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第四章 この想いを終わらせるために…始めたんだ…
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「泊るだろう?」
食事を終えてシャワーを浴びて出てきた亮は、濡れた頭をガシガシタオルで拭きながら当然のように、食器の後片付けをしている桂に言った。
「え…?」
桂が戸惑ったように振り返る。チラリと壁に掛かっている時計に視線を走らせた。
時刻はまだ11時。
最終には充分間に合う。桂は部屋に入った時の、亮の疲労の滲んだ顔を見て、今日は食事だけで帰ろうと思っていた。
亮の体調が心配で彼をゆっくり休ませたかったから。
桂の躊躇いを感じて、亮が不機嫌そうに顔を顰めた。もちろん桂の躊躇いの原因なんか分からないから少し拗ねたような口調で言う。
「泊れよ。桂が見たがっていた映画の配信始まってるから…見ようぜ。」
どうして断れるんだろう…自分の身違っていた映画を覚えていてくれた…そんな些細な優しさが嬉しくて…。
桂は泣き笑いのような顔をすると、うん。わかったと答えた。
ソファーに並んで座りながら映画を見る。日本で大ヒットした洋画で亮は既に映画館で見ていた。
か筋を知っているためか、少しウトウトしたように亮はテレビの画面を見つめている。
桂はと言えば、確かに見たかった映画でストーリーもハラハラする内容だが隣のぐったりしたような亮が気になって、映画に集中する事がなかなかできない。チラチラと亮の様子を窺がい見る。
とうとう我慢が出来なくなって桂は亮に声を掛けた。
「山本…もう寝た方が良いよ。」
亮は桂の事を名前で呼ぶ。桂は亮の事を名前で呼ぶ事は出来なかった。いつかJ's Barで聞いた健志の亮の名前を呼ぶ声が頭から離れなかったから。
彼を名前で呼ぶ事に慣れたくもなかったから…。
「…あ?…大丈夫…。」
亮がトロンとした瞳で桂を見た。
大丈夫じゃないよ。桂は映画を止めるとテレビの電源を切った。振り返って亮の腕を掴んで立たせる。
「俺も眠いから…もう寝よう。」
亮は甘えるように桂に体を凭せ掛けると「あぁ…じゃ俺ベッドに入ってる。」と言い置いて寝室に入って行く。
よろよろと寝室の中へ消えた亮を確認すると桂は自分もシャワーを浴びる為にバスルームに入っていった。
寝室に入るなり、スーと言う規則正しい亮の寝息が聞こえて、桂は微笑んだ。
普段あまり彼の眠っている姿を目にする事は無い。セックスの最中意識を最初に飛ばすのは桂で、朝目を覚ますと亮は既に起きている事が殆どだったからだ。
自分もベッドの亮の隣に滑り込みながらスヤスヤと眠っている亮の顔を覗きこむ。
整った綺麗な面差しで…。
亮の額に掛かる前髪を優しく梳きながら桂は満ち足りたような思いで亮を見詰める。少しドキドキしながら彼の額にそっと口付けた。
―キスはしない…したいけど絶対しない…。でも俺はしても良いよな…。本命がいないし…。彼が俺の本命だし。
桂は色々理由をこじつけて亮の唇を見詰めた。
亮の唇から相変わらず寝息が零れる。
桂は亮が起きないように気をつけながら彼の唇に自分のそれをふわりと押し当てた。
柔らかい亮の唇の感触。漏れ零れる甘い彼の吐息。まるで子供のようなフレンチキスに自分が照れて…。
唇を離して亮の寝顔を見詰めながら、桂は少しだけ心臓が引き絞られるような傷みを感じて切ない思いを噛締めていた。
食事を終えてシャワーを浴びて出てきた亮は、濡れた頭をガシガシタオルで拭きながら当然のように、食器の後片付けをしている桂に言った。
「え…?」
桂が戸惑ったように振り返る。チラリと壁に掛かっている時計に視線を走らせた。
時刻はまだ11時。
最終には充分間に合う。桂は部屋に入った時の、亮の疲労の滲んだ顔を見て、今日は食事だけで帰ろうと思っていた。
亮の体調が心配で彼をゆっくり休ませたかったから。
桂の躊躇いを感じて、亮が不機嫌そうに顔を顰めた。もちろん桂の躊躇いの原因なんか分からないから少し拗ねたような口調で言う。
「泊れよ。桂が見たがっていた映画の配信始まってるから…見ようぜ。」
どうして断れるんだろう…自分の身違っていた映画を覚えていてくれた…そんな些細な優しさが嬉しくて…。
桂は泣き笑いのような顔をすると、うん。わかったと答えた。
ソファーに並んで座りながら映画を見る。日本で大ヒットした洋画で亮は既に映画館で見ていた。
か筋を知っているためか、少しウトウトしたように亮はテレビの画面を見つめている。
桂はと言えば、確かに見たかった映画でストーリーもハラハラする内容だが隣のぐったりしたような亮が気になって、映画に集中する事がなかなかできない。チラチラと亮の様子を窺がい見る。
とうとう我慢が出来なくなって桂は亮に声を掛けた。
「山本…もう寝た方が良いよ。」
亮は桂の事を名前で呼ぶ。桂は亮の事を名前で呼ぶ事は出来なかった。いつかJ's Barで聞いた健志の亮の名前を呼ぶ声が頭から離れなかったから。
彼を名前で呼ぶ事に慣れたくもなかったから…。
「…あ?…大丈夫…。」
亮がトロンとした瞳で桂を見た。
大丈夫じゃないよ。桂は映画を止めるとテレビの電源を切った。振り返って亮の腕を掴んで立たせる。
「俺も眠いから…もう寝よう。」
亮は甘えるように桂に体を凭せ掛けると「あぁ…じゃ俺ベッドに入ってる。」と言い置いて寝室に入って行く。
よろよろと寝室の中へ消えた亮を確認すると桂は自分もシャワーを浴びる為にバスルームに入っていった。
寝室に入るなり、スーと言う規則正しい亮の寝息が聞こえて、桂は微笑んだ。
普段あまり彼の眠っている姿を目にする事は無い。セックスの最中意識を最初に飛ばすのは桂で、朝目を覚ますと亮は既に起きている事が殆どだったからだ。
自分もベッドの亮の隣に滑り込みながらスヤスヤと眠っている亮の顔を覗きこむ。
整った綺麗な面差しで…。
亮の額に掛かる前髪を優しく梳きながら桂は満ち足りたような思いで亮を見詰める。少しドキドキしながら彼の額にそっと口付けた。
―キスはしない…したいけど絶対しない…。でも俺はしても良いよな…。本命がいないし…。彼が俺の本命だし。
桂は色々理由をこじつけて亮の唇を見詰めた。
亮の唇から相変わらず寝息が零れる。
桂は亮が起きないように気をつけながら彼の唇に自分のそれをふわりと押し当てた。
柔らかい亮の唇の感触。漏れ零れる甘い彼の吐息。まるで子供のようなフレンチキスに自分が照れて…。
唇を離して亮の寝顔を見詰めながら、桂は少しだけ心臓が引き絞られるような傷みを感じて切ない思いを噛締めていた。
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