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第1部 四神と結婚しろと言われました
112.ガールズトークで情報交換(黒月、侍女視点)
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それは玄武を入れて四人なのか、それとも玄武を入れない数なのか黒月としては疑問だったが聞くのは憚られた。
あっけらかんと答えたぐらいだからすでに終った話なのだろうが、未だ誰とも肌を合わせたことのない黒月からすれば多いのか少ないのかはわからない。ただこちらの世界での良家の娘は結婚まで誰とも肌を合わせないのが普通なので、そう考えると世界によって随分と違うのだなという印象を持った。
侍女たちは侍女たちで別のことを考えていた。
(四人もの方に抱かれていらっしゃるのに床単が血まみれだったということは……)
(どれだけ四神様は規格外なのかしら……?)
実際香子が今まで付き合ったのは四人だが、肌を合わせた回数はそれほどない。ようは抱かれて快感を覚えるほどしたことがなかったのである。
『こちらの世界ではどうだか知りませんけど、私が学生の時ってなんか卒業までに彼氏作らないと青春してない、みたいな風潮があったんですよね。だからそういうのもあってちょっといいかなーって人と付き合ったりしてたかな』
『そうなのですか……』
『子どもの頃ってへんに好奇心強いから早めに処女喪失しておかないとー、みたいな考えもありましたね』
黒月からすれば香子の世界の考え方は青天の霹靂である。
『あ、もちろん子どもの考えることなんで親からしたらとんでもないことですけどね』
『では、それほど好きではない方と肌を重ねたのですか……?』
黒月としてはどういう表情をしていいのかわからなかった。眷族の雌というのは数が少ないということもあり、とても大事に育てられる。成人するまでに誰かと肌を合わせるなどとんでもない話だ。それなのに香子は未成年の時すでに処女喪失しているという。
侍女たちもそれを聞いて微妙な表情をしていた。この世界の成人は十五歳である。未成年で処女喪失しておかないとって……という心境である。
『え? いくらなんでもその時は本気でしたよ? この人のお嫁さんになるんだーって思ってましたもの』
それを聞いて黒月はほっとした。
少なくともその時は香子も真剣に相手を想っていたようだ。
『まぁ十六歳で処女喪失とか早いんだか普通なんだかはわかりませんけど』
香子の科白に黒月や侍女たちは首を傾げた。
香子が処女喪失したのは未成年の時だったと言ってなかっただろうか。
『……失礼ですが、花嫁様の世界で、成人とは何歳からなのですか?』
『世界、というか私の国では二十歳で成人でしたね。女性は一応親の了承を得れば十六歳から結婚は可能でした』
香子はそこまで言って、これは日本の場合だったと内心冷汗をかいた。ちなみに現中国の成人年齢は十八歳、結婚可能年齢は女性が二十歳、男性は二十二歳である。国によって随分違うものだ。
『ああ、そういうことですか』
それならば十六歳で未成年というのも頷ける。
『うーん、もしかしてこの国って嫁ぐ時に処女じゃないといけないとかそういう決まりでもあります?』
困ったような表情で香子が聞くのに侍女たちは顔を見合わせた。
実際のところ嫁ぐ際女性が処女だというのは暗黙の了解である。ただ庶民の貞節がどうかまでは侍女たちにはわからない。
『一般的には女性は家にいるものですから、男性経験はそうないのではないでしょうか?』
『えー……』
香子は頭を抱えた。
『なんかそれじゃまるで私、あばずれみたいじゃないですか』
その科白に黒月や侍女たちは目を丸くした。
異なる世界から来たというだけで、その生活様式も文化も違うということは黒月や侍女たちにもわかる。
『花嫁様をあばずれなどと思う者はいないかと思いますが?』
黒月の冷静なツッコミに侍女たちもまたうんうんと頷いた。
むしろ侍女たちからすればその匂い立つような色気をどうにかしてほしかった。黒月がいるからいいものの、いなければマッサージと称して決して触れてはいけないところまで触れてしまうような、そんな危機感を抱えていた。
あっけらかんと答えたぐらいだからすでに終った話なのだろうが、未だ誰とも肌を合わせたことのない黒月からすれば多いのか少ないのかはわからない。ただこちらの世界での良家の娘は結婚まで誰とも肌を合わせないのが普通なので、そう考えると世界によって随分と違うのだなという印象を持った。
侍女たちは侍女たちで別のことを考えていた。
(四人もの方に抱かれていらっしゃるのに床単が血まみれだったということは……)
(どれだけ四神様は規格外なのかしら……?)
