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第1部 四神と結婚しろと言われました
143.あがけるだけあがいてみました ※R13
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四神宮の南側には四神宮へ続く門がある。その門から続く橋の横は小さな庭になっていた。その庭は四神宮を囲むような造りをしており、南側と東側には石造りの椅子と卓が置かれている。
香子は以前からそこでお茶をしようと目をつけていたのだが、いろいろあってまだ誰にも言っていなかった。
お茶を飲み終え、香子は今何時ぐらいだろうかと考える。
朝食後に馬遼親子と話をし、その後皇后と昭正公主の言い訳を聞いた。内容的には濃い時間だったが正直まだおなかはすいていない。ということは昼前である。やはりいくらなんでもまだ床に連れ込まれたくはない時間といえよう。
(庭でお茶をしたいって言えば時間稼ぎになるかしら)
そうしているうちにお昼になって昼食をいただいて……しかしその後がまた続かない。
いろいろ回避策を考えているうちに景山を思い出した。そういえばここ二日程行っていない。
(景山に行きたいかな)
それを口に出そうとした時、手の中に包むようにしていた茶器が取り上げられた。
『……え』
そして横から玄武の顔がアップになって。
香子はとっさに身を引こうとしたがそれは叶わなかった。
身を引けるわけがなかった。玄武の膝に座らされているのだから。
顔を捕えられ、香子は唇をはまれた。
顔が後ろを向くような形になって体勢としては少しつらかったが、嫌いではないから困る。
だけど。
(だーかーらー、なし崩しはいーやーーー!!)
香子は唇をきゅっと結んだ。それなのに玄武は何度も角度を変えてその唇を啄む。そして香子が一向に唇を開かないとわかると喉の奥でククッと笑った。
『香子、そなに抵抗してくれるな』
バリトンが優しく響き思わず口を開きそうになったが、香子は慌てて口元を引き締めた。
できることなら自分の意志を伝えたいものだが、今口を開くととんでもないことになりそうだった。
そして、香子の必死な眼差しに折れたのは玄武の方だった。苦笑したように顔を離し、一瞬きつく香子を抱きしめる。
『……そなたにはかなわぬ』
その囁きにすら香子はふるりと身を震わせた。
(あ、あぶなかった……)
あともう少し玄武の諦めが悪かったら、香子は間違いなくその身を彼らに委ねていただろうと思う。
香子はようやく吐息をついた。
そして自分の体に回されている太い腕を下から両腕で抱える。
それは無意識の行動だった。子どもがなんとなく親の腕を抱えるようなそんな頑是ない仕草であったが、玄武の目の色を変えさせるには十分だった。
『香子……』
『玄武様、今日は景山に行きたいです!』
顔だけを後ろに向けて香子は言った。
玄武はそれに苦笑する。
『はははははっっ!!』
朱雀が爆笑した。
香子は首を傾げる。
何かまたおかしなことを言っただろうか。
『ならば許可がとれるかどうか聞くように言っておこう』
玄武は平然として言い、しばし黙った。香子はそれに情けない顔をする。確かに念話を使った方が早いのだろうが、扉の外には黒月がいるはずである。直接声をかければいいのではないかと思ってしまった。
『さて』
いきなりがらりと変わった声音に、香子はぶるっとその身を震わせた。
『景山に向かうにしても準備があろう。それまでしばし休むとしようか』
そう言って玄武が香子を抱いたまま立ち上がった。
(えええええ~~~~!?)
香子は油断していた。かたくなに口づけを拒んだ時点で玄武が諦めたと思っていたのだ。だがその後の香子の無意識の行動によって二神のスイッチがまた入ってしまったのである。
『あのっ、玄武様! またお茶が飲みたいです!』
『景山に行ってからでもよかろう』
『よしんば行けなくとも後で飲めばいいだろう』
二神に却下され、香子はそのまま玄武の寝室に運ばれた。香子の頭の中では盛大にドナドナがぐるぐる回った。
(なんでこーなるのーーーー?)
