83 / 199
83.I cherish you.⑧
しおりを挟む
バレンタインが明けての月曜日。その日はいつもより早く目が覚めた。
起き上がって、ペタンと座ったまま感じるのはお腹の中の異物感。それは藤澤さんに愛された名残だと自覚はしている。
「まだ、中に入っているみたい...」
口に出すと、ふっと頭をよぎってしまう彼の低い声、抱きしめられた逞ましい身体、触れ合った肌の温かさ、それから...。
これから、会社に出社するというのに生々しい事を思い出してしまうなんてどういう顔をしていけばと思う。
...私って、エッチなのかな?
ただ、甘い記憶と共にベッドから起き上がる時に辛かった昨日の朝の記憶が蘇り、自分の下腹部を抑えるように撫でる。昨日ほどではないけれどまだ少し痛みはあった。
昨日の朝は隣で寝ていた藤澤さんよりも早く目が覚め、起き上がろうとしたらズキンと下腹部の痛みに襲われた。トイレでも同じような痛みと初めての印を目の当たりにして驚いた。
その動揺で「もう、できません!」と彼に宣言しまうという有り様。藤澤さんはそれにはがっくり肩を落としていた。
まあ、絶対できないというわけではないけど当分はいいやと思う。
日頃の運動不足がたたり、身体中あちこちが痛くて特に下半身が辛かったから。
それにひきかえ、藤澤さんは全然辛そうになく元気そうだった。
私はあれから家に帰って、昼も夜もなく、疲れ切って寝てしまっていたというのに、彼は体力があるんだなとか余計な事を考えていたら、いつもの出社時間。
私は朝食を食べるのもソコソコに急いで会社へと出社する。
※※※
駅まで歩く道のりがいつもより長く感じたけれど、どうにか出社時刻に間に合った。
「おはようございます」
いつもより足の関節に違和感を感じてやっとの思いでデスクの椅子に座る。
今日は外回りがないといいけどと大きくため息をついていたら、不意に肩をトントンと美波ちゃんに叩かれた。
「優里、おはよう」
「あ、おはよう」
それから美波ちゃんはいつもみたいに自分のデスクに戻ることなく、こそっと小声で私に耳打ち。
「ねぇ、ちょっといい?」
「う、うん?」
腕を引っ張られて、よく分からないうちに近くのトイレへと連れ込まれた。
朝早くだったから、誰もいないトイレで美波ちゃんがちょうど良かったと何故か胸を撫で下ろしていた。
「どうしたの?」
「...実は。すごく言い辛いんだけど、そのヘアスタイルは、今日はやめた方が...」
いつもははっきりサバサバ系の美波ちゃんが珍しく口籠る。今日の私のヘアスタイルは急いでいたので、髪を片側に寄せ1つに結んでいた。時間がないとたまにする時短重視のヘアスタイルで、いつもオシャレなミナミちゃんに言われると気にはなる。
そんなに変かなぁと鏡で確認すると、美波ちゃんが後ろから私の髪を寄せていない側の首筋のラインを指差した。
「ここ、ついているから」
「何が?」
「...優里から見えないかもしれないけど、多分、それ...キスマーク」
「えぇっ!?」
私はあられもない声を上げ、咄嗟にその辺りを手で触ってしまう。美波ちゃんはシーっと人差し指を口元にあて私を窘める。
「静かに!やっぱり気がついていなかったんだ。気がついていたらそんなヘアスタイルしてこないわよね」
彼女にはふうっと顔を横に振りながら呆れられてしまう。
...はい、ごもっともです。
そのキスマークに心当たりがありありな私は、自分の迂闊さを呪い、黙ってしまうと、美波ちゃんは自分のことのように心配してくれた。
「優里、この間まで彼氏いなかったよね?それなのにいきなりこんな...。もしかして、行きずりの?」
「い、いや、違っ...」
そんな事していないってうまく最後まで言えなくて、私は首を振るだけ。態度の煮え切らない私に美波ちゃんは呆れた口調で息を吐いた。
「分かったよ。優里が言いたくないなら言えるようになるまで聞かないから」
「...ごめん」
私が謝ると美波ちゃんは困ったように眉を下げ、私の髪を寄せているシュシュをスルリと髪から抜く。
「とりあえず、当分はこのヘアスタイルはなしね。それと歩き方には気をつけて。その...初めてした後はぎこちなくなくなるから。後、今日は荷物持ちとかあったら私がフォローするからね」
私は彼女のアドバイスに頷くしかなくトイレでの密談は終了。
...それにしても、いつの間に藤澤さんはあんな所にキスマークつけたんだろう?