実際香子が今まで付き合ったのは四人だが、肌を合わせた回数はそれほどない。ようは抱かれて快感を覚えるほどしたことがなかったのである。
『こちらの世界ではどうだか知りませんけど、私が学生の時ってなんか卒業までに彼氏作らないと青春してない、みたいな風潮があったんですよね。だからそういうのもあってちょっといいかなーって人と付き合ったりしてたかな』
『そうなのですか……』
『子どもの頃ってへんに好奇心強いから早めに処女喪失しておかないとー、みたいな考えもありましたね』
黒月からすれば香子の世界の考え方は青天の霹靂である。
『あ、もちろん子どもの考えることなんで親からしたらとんでもないことですけどね』
『では、それほど好きではない方と肌を重ねたのですか……?』
黒月としてはどういう表情をしていいのかわからなかった。眷族の雌というのは数が少ないということもあり、とても大事に育てられる。成人するまでに誰かと肌を合わせるなどとんでもない話だ。それなのに香子は未成年の時すでに処女喪失しているという。
侍女たちもそれを聞いて微妙な表情をしていた。この世界の成人は十五歳である。未成年で処女喪失しておかないとって……という心境である。
『え? いくらなんでもその時は本気でしたよ? この人のお嫁さんになるんだーって思ってましたもの』
それを聞いて黒月はほっとした。
少なくともその時は香子も真剣に相手を想っていたようだ。
『まぁ十六歳で処女喪失とか早いんだか普通なんだかはわかりませんけど』
香子の科白に黒月や侍女たちは首を傾げた。
香子が処女喪失したのは未成年の時だったと言ってなかっただろうか。
『……失礼ですが、花嫁様の世界で、成人とは何歳からなのですか?』
『世界、というか私の国では二十歳で成人でしたね。女性は一応親の了承を得れば十六歳から結婚は可能でした』
香子はそこまで言って、これは日本の場合だったと内心冷汗をかいた。ちなみに現中国の成人年齢は十八歳、結婚可能年齢は女性が二十歳、男性は二十二歳である。国によって随分違うものだ。
『ああ、そういうことですか』
それならば十六歳で未成年というのも頷ける。
『うーん、もしかしてこの国って嫁ぐ時に処女じゃないといけないとかそういう決まりでもあります?』
困ったような表情で香子が聞くのに侍女たちは顔を見合わせた。
実際のところ嫁ぐ際女性が処女だというのは暗黙の了解である。ただ庶民の貞節がどうかまでは侍女たちにはわからない。
『一般的には女性は家にいるものですから、男性経験はそうないのではないでしょうか?』
『えー……』
香子は頭を抱えた。
『なんかそれじゃまるで私、あばずれみたいじゃないですか』
その科白に黒月や侍女たちは目を丸くした。
異なる世界から来たというだけで、その生活様式も文化も違うということは黒月や侍女たちにもわかる。
『花嫁様をあばずれなどと思う者はいないかと思いますが?』
黒月の冷静なツッコミに侍女たちもまたうんうんと頷いた。
むしろ侍女たちからすればその匂い立つような色気をどうにかしてほしかった。黒月がいるからいいものの、いなければマッサージと称して決して触れてはいけないところまで触れてしまうような、そんな危機感を抱えていた。
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