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49 ローズクォーツ:調和
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綺瑠は控え室を出て廊下を歩いていたが、その扉が自然に閉まると…その扉の裏から恨みの形相をしたコトネが佇んでいた。コトネの手にはどの未来でも綺瑠を屠ってきた包丁。そんなコトネの殺意に綺瑠は気づかず、背を向けてしまっている。コトネは綺瑠が恨めしいのか包丁を両手で握ると、腹の前に抱えて一気に走り出した。
その足音に綺瑠は気づき、素早く背後を確認する。やっとコトネに気づいた頃には、既にコトネは近くに来すぎてしまっていた。綺瑠が刺されると思った、その瞬間。
「コトネ!!」
そう言って止めた声は、コトネの動きをピタッと止めてしまう。綺瑠は間一髪で刺されるのを逃れた為、思わず後すざりした。コトネは驚いた様子で背後を確認する。するとそこには、コトネの両親がいた。
「ママ……パパ……」
コトネは驚いた様子を見せていたが、やがて察したのか綺瑠を睨みつける。そして包丁を再び振りかぶって言った。
「お前の差し金かぁッ!!」
しかし今度は刺されないのか、綺瑠はコトネを押さえつける。両親は包丁を振り回したコトネを見ると言った。
「コトネ、もうやめなさい…!」
「そうよ。こんな事をしたって、あなたが不幸になるだけよ…!」
そう止められてしまうと、コトネは頭に血が昇ってくる。怒りが頂点に達したのか、コトネは怒り狂った様子で言い放った。
「何が不幸だ!!どうせ二人とも事業が大事で私を止めに来ただけだろ!!私が殺人を犯したら、株が下がるから!!」
「コトネ…それは違…」
「うっさいッ!!!」
父親の言葉を、叫びとも取れる声でかき消した。コトネは怒りで息が上がっており、まともに会話ができそうにない。すると綺瑠は言う。
「…そうだね。きっとご両親は事業を大事にしている。」
その言葉に両親は異を感じている様子だったが、コトネは綺瑠を強く睨みつけた。綺瑠は怯まずに続ける。
「でもそれ以前に、君の事も大切に思っているはずだよ…コトネちゃん。」
コトネは綺瑠が発する言葉全てに嫌悪を感じるのか、歯をギリギリと食いしばって睨んだ。「お前に何がわかる」と言いたげな瞳。すると両親はコトネに近づき、やがて母親がコトネの包丁を持つ手に自分の手を添えた。
「コトネ、あなたは家族思いのいい子だわ。いつも私の手伝いをしてくれたり、仕事で頑張るパパを心配してくれたわね。そんなあなただから、いつかいい人とくっついて幸せになって欲しいってパパと二人で思っていたわ。」
母親はそこまで言うと口を噤んでしまう。コトネは母の言葉を聞くと心に刺さるのか、目に涙が浮かんだ。同時に先程まで綺瑠へ憎しみを向けていたコトネの表情は和らぐ。
…コトネは過去、綺瑠と付き合っていた。それは父の事業が不況に陥り、綺瑠の協力があれば立て直せると考えていたからだ。しかし彼と付き合い続けるのは簡単ではない。現実から目を背けたくなるほどの暴力を耐えながらも、コトネは父の事業の為に彼と付き合い続けていた。綺瑠が今まで付き合ってきた彼女達とは比べ物にならないくらい、綺瑠の暴力を耐え続けたという話である。
そのせいかコトネは心を壊し、別れた後も両親は綺瑠を一切咎めずご機嫌までとり…それにコトネは絶望する。自分は心を壊され両親にも見捨てられたのに、なぜあの男だけが幸せの回廊を進むのか。理不尽に思えた、だから復讐を決めた…。自分には何も残っていない、そう思って…。
しかし現実はどうだろうか。両親が今、自分に歩み寄ろうとしている。それが真心なのか下心なのか、今のコトネにはわからない。しかし今の言葉が強く真心と感じるのは、両親の愛情がコトネにしっかりと注がれていた証拠だろう。
母親はコトネの涙を見ると自分まで涙を浮かべ、そして悔しいのか下唇を微かに噛む。次の瞬間、母親はコトネを抱きしめた。コトネを押さえつけていた綺瑠も、思わず拘束を離してしまう。