私には優しくされた記憶しか思い出せなかった。
それから、その日は彼女が言ってくれたとおりすごくフォローしてくれて、いつもは避けて通る研究所も今日は一緒についてきてくれて、私には紙袋の軽い方を持たせてくれた。
「優里、その荷物、重くない?大丈夫?」
「うん...朝より平気だから大丈夫」
そんなやり取りを繰り返し、研究所へ向かう廊下を歩いていると行く先で何かに気がついた美波ちゃんがチッと舌打ちした。
「...あんな所にいるなんて、今日は厄日だわ」
そう忌々しく見る先には、窓の外を見ながら物思いに耽っている藤澤さんの姿が。彼女の研究所嫌いの原因は彼だって知っているから焦ってしまう。
「うん、美波ちゃん、ここでいいよ。後は私が全部持っていく」
「ダメだよ。今日の優里は身体が辛いんだから」
そんな風にこそこそ話をしながら通り過ぎようとすると、当の本人に気がつかれた。
「こんにちは」
にこやかに挨拶をしてくれる彼と違い、美波ちゃんは憮然とする。
「...どうも」
このフォローしづらい雰囲気の中、私も「こ、こんにちは...」と返した。その空気が気まずくてその場を通り過ぎようとした私たちに、どういうわけだか彼が声をかけてくる。普段、藤澤さんは私1人の時ぐらいにしか自分から声をかけてこないので意外だった。
「その荷物、うちのでしょう?自分が全て持って行きますよ」
美波ちゃんはその言葉に通り過ぎようとする足を止め、警戒心を解かないままに尋ねる。
「いいんですか?」
それでも燻しがる彼女に、それはそれは爽やかな笑顔を向けた。
「もちろんですよ。素敵な女性にそんな大荷物は似合いませんから」
その一言で美波ちゃんはノックダウン、勝負あり。
私たちの荷物は速やかに彼の元へと移動した。
藤澤さんにさっさと荷物を受け渡し、営業部へ戻る美波ちゃんの足取りは軽やかだ。なんかいつになくはしゃぎながら「鈴木先輩の気持ちが少し分かる」と呟いた。うん、確かにと私も心の中で大きく頷きながらも。
...藤澤さん、ちょっとやり過ぎ。
彼女としては複雑...な気分で自分のデスクに座って。それでも、私の身体を心配しての2人の優しさは感じていた。
起き上がって、ペタンと座ったまま感じるのはお腹の中の異物感。それは藤澤さんに愛された名残だと自覚はしている。
「まだ、中に入っているみたい...」
口に出すと、ふっと頭をよぎってしまう彼の低い声、抱きしめられた逞ましい身体、触れ合った肌の温かさ、それから...。
これから、会社に出社するというのに生々しい事を思い出してしまうなんてどういう顔をしていけばと思う。
...私って、エッチなのかな?