そして向かう準備が整うまで、香子は二神によって甘くとろかされてしまったのだった。
香子は以前からそこでお茶をしようと目をつけていたのだが、いろいろあってまだ誰にも言っていなかった。
お茶を飲み終え、香子は今何時ぐらいだろうかと考える。
朝食後に馬遼親子と話をし、その後皇后と昭正公主の言い訳を聞いた。内容的には濃い時間だったが正直まだおなかはすいていない。ということは昼前である。やはりいくらなんでもまだ床に連れ込まれたくはない時間といえよう。
(庭でお茶をしたいって言えば時間稼ぎになるかしら)
そうしているうちにお昼になって昼食をいただいて……しかしその後がまた続かない。
いろいろ回避策を考えているうちに景山を思い出した。そういえばここ二日程行っていない。
(景山に行きたいかな)
それを口に出そうとした時、手の中に包むようにしていた茶器が取り上げられた。
『……え』
そして横から玄武の顔がアップになって。
香子はとっさに身を引こうとしたがそれは叶わなかった。
身を引けるわけがなかった。玄武の膝に座らされているのだから。
顔を捕えられ、香子は唇をはまれた。
顔が後ろを向くような形になって体勢としては少しつらかったが、嫌いではないから困る。
だけど。
(だーかーらー、なし崩しはいーやーーー!!)
香子は唇をきゅっと結んだ。それなのに玄武は何度も角度を変えてその唇を啄む。そして香子が一向に唇を開かないとわかると喉の奥でククッと笑った。
『香子、そなに抵抗してくれるな』
バリトンが優しく響き思わず口を開きそうになったが、香子は慌てて口元を引き締めた。
できることなら自分の意志を伝えたいものだが、今口を開くととんでもないことになりそうだった。
そして、香子の必死な眼差しに折れたのは玄武の方だった。苦笑したように顔を離し、一瞬きつく香子を抱きしめる。
『……そなたにはかなわぬ』
その囁きにすら香子はふるりと身を震わせた。
(あ、あぶなかった……)
あともう少し玄武の諦めが悪かったら、香子は間違いなくその身を彼らに委ねていただろうと思う。
香子はようやく吐息をついた。
そして自分の体に回されている太い腕を下から両腕で抱える。
それは無意識の行動だった。子どもがなんとなく親の腕を抱えるようなそんな頑是ない仕草であったが、玄武の目の色を変えさせるには十分だった。
『香子……』
『玄武様、今日は景山に行きたいです!』
顔だけを後ろに向けて香子は言った。
玄武はそれに苦笑する。
『はははははっっ!!』
朱雀が爆笑した。
香子は首を傾げる。
何かまたおかしなことを言っただろうか。
『ならば許可がとれるかどうか聞くように言っておこう』
玄武は平然として言い、しばし黙った。香子はそれに情けない顔をする。確かに念話を使った方が早いのだろうが、扉の外には黒月がいるはずである。直接声をかければいいのではないかと思ってしまった。
『さて』
いきなりがらりと変わった声音に、香子はぶるっとその身を震わせた。
『景山に向かうにしても準備があろう。それまでしばし休むとしようか』
そう言って玄武が香子を抱いたまま立ち上がった。
(えええええ~~~~!?)
香子は油断していた。かたくなに口づけを拒んだ時点で玄武が諦めたと思っていたのだ。だがその後の香子の無意識の行動によって二神のスイッチがまた入ってしまったのである。
『あのっ、玄武様! またお茶が飲みたいです!』
『景山に行ってからでもよかろう』
『よしんば行けなくとも後で飲めばいいだろう』
二神に却下され、香子はそのまま玄武の寝室に運ばれた。香子の頭の中では盛大にドナドナがぐるぐる回った。
(なんでこーなるのーーーー?)
そして向かう準備が整うまで、香子は二神によって甘くとろかされてしまったのだった。
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