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第3部 周りと仲良くしろと言われました
38.落ち着いてきている気がします
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昼間からそんなことをしてはだめだと香子は思う。
でも今日は一日玄武と過ごすと約束したのに茶会に出てしまったから、香子は素直に身を委ねた。……結果、ちょっと、そう、いやかなり後悔した。
(わかってたんだけど……わかってたんだけど……)
ほぼ毎晩身を委ねているから、香子は自分がどんな風に抱かれるのかとか、どんな風に感じてしまうのかとかそんなことはよくわかっている。それでも毎回恥ずかしいし、朱雀が一緒にいないと”熱”を受けられないから本当に、本当に恥ずかしくて……。
(ああうう……)
声も顔も、香子に触れる手も好きで好きでしょうがない。
玄武は一度香子を甘く抱いた後は香子を優しく抱きしめていた。そろそろ夕飯だからということもあるが、気遣ってくれてくれているということもわかっているから香子は赤くなった。今は照れ隠しで玄武の胸に顔を埋めている。
(ううう……好きだよぉ、好き好きー……でも朱雀様のことも……)
気が多くて困ると香子は思う。青龍のことも、白虎のことも好きなのだ。もちろん気持ちの大きさは違うのだけど。
『香子、そろそろ顔を見せてはくれぬか?』
優しく顎を持ち上げられて、自分を見ている玄武の眼差しを視界に納めて。香子はもうこれ以上ないというぐらいに赤くなった。玄武がほんの少しだけ笑んだ。
『そなに意識してくれるな。……また抱きたくなってしまうだろう?』
『……だめです』
身体を持ち上げられて、香子は唇を奪われる。すごく我慢をさせていると香子は思った。でも……。
ひとしきり軽く口づけを交わした後、居間から声がかかった。夕食の準備が整ったらしい。
玄武は一瞬だけ居間の方を見やると、
『夕食の後も共に過ごさせてはくれぬか? 湯浴みをしよう』
『……う……即答、しかねます……』
一緒に湯浴みなんかしたら心臓が爆発してしまいそうだと香子は思う。
(げ、玄武様の裸体……)
そんなに動いていないはずなのにけっこう逞しいのだ。神様特権か! とひがんでしまいそうだが、香子のプロポーションも変わってきていることに香子はまだ気づいていなかった。毎晩抱かれることでより色っぽくなってきている香子は、腰のくびれもしっかりあり、肌ももちもちしているのにしっとりすべすべという、女性からしてもずっと触れていたいような肌になっていた。俗にいう吸い付くような肌というやつである。
漢服を軽く直してもらい、香子は居間に抱かれて移動した。
居間の、表へ続く扉の側に黒月が控えていた。表から声をかけられた時にすぐ対応する為だろう。こんな、如何にも成人しているように見える美女だが、その実眷属としては成人していないというのだから驚きだ。
(ううう……未成年の女性を控えさせて昼間から抱かれるとか……)
そう思っただけで香子は頭をがんがん壁に打ち付けたいと思った。
香子は一度着替えてから食堂に向かうことになった。玄武が香子を愛しくてならないというように抱き上げたまま、香子の部屋に送った。
『呼べ。迎えにくる』
『……少しは歩かせてください』
『そなたに一歩たりとも足をつかせたくないのだ』
『~~~~っっ!』
(甘い、甘すぎる! 虫歯になる~!)
『……それじゃあ私の足がかわいそうじゃないですか……』
拗ねたように言えば玄武が笑った。
『香子は面白いことを言うな。そなたの心も身体も我ら四神のものだ。そして我らは嫉妬深い』
そう楽しそうに言って、玄武は部屋を出て行った。
意味深だなぁと香子は思う。
(床に足をつけるのさえ許せないのかしら)
愛が重い。きっと人によっては全力で逃げ出そうとするような状態である。だけど。
(玄武様のこと、大好きだし)
自ら望んで囚われているのだと香子は自覚している。たまに叫びたくなったり、街に出たいと思うこともあるがだいぶ衝動性は治まってきていると香子は思う。侍女たちに衣裳を着替えさせられ、顔を拭かれて再び軽く化粧をほどこされる。香子の肌は白く透き通るような美しさになっていて、侍女たちは香子の顔に触れる度に内心ため息をついている。髪を結われ、鏡を見せられて香子は満足した。不満があるとしたら、もう少し大きな鏡がほしいというぐらいである。
(ガラスになんらかの液をつけて、銀をメッキするんだっけ。そもそもガラスの作り方がわからない……)
やっぱり知識チート無双はできそうもないと香子は思う。大事に愛されているのだからそれでいいではないかと香子は自分を慰めた。
『玄武様をお呼びしますか?』
『いいえ。歩くわ』
食堂までである。邯鄲之歩とは全く違うが、このままでは全く歩けなくなってしまうのではないかという危機感が香子にはある。
『……自分の足で歩けなくなったら嫌だわ……』
『どういうことでしょうか』
黒月に聞かれた。
『私は……きっと歩けなくなったら気力もなにもかも失ってしまうような気がするの。だから少しは自分で歩きたいの』
『そういうものなのですか』
『あくまで私は、よ』
四神と並び立つことはできないけど、少しずつでも自分の足で着いて行きたい。それだけは譲れないのだと香子は思う。流されて抱かれて囚われてしまった。甘い檻の中から出られないのではなく、出られるけどあえて檻の中にいるのだと香子は思いたかった。
でも今日は一日玄武と過ごすと約束したのに茶会に出てしまったから、香子は素直に身を委ねた。……結果、ちょっと、そう、いやかなり後悔した。
(わかってたんだけど……わかってたんだけど……)
ほぼ毎晩身を委ねているから、香子は自分がどんな風に抱かれるのかとか、どんな風に感じてしまうのかとかそんなことはよくわかっている。それでも毎回恥ずかしいし、朱雀が一緒にいないと”熱”を受けられないから本当に、本当に恥ずかしくて……。
(ああうう……)
声も顔も、香子に触れる手も好きで好きでしょうがない。
玄武は一度香子を甘く抱いた後は香子を優しく抱きしめていた。そろそろ夕飯だからということもあるが、気遣ってくれてくれているということもわかっているから香子は赤くなった。今は照れ隠しで玄武の胸に顔を埋めている。
(ううう……好きだよぉ、好き好きー……でも朱雀様のことも……)
気が多くて困ると香子は思う。青龍のことも、白虎のことも好きなのだ。もちろん気持ちの大きさは違うのだけど。
『香子、そろそろ顔を見せてはくれぬか?』
優しく顎を持ち上げられて、自分を見ている玄武の眼差しを視界に納めて。香子はもうこれ以上ないというぐらいに赤くなった。玄武がほんの少しだけ笑んだ。
『そなに意識してくれるな。……また抱きたくなってしまうだろう?』
『……だめです』
身体を持ち上げられて、香子は唇を奪われる。すごく我慢をさせていると香子は思った。でも……。
ひとしきり軽く口づけを交わした後、居間から声がかかった。夕食の準備が整ったらしい。
玄武は一瞬だけ居間の方を見やると、
『夕食の後も共に過ごさせてはくれぬか? 湯浴みをしよう』
『……う……即答、しかねます……』
一緒に湯浴みなんかしたら心臓が爆発してしまいそうだと香子は思う。
(げ、玄武様の裸体……)
そんなに動いていないはずなのにけっこう逞しいのだ。神様特権か! とひがんでしまいそうだが、香子のプロポーションも変わってきていることに香子はまだ気づいていなかった。毎晩抱かれることでより色っぽくなってきている香子は、腰のくびれもしっかりあり、肌ももちもちしているのにしっとりすべすべという、女性からしてもずっと触れていたいような肌になっていた。俗にいう吸い付くような肌というやつである。
漢服を軽く直してもらい、香子は居間に抱かれて移動した。
居間の、表へ続く扉の側に黒月が控えていた。表から声をかけられた時にすぐ対応する為だろう。こんな、如何にも成人しているように見える美女だが、その実眷属としては成人していないというのだから驚きだ。
(ううう……未成年の女性を控えさせて昼間から抱かれるとか……)
そう思っただけで香子は頭をがんがん壁に打ち付けたいと思った。
香子は一度着替えてから食堂に向かうことになった。玄武が香子を愛しくてならないというように抱き上げたまま、香子の部屋に送った。
『呼べ。迎えにくる』
『……少しは歩かせてください』
『そなたに一歩たりとも足をつかせたくないのだ』
『~~~~っっ!』
(甘い、甘すぎる! 虫歯になる~!)
『……それじゃあ私の足がかわいそうじゃないですか……』
拗ねたように言えば玄武が笑った。
『香子は面白いことを言うな。そなたの心も身体も我ら四神のものだ。そして我らは嫉妬深い』
そう楽しそうに言って、玄武は部屋を出て行った。
意味深だなぁと香子は思う。
(床に足をつけるのさえ許せないのかしら)
愛が重い。きっと人によっては全力で逃げ出そうとするような状態である。だけど。
(玄武様のこと、大好きだし)
自ら望んで囚われているのだと香子は自覚している。たまに叫びたくなったり、街に出たいと思うこともあるがだいぶ衝動性は治まってきていると香子は思う。侍女たちに衣裳を着替えさせられ、顔を拭かれて再び軽く化粧をほどこされる。香子の肌は白く透き通るような美しさになっていて、侍女たちは香子の顔に触れる度に内心ため息をついている。髪を結われ、鏡を見せられて香子は満足した。不満があるとしたら、もう少し大きな鏡がほしいというぐらいである。
(ガラスになんらかの液をつけて、銀をメッキするんだっけ。そもそもガラスの作り方がわからない……)
やっぱり知識チート無双はできそうもないと香子は思う。大事に愛されているのだからそれでいいではないかと香子は自分を慰めた。
『玄武様をお呼びしますか?』
『いいえ。歩くわ』
食堂までである。邯鄲之歩とは全く違うが、このままでは全く歩けなくなってしまうのではないかという危機感が香子にはある。
『……自分の足で歩けなくなったら嫌だわ……』
『どういうことでしょうか』
黒月に聞かれた。
『私は……きっと歩けなくなったら気力もなにもかも失ってしまうような気がするの。だから少しは自分で歩きたいの』
『そういうものなのですか』
『あくまで私は、よ』
四神と並び立つことはできないけど、少しずつでも自分の足で着いて行きたい。それだけは譲れないのだと香子は思う。流されて抱かれて囚われてしまった。甘い檻の中から出られないのではなく、出られるけどあえて檻の中にいるのだと香子は思いたかった。
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