ただ、甘い記憶と共にベッドから起き上がる時に辛かった昨日の朝の記憶が蘇り、自分の下腹部を抑えるように撫でる。昨日ほどではないけれどまだ少し痛みはあった。
昨日の朝は隣で寝ていた藤澤さんよりも早く目が覚め、起き上がろうとしたらズキンと下腹部の痛みに襲われた。トイレでも同じような痛みと初めての印を目の当たりにして驚いた。
その動揺で「もう、できません!」と彼に宣言しまうという有り様。藤澤さんはそれにはがっくり肩を落としていた。
まあ、絶対できないというわけではないけど当分はいいやと思う。
日頃の運動不足がたたり、身体中あちこちが痛くて特に下半身が辛かったから。
それにひきかえ、藤澤さんは全然辛そうになく元気そうだった。
私はあれから家に帰って、昼も夜もなく、疲れ切って寝てしまっていたというのに、彼は体力があるんだなとか余計な事を考えていたら、いつもの出社時間。
私は朝食を食べるのもソコソコに急いで会社へと出社する。
※※※
駅まで歩く道のりがいつもより長く感じたけれど、どうにか出社時刻に間に合った。
「おはようございます」
いつもより足の関節に違和感を感じてやっとの思いでデスクの椅子に座る。
今日は外回りがないといいけどと大きくため息をついていたら、不意に肩をトントンと美波ちゃんに叩かれた。
「優里、おはよう」
「あ、おはよう」
それから美波ちゃんはいつもみたいに自分のデスクに戻ることなく、こそっと小声で私に耳打ち。
「ねぇ、ちょっといい?」
「う、うん?」
腕を引っ張られて、よく分からないうちに近くのトイレへと連れ込まれた。
朝早くだったから、誰もいないトイレで美波ちゃんがちょうど良かったと何故か胸を撫で下ろしていた。
「どうしたの?」
「...実は。すごく言い辛いんだけど、そのヘアスタイルは、今日はやめた方が...」
いつもははっきりサバサバ系の美波ちゃんが珍しく口籠る。今日の私のヘアスタイルは急いでいたので、髪を片側に寄せ1つに結んでいた。時間がないとたまにする時短重視のヘアスタイルで、いつもオシャレなミナミちゃんに言われると気にはなる。
そんなに変かなぁと鏡で確認すると、美波ちゃんが後ろから私の髪を寄せていない側の首筋のラインを指差した。
「ここ、ついているから」
「何が?」
「...優里から見えないかもしれないけど、多分、それ...キスマーク」
「えぇっ!?」
私はあられもない声を上げ、咄嗟にその辺りを手で触ってしまう。美波ちゃんはシーっと人差し指を口元にあて私を窘める。
「静かに!やっぱり気がついていなかったんだ。気がついていたらそんなヘアスタイルしてこないわよね」
彼女にはふうっと顔を横に振りながら呆れられてしまう。
...はい、ごもっともです。
そのキスマークに心当たりがありありな私は、自分の迂闊さを呪い、黙ってしまうと、美波ちゃんは自分のことのように心配してくれた。
「優里、この間まで彼氏いなかったよね?それなのにいきなりこんな...。もしかして、行きずりの?」
「い、いや、違っ...」
そんな事していないってうまく最後まで言えなくて、私は首を振るだけ。態度の煮え切らない私に美波ちゃんは呆れた口調で息を吐いた。
「分かったよ。優里が言いたくないなら言えるようになるまで聞かないから」
「...ごめん」
私が謝ると美波ちゃんは困ったように眉を下げ、私の髪を寄せているシュシュをスルリと髪から抜く。
「とりあえず、当分はこのヘアスタイルはなしね。それと歩き方には気をつけて。その...初めてした後はぎこちなくなくなるから。後、今日は荷物持ちとかあったら私がフォローするからね」
私は彼女のアドバイスに頷くしかなくトイレでの密談は終了。
...それにしても、いつの間に藤澤さんはあんな所にキスマークつけたんだろう?
