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第25話 それぞれの放課後

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 ―― 翌日

 時間は昼も過ぎた頃、鈴雲りりたんは姿見の前でニヤつきながら衣装をあてがっていた。

 「しばらく服など買っていませんでしたが、古いのも着てないので綺麗ではありますね」

 数年前だっただろうか? 以前購入した子供っぽい服が沢山ある。
 あまり成長はしていないらしく、どれもサイズ的には問題ないが、親が勝手に買った物なので比較的露出が多いのばかりだ。

 「少し大胆すぎますかねぇ…… 正秀さんは気に入ってくれるでしょうか? えへっ、えへへ……」

 笑顔で鏡をていると、昨晩の行為を思い出す……

 あれから激しいセックスを何度も行い、頭はチンコに敗北することしか考えられなくなっていた。
 倒れているヒロインに放尿のように射精される侮辱を味わい、続けざまにRe挿入からの連続中出しと強制排出コンボは否応なしに自虐精神を高めてくれた。
 優しく接してくれる半面、性的な責めは容赦ない正秀のことが堪らなくいとおしく感じる。

 そして……

 今朝、二人は抱き合ったまま目を覚ますと、正秀は学校があるからと急いで帰ってしまった。
 それでも「学校が終わったら、またすぐに来るからな」と言ってくれたことがとても嬉しかった。
 また会える、また犯してもらえる、そんな気持ちでいっぱいであった。

 だから今はこうして御粧おめかしをしようと頑張っているのであった。

 「もう少し体にフィットした服の方がいいですよねぇ。ブラは付けないですし…… これとかは……」

 白いミニワンピースを着てみると、窓から指す光で下着が透けて見え、トップはピッチリと体に張り付き胸のポッチがよくわかる。
 スカートの裾を少し上げると、今にもショーツが見えそうだ。

 「子供っぽいのは仕方ありませんが、こ、これなら正秀さんだって…… うへへへ」

 などと自室で一人ニヤニヤしながら日中を過ごす鈴雲であった。

 ……………
 ………
 …

 ―― その日の夕方

 正秀は学校が終わると急いで家に帰ると、着替えてから鈴雲の家に向かうことにした。
 それは家を出て神社の前を通りかかった時であった。

 「喰らえっ! 俺のハイパーショットを!」

 境内の方から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 「ん? あれって……」

 足を止めて見ると、案の定黒いスウェット姿の変な青年が居る。

 「アイツ今度は何やってんだよ……」

 放っておこうかと思うが、模造刀を借りた礼も言ってなかったこともあるので、とりあえず近付いてみることにした。

 「おい。何やってんだ?」

 「あ! 刀ドロボー」

 「借りただけだろ」

 「爆散したんだけど。それは」

 模造刀はブリ婬人の尻に刺しあとウンコ塗れだったので、その場に捨ててしまい爆発に巻き込まれたらしい。

 「細かいこと言うなよ。ま、おかげで助かったぜ。サンキューな」

 「…………」

 「で、今度は何だ?」

 「ん? これ?」

 と、変人は手に持っているナックルのような金属の塊に、ゴムが2本付いている物を見せた。

 「パチンコなのか、それ?」

 「ああ。まあ、そうね。スリングショットだけど」

 「へぇ……」

 グリップの下が尖っており、中指を入れているリングの先には突起が付いている。
 その上からネジでゴムを留めれるフォークが付いていた。

 「ま。これからは遠距離の時代だよ。むふふ、11mmスチールなら90エムエス以上出る代物なのだよ。しかも、近接戦闘も可能なクラッシャー装備。1mmの平ゴムにワイドテーパー……」

 「まてまて。話が長くなりそうだから俺は行くぜ。礼も言ったからな」

 「え。あ、はい……」

 「じゃあな」

 目的も果たしたし、意味不明な会話に付き合ってもしょうがないと思った正秀は、その場を後にした。
 残された変な人はポケットからァミチキを取り出し齧ると、神妙な面持おももちで見送るのだった。

 ……………
 ………
 …

 ―― 同時刻

 鈴雲りりたんはそろそろ正秀が来るのではないかと、そわそわしていた。
 部屋で正座をしたり、玄関へ行ってみたり、鏡のまで前髪を直したりと落ち着きがない。

 異性を意識して好きになるのが初めてだったので、どうしていいのかわからないのだ。
 確かに隣の兄様にいさまと呼んで慕う男性は大好きである。
 しかし、それは恋心ではなく憧れに過ぎないのは自分でも知っていた。

 「まだですか、まだ来ないのですか。すぐに来るって言ってたじゃないですか! もう学校は終わってるはずですが……… むむむ」

 スマホを手に取るが連絡先を聞いていなかった。

 「はぁ、失敗しましたね…… でも、私から電話番号を教えてと言うのも…… だいたい女性をこんなに待たせる正秀さんが悪いのですよ!」

 などとブツブツ独り言を呟いていると……

 ピンポーン

 「はっ!」

 チャイムの音に反応して鈴雲は駆け出した。

 ガチャ

 勢い良く玄関のドアを開けながら口を開く。

 「遅いですよ! いえ、私は全然待ってなど…… 待って…… え?」

 目の前に居たのは正秀はなく、隣のお兄さんであった。

 「やありり。久しぶりだね」

 「あ、え……? に、兄様にいさま……?」

 「元気にしてたかい?」

 「は…… ぃ……」

 背も高くスマートで爽やかな青年は微笑みながら鈴雲を見ていた。

 「えと…… どうされました?」

 「ああ、受験で忙しくてしばらく会えなかったからね。たまには鈴の顔も見たくなってさ」

 「そうですか。私も兄様に会えて嬉しいです」

 「それでなんだけどさ、たまには食事にでもどうかなと思って来たんだけど…… 出かけるとこだったのかな?」

 いつもの汚れたスウェットではなく、綺麗に着飾っていたので外出するのだと思ったようだ。

 「ああ。はい。人と待ち合わせをしてまして……」

 「そうか。僕も今日しか空いてなくてさ…… でも鈴が用事があるのに無理に誘うのも悪いかなぁ」

 「すみません……」

 心なしか、お兄さんは少し苛立った表情になった。

 「でもさ、僕も今日はりりに大切な話があるんだよ」

 「大切な。ですか?」

 「そう、だから少しだけでいいんだ、付き合ってくれないかな?」

 「でも……」

 以前ならばどんな用事を差し置いてでも喜んで行ったであろうが、今は正秀に会いたくて堪らなかった。
 優しく接してくれて、力強く抱かれていた時の温もりが忘れられない。

 そんな感情を察したのだろうか?
 お兄さんは鈴雲りりたんの腕を掴んで言う。

 「いいじゃないか。すぐ終わるからさ? ね?」

 「に、兄様っ、やめて。引っ張らないで下さい」

 カタッ

 引かれた拍子にスマホを落としてしまった。

 「いいから来るんだっ!! 鈴は黙って僕の言うことを聞いてればいいのさっ!!」

 とうとう怒鳴りだしてしまった。
 優しかったお兄さんに怒られた鈴雲は怯えた様子で身をすぼめた。

 「兄様…… どうしたんですか……?」

 「いや…… 大きな声を出して悪かったよ。とにかく行こうか。さっ」

 「…………」

 鈴雲は何も言えず、おどおどしながらも行くことにした。
 正秀のことは気になるが、親にすらほとんど怒られたことがなかったので、お兄さんの変貌ぶりに萎縮してしまい、どうしようもなかった。

 ……………
 ………
 …

 ―― 数分後

 鈴雲と入れ違いで正秀はやって来た。

 ピンポーン♪ ピンポーン♪ ピポピポピンポーン♪ ピン…… ポーン♪

 インターホンを連射しても返事が無い。

 「あれ? 居ないのか?」

 と、ドアノブに手を延ばす。

 ガチャ

 鍵が掛かっていなかったので簡単に開いた。

 「ったく、鈴ちゃん不用心なんだぜ。お邪魔しまーす」

 勝手に入るとコツンと足で何かを蹴った。

 「お? スマホ……」

 それは、変身アイテムとしても使っている大切なはずのスマホであった。

 (どうして廊下に落ちてるんだ?)

 正秀の胸に不安がよぎる。

 「鈴ちゃん!」

 ドタドタと階段を上がり部屋に行ってみるが居ない。
 風炉もトイレも遠慮なく突っ込むが居なかった。

 「どこに行ったんだよ…… くそっ!」

 正秀は頭にきて叫ぶ!

 「鈴ちゃーん! 出かける時は鍵を掛けなくちゃだぜぇぇぇ!」

 帰って来たら少し説教をしてやろうかと思った時であった。

 ぶるるるるるッ

 突然スマホが震えだした。

 「ん? 鈴ちゃんのスマホか?」

 画面を見ると、そこには着信と表示されており、発信相手はエロ神と……
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