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第3部 周りと仲良くしろと言われました
66.待てをしすぎたかもしれません
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結果として、紅児は紅夏には最後まで抱かれてはいなかった。
それにほっとするのもどうかと思うが、時間の問題だということは香子にもわかっていた。
国が違えば法律も習慣も違うし、それだけでなく相手は人外である。そう考えると紅児はなかなかにたいへんな道を歩んでいるように香子には感じられた。
だが、紅児が四神宮の侍女頭である陳秀美に出会ってなければどうなっていただろう。養父と離れ離れになり、あの場で馬車にひかれていたか、それとも何かに巻き込まれてたいへんなことになっていたかもしれないのだ。秦皇島の村から出ていなければ村の誰かと結婚させられていただろう。
たらればを考えてもせん無いことだ。今紅児は四神宮にいて、もう紅夏と出会ってしまった。
あとはもう、香子は見守っていくことしかできない。
香子は紅児をなかなか放さなかった。紅夏の機嫌が悪そうだったがそんなものは無視した。結婚すればずっと一緒にいられるのだ。今ぐらい紅児を貸してもらっても罰は当たらないと香子は開き直った。
シーザンの姫の件についても少し話したが、紅夏がうまいことやったのか紅児はそれほど気にしていなかった。だからもうシーザンの姫についてはもう終りである。
それよりも、香子は紅夏がどこまで紅児に伝えているのかが気になった。
今回は紅夏の忍耐により抱かれはしなかったようだが、抱かれればもう後戻りはできない。こんなはずじゃなかったと紅児が嘆いても遅いのである。
香子が気になっていろいろ紅児に尋ねてはみたものの、当然のことながら実感はまだないようだった。香子は紅夏を見やった。
『……なんだか心配になってきたわ。(眷属との結婚は)寿命が長いのもそうだけど、人ではなくなるから見た目は年もとらなくなるのよ?』
『……あ……』
紅児は今気づいたというように声を出した。本当に大丈夫なのだろうかと香子は不安になった。
でも。
『ありがとうございます、花嫁様。紅夏様ともっとよく話し合いたいと思います』
紅児は紅夏に流されるだけでなく、自分で物事を考えてもいるようで香子はほっとした。その後少しアドバイスのようなことは言ったが、実践するのは紅児である。
とりあえず風呂を準備させ、今日は何も考えずに青龍と入浴することになった。
『……そなたが我と入浴とは、珍しいな』
『……あっ!?』
香子もいろいろ気を張っていたのかもしれない。当たり前のように青龍に抱かれて衣裳も剥がれ、一緒に湯に浸かることになったが、その意味を香子はあまり考えてはいなかった。
『香子、今宵は……』
『え、ええと……ええと……』
裸のまま向かい合わせで抱き寄せられ、香子は頬が熱を持つのを感じた。
『……そなたを抱きたい』
『あ、あのぅ、でも白虎様が……』
『兄とは明日か明後日の夜でいいのだろう? ならば明日の夜までそなたを独占してもいいではないか』
『あ、あああああの、まだ各国の特使が王城にいて……』
『それがそなたになんの関係がある?』
青龍の目が不快そうに細められた。
『……呼び出されるかもしれないじゃないですか……』
『それに応える必要があると?』
『エリーザの、国から誰か来たらって……』
そう、香子が一番気にしているのはそれなのだ。この大陸にある国々については正直どうでもいい。そんなことよりも紅児の国からの使節が来ていないかどうかの方が気になってしかたないのだ。
『……海の向こうからの客人か』
『はい』
『……わかった』
青龍が嘆息する。わかってくれたらしいと香子はほっとした。だが青龍がわかったと言ったのは別のことだったらしい。
『その国からの使者、もしくは貿易船が来ることがあったならば連絡するように申し付ければいいのだろう』
『……そうです、けど……』
『ならばそうさせよう』
青龍は少しの間目を伏せると、湯の中から香子を抱き上げた。
『兄らを呼んだ。玄武兄の室に向かうぞ』
『え? えええ? あ、あのっ、あのっ……』
『連絡があったならばそなたを放そう。だがそれ以外でそなたを放す理由はない』
『そ、そそそそれはそうですっ、けどっ……!』
香子はどうにか抵抗しようとしたが、目に色を浮かべた青龍に勝てるはずもない。そもそも勝負にすらならない。
『けど? 我は十分待った』
『……う……』
青龍にマテを強いている自覚が、香子には大いにある。しかし青龍には一度抱かれるとほぼ一日抱かれていることになるので、時間を取らなければいけないという問題もあり、そして丸一日わけがわからなくなって快感に翻弄されるというのもつらくもあり、香子としてはついつい先送りにしたくなってしまうのだった。
『……ううう……お手やわらかにお願いします……』
『我がそなたに無体を働くわけがないだろう。大丈夫だ。玄武兄も朱雀兄も共にいる……』
何か問題があれば止めてくれる神々がいるということだが、香子としては全然安心できないと思った。
(されるのが嫌なわけじゃない。でも……なんかちょっと、なんかちょっと……)
もやもやした何かが納得しないのだ。いっそ考えるのをやめてしまえばいいのかもしれない。
香子は青龍に身体を丁寧に洗われ、泣きそうになりながら玄武の室に運ばれた。もう紅児のことは一欠けらも思い出しはしなかった。
ーーーーー
香子のもだもだじれじれが好きすぎてすいません(懺悔