私には優しくされた記憶しか思い出せなかった。
それから、その日は彼女が言ってくれたとおりすごくフォローしてくれて、いつもは避けて通る研究所も今日は一緒についてきてくれて、私には紙袋の軽い方を持たせてくれた。
「優里、その荷物、重くない?大丈夫?」
「うん...朝より平気だから大丈夫」
そんなやり取りを繰り返し、研究所へ向かう廊下を歩いていると行く先で何かに気がついた美波ちゃんがチッと舌打ちした。
「...あんな所にいるなんて、今日は厄日だわ」
そう忌々しく見る先には、窓の外を見ながら物思いに耽っている藤澤さんの姿が。彼女の研究所嫌いの原因は彼だって知っているから焦ってしまう。
「うん、美波ちゃん、ここでいいよ。後は私が全部持っていく」
「ダメだよ。今日の優里は身体が辛いんだから」
そんな風にこそこそ話をしながら通り過ぎようとすると、当の本人に気がつかれた。
「こんにちは」
にこやかに挨拶をしてくれる彼と違い、美波ちゃんは憮然とする。
「...どうも」
このフォローしづらい雰囲気の中、私も「こ、こんにちは...」と返した。その空気が気まずくてその場を通り過ぎようとした私たちに、どういうわけだか彼が声をかけてくる。普段、藤澤さんは私1人の時ぐらいにしか自分から声をかけてこないので意外だった。
「その荷物、うちのでしょう?自分が全て持って行きますよ」
美波ちゃんはその言葉に通り過ぎようとする足を止め、警戒心を解かないままに尋ねる。
「いいんですか?」
それでも燻しがる彼女に、それはそれは爽やかな笑顔を向けた。
「もちろんですよ。素敵な女性にそんな大荷物は似合いませんから」
その一言で美波ちゃんはノックダウン、勝負あり。
私たちの荷物は速やかに彼の元へと移動した。
藤澤さんにさっさと荷物を受け渡し、営業部へ戻る美波ちゃんの足取りは軽やかだ。なんかいつになくはしゃぎながら「鈴木先輩の気持ちが少し分かる」と呟いた。うん、確かにと私も心の中で大きく頷きながらも。
...藤澤さん、ちょっとやり過ぎ。
彼女としては複雑...な気分で自分のデスクに座って。それでも、私の身体を心配しての2人の優しさは感じていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
隠れドS上司の過剰な溺愛には逆らえません
如月 そら
恋愛
旧題:隠れドS上司はTL作家を所望する!
【書籍化】
2023/5/17 『隠れドS上司の過剰な溺愛には逆らえません』としてエタニティブックス様より書籍化❤️
たくさんの応援のお陰です❣️✨感謝です(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
🍀WEB小説作家の小島陽菜乃はいわゆるTL作家だ。
けれど、最近はある理由から評価が低迷していた。それは未経験ゆえのリアリティのなさ。
さまざまな資料を駆使し執筆してきたものの、評価が辛いのは否定できない。
そんな時、陽菜乃は会社の倉庫で上司が同僚といたしているのを見てしまう。
「隠れて覗き見なんてしてたら、興奮しないか?」
真面目そうな上司だと思っていたのに︎!!
……でもちょっと待って。 こんなに慣れているのなら教えてもらえばいいんじゃないの!?
けれど上司の森野英は慣れているなんてもんじゃなくて……!?
※普段より、ややえちえち多めです。苦手な方は避けてくださいね。(えちえち多めなんですけど、可愛くてきゅんなえちを目指しました✨)
※くれぐれも!くれぐれもフィクションです‼️( •̀ω•́ )✧
※感想欄がネタバレありとなっておりますので注意⚠️です。感想は大歓迎です❣️ありがとうございます(*ᴗˬᴗ)💕
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
小野寺社長のお気に入り
茜色
恋愛
朝岡渚(あさおかなぎさ)、28歳。小さなイベント企画会社に転職して以来、社長のアシスタント兼お守り役として振り回される毎日。34歳の社長・小野寺貢(おのでらみつぐ)は、ルックスは良いが生活態度はいい加減、デリカシーに欠ける困った男。
悪天候の夜、残業で家に帰れなくなった渚は小野寺と応接室で仮眠をとることに。思いがけず緊張する渚に、「おまえ、あんまり男を知らないだろう」と小野寺が突然迫ってきて・・・。
☆全19話です。「オフィスラブ」と謳っていますが、あまりオフィスっぽくありません。
☆「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる