て理解しているからだ。
幸せな時の香り立ち方や、不機嫌な時の香り立ち方。その微妙な変化を見抜ける嗅覚を、この男は持っている。
「……ふふ、やめてよ京條さん。俺今本当にお疲れだからさ」
そう言って笑い飛ばしてみれば、京條さんは俺の首筋を淡く噛む。その噛み方で思わず、身体が震えた。
「……まー、疲れてるケーキの匂いはしてるよ。お前は何時も」
そう囁きながら俺の身体をベッドに倒し、俺の顎を掴んで唇を薄く開かせる。
この人の人を抱きなれている慣れた手つきと余裕を、俺は好きではあるのだ。面倒な人ではあるけれど、数少ない好きな人の一人でもある。
「疲れてるケーキってなんかやだなぁ……どんな匂いしてんの?」
そう言って笑いながら京條さんの目を覗き込む。そしてその目の瞳孔が開いたのを確認した後、俺は静かに目を閉じた。
京條さんの唇が俺の唇に重なり、ゆっくりと舌が入り込んでくる。
正直京條さんの時だけは、俺は完全に受け身に徹底させられてしまう。この人は俺に絶対に主導権を握らせないのだ。
「ん………は…ぁん……」
京條さんに口の中を探られてしまうと、思わず喘ぎ声が出てしまう。思わず溶けた表情を浮かべた瞬間に、京條さんは笑った。
「いいね……ゼノちゃんもっと感じて?感じれば感じる程甘くなるから………」
京條さんの手がバスローブを着ている俺の中に入り込み、俺の胸の突起を爪ではじく。
先端を指先で円を描くようになぞり、わざと其処に触れないように撫でまわす。
思わず小さく息を漏らした瞬間に、京條さんの爪が軽く俺の胸の突起の先端をかすめた。
「………ぁあっ!!!」
京條さんの首に回した腕に力が勝手に入り、しがみ付くような形になる。京條さんは俺の様子を探りながら、からかうように囁いた。
「ゼノちゃん乳首だけでこんな感じるんだね…………ほんとド淫乱」
正直淫乱の自覚はあるが、此処までそれを自分が感じることが解る相手は京條さんだけだ。
「違いますよ……相手が京條さんだから、ですよ」
そう言って煽れば、京條さんが満足そうな表情を浮かべる。すると京條さんが俺の身体に舌を這わせる。
京條さんの手が俺の身体を撫でまわし、身体がゾクリと震えた。
すると京條さんが俺の入り口を指先で撫でながら、吐息交じりの甘えた声色で囁く。
「………今日ゼノちゃん、何回いけるかな?」
その時に俺は正直、ほんの少しだけ先が思いやられた。何故なら京條さんとのプレイは、全体力を持っていかれる位には激しいからだ。
***
「あっあっあっ!!!だめ………!!!もうだめぇ!!!あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
部屋中を機械音が響きまわる中、俺は犬のお座りのような状態で手足を拘束具で固定されてベッドに寝かされている。
俺の中にはちょうどいいところを抉るように動く玩具をねじ込まれ、シーツの上にだらだらと体液を垂れ流していた。
「ゼノちゃん今8回目。前戯でこんなにへばっちゃったらさ、入れられたら気絶するかもね」
身体が勝手にガクガク震えて、いうことをきいてくれない。多分今の俺はほんの少しの刺激でイってしまうくらいには身体を解されている。
正直ものを考えている余裕がない。
「やあぁぁぁぁ!!もぉぉぉぉ!!らくにしてぇぇぇぇえ!!!やだあああああ!!!!!」
泣きながら懸命に悲鳴を上げて頭を左右に振れば、京條さんが俺の目の前に座る。
そして煙草を吸いながら、満面の笑みを浮かべた。
「なぁゼノちゃん………楽にして欲しかったら、ちゃぁんと俺の咥えて俺がゼノちゃんに入れたい気持ちにさせて?」
そう言って俺の目の前にそそり立った熱い性器を晒しながら、俺の顔目掛けて煙草の煙を吹きかける。
俺は震えながら、京條さんのものに舌を這わせた。
「ん………は……むぅ………!!!」
京條さんのものを呑み込み、不自由な体制で頭を振る。すると京條さんが俺の頭を掴んでいきなり喉奥を突き上げた。
「……ぐっ!!!!」
喉奥を突き回される度に、空気が頭に回らない。京條さんのを必死に噛まないようにしながら、京條さんの攻めに耐える。
苦しい。どうしても息が出来ない。このままでは死んでしまう。
そう思った瞬間に、俺の身体がまた激しく快楽に襲い掛かられた。
「ぐ……ヴ……!!!」
京條さんはそんな俺の様子を眺めながら満足をして、俺の口から性器をやっと抜いてくれる。
やっと空気が自由に吸えるようになり、何度も何度も呼吸を繰り返す。すると京條さんが、俺の中に入っていた玩具を勢いよく抜いた。
「……ひゃぁぁぁっぁぁあぁぁぁぁ!!!!!!」
玩具を抜かれた衝撃でまたイって、今自分がいかに身体がおかしくなっているのかを思い知る。
すると俺の背後から、京條さんが囁いた。
「ゼノちゃんもう十回イッちゃったじゃん………。今入れたら面白そう………」
京條さんが俺の尻の肉を鷲掴み、俺の中に入り込んで勢いよく突き上げる。もう馬鹿になってしまっている俺の身体は、十一回目の絶頂を迎えた。
「ああああああだめ!!!だめ!!!!だめ!!!!」
全く抵抗が出来ない状態のままで、身体を貫かれ激しく揺さぶられる。京條さんの狙い通りに、俺の身体は京條さんが動けば動くだけイってしまう。
何度も何度も突きまわされていると、頭が真っ白になり目の前がチカチカする。
正直何時意識を手放してもおかしくない。
「ああ、ゼノちゃんホントいい匂い……!!!最高………!!!」
京條さんが俺の背中に舌を這わせて、俺の汗を舐めとる。
正直俺自身はその甘い匂いを感じる事は無いのだ。解らない。けれどこの瞬間の京條さんに、正直あてられる自分がいるのだ。
京條さんに抱かれている時、ケーキ独特の破滅的な本能を思い返す。そして頭の中に、奏太の顔が浮かんで消えるのだ。
真っ白な頭のままで我に返れば、京條さんが俺の身体から拘束具を取っている。
そして満面の笑みを浮かべながらこう言った。
「美味しかったよ、ご馳走様」
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