「ごめんねコトネ…!私がもっとあなたの話を聞いてあげていたら…!もっと早くその傷に気づいてあげていたら、あなたにこんな事させなかったかもしれないのに…!」
「マ…マ…」
コトネは締め付けられた喉を開いて呟いた。その言葉と同時に、涙の粒がこぼれ落ちる。綺瑠はそれを複雑な感情で見守っていたが、やがて父親と目が合った。すると綺瑠は深々と頭を下げる。
「…また後で、お伺いします。」
そう言って綺瑠はその場から立ち去り、家族三人をその場に残した。綺瑠がいなくなると、母親は急に拳を握る。それにコトネが気づくと、母親は拳を開いて手のひらを見つめた。
「…本当は引っぱたいてやりたかった…コトネを傷つけたあの男の顔を…。」
コトネはその言葉に反応すると、続いて父親はコトネの持つ包丁を握り締める。
「お前と同じ気持ちだ…この手で傷つけてやりたいと思っていた。」
父親は悔しくて暫く言葉が出ずにいた。しかしやがて、冷静な様子で口に出す。
「しかしそれは、私の自己満足にしかならない。一人の男の為だけに私が憎悪を燃やすのは、その男の為だけに私達が不利を被っては…憎しみどころではなくなる。それならば私は一人の男に執着するよりも、コトネの将来の為に尽くしていきたいと思う。…例え、あの憎き男に頭を下げる事になっても。」
コトネを含めた家族が不自由なく暮らしていける事、それが父親の切実な思いだった。綺瑠に噛み付こうとしないのも、悔恨を握り締めてでも堪えるのにも父親なりの理由があるようだ。コトネはそれをなんとなく知っていたのか、静かに目を閉じて包丁を肩に下げていたバッグにしまう。そして母親を優しく抱擁すると、コトネは言った。
「ママもパパも、あの男が許せないんだって事…知れて良かった。私、てっきり愛想尽かされたと思っていた。」
「そんな事、あるわけ無いでしょう。」
母親の言葉に、コトネはやっと穏やかな笑みを浮かべる。そしてただ「うん。」と声を発した。親子の絆が再構築された所で、コトネは目をゆっくりと開いてから言う。
「私、もうあの男に復讐するのやめる。復讐で捨てるほど私の人生、安くないみたい。」
それを聞くと母親は笑みを浮かべて静かに、そして深く頷いた。父親も同じく頷くと、コトネは嬉しそうに笑ったのであった。
一方、綺瑠は美夜の控え室にまた来ていた。美夜は目を丸くしている。
「早いお帰りでしたね。」
「まあ、色々あって。」
綺瑠は苦笑してそう誤魔化すと、扉の方を見つめた。コトネと家族の事を思っているのか、なんだか不安そう。しかし首を横に振ってそれを振り切ると、美夜に笑みを向けて言った。
「コトネちゃんはきっともう、何もして来ないはず。」
それを聞いた美夜は目を丸くして驚いた。
「え、もうコトネさんを捕まえたんですか?」
コトネは悪い事をすると確信している美夜にとっては、コトネを止める方法は捕まえる事だけと考えているようだ。それに綺瑠は苦笑を浮かべたが、やがていつもの穏やかな表情に戻る。
「ううん、彼女は変わってくれるはずだよ。」
「変わる…?」
美夜は首を傾げたが、綺瑠は小さく頷くだけ。綺瑠は続けた。
「あと僕を狙う人は、確認できている限りはマキコって人だけだね。」
「そうですね。どう動く人か一切情報が無い事だけが心残りですが…。」
美夜の知る未来にないイレギュラーな相手の為、美夜は余計心配に思っている。しかし綺瑠は安心できるように手を握ってあげた。美夜は綺瑠の方を見ると、綺瑠は言う。
「大丈夫。彼女もきっと、わかってくれる。」
そう言った綺瑠の表情は笑みだったが、どこか心配を抱えた様子でもあった。美夜はそれを読み取ると、綺瑠の手を握り返す。綺瑠はそうされると落ち着くのか、やがて優しい笑みを浮かべた。美夜は言う。
「綺瑠さんはヒーローですから、きっと大丈夫ですよ。勿論私も、一緒に戦います。」
「…ありがとう、美夜。」
こうしてこの後、偽の結婚式が始まる。しかし式場の外…建物の影に怪しい人影があった。それはマキコで、スーツ姿である。マキコは胸の内ポケットに手を入れると、そこからとある武器を取り出した。どこから仕入れてきたのやら…それは拳銃であった。マキコは拳銃をジッと眺めながらも呟く。
「結局…こうするしかないのね。」
そう言ってマキコは式場を見上げるのであった。
その足音に綺瑠は気づき、素早く背後を確認する。やっとコトネに気づいた頃には、既にコトネは近くに来すぎてしまっていた。綺瑠が刺されると思った、その瞬間。
「コトネ!!」
そう言って止めた声は、コトネの動きをピタッと止めてしまう。綺瑠は間一髪で刺されるのを逃れた為、思わず後すざりした。コトネは驚いた様子で背後を確認する。するとそこには、コトネの両親がいた。
「ママ……パパ……」
コトネは驚いた様子を見せていたが、やがて察したのか綺瑠を睨みつける。そして包丁を再び振りかぶって言った。
「お前の差し金かぁッ!!」
しかし今度は刺されないのか、綺瑠はコトネを押さえつける。両親は包丁を振り回したコトネを見ると言った。
「コトネ、もうやめなさい…!」
「そうよ。こんな事をしたって、あなたが不幸になるだけよ…!」
そう止められてしまうと、コトネは頭に血が昇ってくる。怒りが頂点に達したのか、コトネは怒り狂った様子で言い放った。
「何が不幸だ!!どうせ二人とも事業が大事で私を止めに来ただけだろ!!私が殺人を犯したら、株が下がるから!!」
「コトネ…それは違…」
「うっさいッ!!!」
父親の言葉を、叫びとも取れる声でかき消した。コトネは怒りで息が上がっており、まともに会話ができそうにない。すると綺瑠は言う。
「…そうだね。きっとご両親は事業を大事にしている。」
その言葉に両親は異を感じている様子だったが、コトネは綺瑠を強く睨みつけた。綺瑠は怯まずに続ける。
「でもそれ以前に、君の事も大切に思っているはずだよ…コトネちゃん。」
コトネは綺瑠が発する言葉全てに嫌悪を感じるのか、歯をギリギリと食いしばって睨んだ。「お前に何がわかる」と言いたげな瞳。すると両親はコトネに近づき、やがて母親がコトネの包丁を持つ手に自分の手を添えた。
「コトネ、あなたは家族思いのいい子だわ。いつも私の手伝いをしてくれたり、仕事で頑張るパパを心配してくれたわね。そんなあなただから、いつかいい人とくっついて幸せになって欲しいってパパと二人で思っていたわ。」
母親はそこまで言うと口を噤んでしまう。コトネは母の言葉を聞くと心に刺さるのか、目に涙が浮かんだ。同時に先程まで綺瑠へ憎しみを向けていたコトネの表情は和らぐ。
…コトネは過去、綺瑠と付き合っていた。それは父の事業が不況に陥り、綺瑠の協力があれば立て直せると考えていたからだ。しかし彼と付き合い続けるのは簡単ではない。現実から目を背けたくなるほどの暴力を耐えながらも、コトネは父の事業の為に彼と付き合い続けていた。綺瑠が今まで付き合ってきた彼女達とは比べ物にならないくらい、綺瑠の暴力を耐え続けたという話である。
そのせいかコトネは心を壊し、別れた後も両親は綺瑠を一切咎めずご機嫌までとり…それにコトネは絶望する。自分は心を壊され両親にも見捨てられたのに、なぜあの男だけが幸せの回廊を進むのか。理不尽に思えた、だから復讐を決めた…。自分には何も残っていない、そう思って…。
しかし現実はどうだろうか。両親が今、自分に歩み寄ろうとしている。それが真心なのか下心なのか、今のコトネにはわからない。しかし今の言葉が強く真心と感じるのは、両親の愛情がコトネにしっかりと注がれていた証拠だろう。
母親はコトネの涙を見ると自分まで涙を浮かべ、そして悔しいのか下唇を微かに噛む。次の瞬間、母親はコトネを抱きしめた。コトネを押さえつけていた綺瑠も、思わず拘束を離してしまう。
「ごめんねコトネ…!私がもっとあなたの話を聞いてあげていたら…!もっと早くその傷に気づいてあげていたら、あなたにこんな事させなかったかもしれないのに…!」
「マ…マ…」
コトネは締め付けられた喉を開いて呟いた。その言葉と同時に、涙の粒がこぼれ落ちる。綺瑠はそれを複雑な感情で見守っていたが、やがて父親と目が合った。すると綺瑠は深々と頭を下げる。
「…また後で、お伺いします。」
そう言って綺瑠はその場から立ち去り、家族三人をその場に残した。綺瑠がいなくなると、母親は急に拳を握る。それにコトネが気づくと、母親は拳を開いて手のひらを見つめた。
「…本当は引っぱたいてやりたかった…コトネを傷つけたあの男の顔を…。」
コトネはその言葉に反応すると、続いて父親はコトネの持つ包丁を握り締める。
「お前と同じ気持ちだ…この手で傷つけてやりたいと思っていた。」
父親は悔しくて暫く言葉が出ずにいた。しかしやがて、冷静な様子で口に出す。
「しかしそれは、私の自己満足にしかならない。一人の男の為だけに私が憎悪を燃やすのは、その男の為だけに私達が不利を被っては…憎しみどころではなくなる。それならば私は一人の男に執着するよりも、コトネの将来の為に尽くしていきたいと思う。…例え、あの憎き男に頭を下げる事になっても。」
コトネを含めた家族が不自由なく暮らしていける事、それが父親の切実な思いだった。綺瑠に噛み付こうとしないのも、悔恨を握り締めてでも堪えるのにも父親なりの理由があるようだ。コトネはそれをなんとなく知っていたのか、静かに目を閉じて包丁を肩に下げていたバッグにしまう。そして母親を優しく抱擁すると、コトネは言った。
「ママもパパも、あの男が許せないんだって事…知れて良かった。私、てっきり愛想尽かされたと思っていた。」
「そんな事、あるわけ無いでしょう。」
母親の言葉に、コトネはやっと穏やかな笑みを浮かべる。そしてただ「うん。」と声を発した。親子の絆が再構築された所で、コトネは目をゆっくりと開いてから言う。
「私、もうあの男に復讐するのやめる。復讐で捨てるほど私の人生、安くないみたい。」
それを聞くと母親は笑みを浮かべて静かに、そして深く頷いた。父親も同じく頷くと、コトネは嬉しそうに笑ったのであった。
一方、綺瑠は美夜の控え室にまた来ていた。美夜は目を丸くしている。
「早いお帰りでしたね。」
「まあ、色々あって。」
綺瑠は苦笑してそう誤魔化すと、扉の方を見つめた。コトネと家族の事を思っているのか、なんだか不安そう。しかし首を横に振ってそれを振り切ると、美夜に笑みを向けて言った。
「コトネちゃんはきっともう、何もして来ないはず。」
それを聞いた美夜は目を丸くして驚いた。
「え、もうコトネさんを捕まえたんですか?」
コトネは悪い事をすると確信している美夜にとっては、コトネを止める方法は捕まえる事だけと考えているようだ。それに綺瑠は苦笑を浮かべたが、やがていつもの穏やかな表情に戻る。
「ううん、彼女は変わってくれるはずだよ。」
「変わる…?」
美夜は首を傾げたが、綺瑠は小さく頷くだけ。綺瑠は続けた。
「あと僕を狙う人は、確認できている限りはマキコって人だけだね。」
「そうですね。どう動く人か一切情報が無い事だけが心残りですが…。」
美夜の知る未来にないイレギュラーな相手の為、美夜は余計心配に思っている。しかし綺瑠は安心できるように手を握ってあげた。美夜は綺瑠の方を見ると、綺瑠は言う。
「大丈夫。彼女もきっと、わかってくれる。」
そう言った綺瑠の表情は笑みだったが、どこか心配を抱えた様子でもあった。美夜はそれを読み取ると、綺瑠の手を握り返す。綺瑠はそうされると落ち着くのか、やがて優しい笑みを浮かべた。美夜は言う。
「綺瑠さんはヒーローですから、きっと大丈夫ですよ。勿論私も、一緒に戦います。」
「…ありがとう、美夜。」
こうしてこの後、偽の結婚式が始まる。しかし式場の外…建物の影に怪しい人影があった。それはマキコで、スーツ姿である。マキコは胸の内ポケットに手を入れると、そこからとある武器を取り出した。どこから仕入れてきたのやら…それは拳銃であった。マキコは拳銃をジッと眺めながらも呟く。
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