「貴方色に染まる」73、74話と連動しています。紅児とのやりとりの詳細はそちらをご覧ください。
それにほっとするのもどうかと思うが、時間の問題だということは香子にもわかっていた。
国が違えば法律も習慣も違うし、それだけでなく相手は人外である。そう考えると紅児はなかなかにたいへんな道を歩んでいるように香子には感じられた。
だが、紅児が四神宮の侍女頭である陳秀美に出会ってなければどうなっていただろう。養父と離れ離れになり、あの場で馬車にひかれていたか、それとも何かに巻き込まれてたいへんなことになっていたかもしれないのだ。秦皇島の村から出ていなければ村の誰かと結婚させられていただろう。
たらればを考えてもせん無いことだ。今紅児は四神宮にいて、もう紅夏と出会ってしまった。
あとはもう、香子は見守っていくことしかできない。
香子は紅児をなかなか放さなかった。紅夏の機嫌が悪そうだったがそんなものは無視した。結婚すればずっと一緒にいられるのだ。今ぐらい紅児を貸してもらっても罰は当たらないと香子は開き直った。
シーザンの姫の件についても少し話したが、紅夏がうまいことやったのか紅児はそれほど気にしていなかった。だからもうシーザンの姫についてはもう終りである。
それよりも、香子は紅夏がどこまで紅児に伝えているのかが気になった。
今回は紅夏の忍耐により抱かれはしなかったようだが、抱かれればもう後戻りはできない。こんなはずじゃなかったと紅児が嘆いても遅いのである。
香子が気になっていろいろ紅児に尋ねてはみたものの、当然のことながら実感はまだないようだった。香子は紅夏を見やった。
『……なんだか心配になってきたわ。(眷属との結婚は)寿命が長いのもそうだけど、人ではなくなるから見た目は年もとらなくなるのよ?』
『……あ……』
紅児は今気づいたというように声を出した。本当に大丈夫なのだろうかと香子は不安になった。
でも。
『ありがとうございます、花嫁様。紅夏様ともっとよく話し合いたいと思います』
紅児は紅夏に流されるだけでなく、自分で物事を考えてもいるようで香子はほっとした。その後少しアドバイスのようなことは言ったが、実践するのは紅児である。
とりあえず風呂を準備させ、今日は何も考えずに青龍と入浴することになった。
『……そなたが我と入浴とは、珍しいな』
『……あっ!?』
香子もいろいろ気を張っていたのかもしれない。当たり前のように青龍に抱かれて衣裳も剥がれ、一緒に湯に浸かることになったが、その意味を香子はあまり考えてはいなかった。
『香子、今宵は……』
『え、ええと……ええと……』
裸のまま向かい合わせで抱き寄せられ、香子は頬が熱を持つのを感じた。
『……そなたを抱きたい』
『あ、あのぅ、でも白虎様が……』
『兄とは明日か明後日の夜でいいのだろう? ならば明日の夜までそなたを独占してもいいではないか』
『あ、あああああの、まだ各国の特使が王城にいて……』
『それがそなたになんの関係がある?』
青龍の目が不快そうに細められた。
『……呼び出されるかもしれないじゃないですか……』
『それに応える必要があると?』
『エリーザの、国から誰か来たらって……』
そう、香子が一番気にしているのはそれなのだ。この大陸にある国々については正直どうでもいい。そんなことよりも紅児の国からの使節が来ていないかどうかの方が気になってしかたないのだ。
『……海の向こうからの客人か』
『はい』
『……わかった』
青龍が嘆息する。わかってくれたらしいと香子はほっとした。だが青龍がわかったと言ったのは別のことだったらしい。
『その国からの使者、もしくは貿易船が来ることがあったならば連絡するように申し付ければいいのだろう』
『……そうです、けど……』
『ならばそうさせよう』
青龍は少しの間目を伏せると、湯の中から香子を抱き上げた。
『兄らを呼んだ。玄武兄の室に向かうぞ』
『え? えええ? あ、あのっ、あのっ……』
『連絡があったならばそなたを放そう。だがそれ以外でそなたを放す理由はない』
『そ、そそそそれはそうですっ、けどっ……!』
香子はどうにか抵抗しようとしたが、目に色を浮かべた青龍に勝てるはずもない。そもそも勝負にすらならない。
『けど? 我は十分待った』
『……う……』
青龍にマテを強いている自覚が、香子には大いにある。しかし青龍には一度抱かれるとほぼ一日抱かれていることになるので、時間を取らなければいけないという問題もあり、そして丸一日わけがわからなくなって快感に翻弄されるというのもつらくもあり、香子としてはついつい先送りにしたくなってしまうのだった。
『……ううう……お手やわらかにお願いします……』
『我がそなたに無体を働くわけがないだろう。大丈夫だ。玄武兄も朱雀兄も共にいる……』
何か問題があれば止めてくれる神々がいるということだが、香子としては全然安心できないと思った。
(されるのが嫌なわけじゃない。でも……なんかちょっと、なんかちょっと……)
もやもやした何かが納得しないのだ。いっそ考えるのをやめてしまえばいいのかもしれない。
香子は青龍に身体を丁寧に洗われ、泣きそうになりながら玄武の室に運ばれた。もう紅児のことは一欠けらも思い出しはしなかった。
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香子のもだもだじれじれが好きすぎてすいません(懺悔
「貴方色に染まる」73、74話と連動しています。紅児とのやりとりの詳細はそちらをご覧ください。
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