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第九章 普通の恋人同士なら行かないで…そう言うのかな…
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亮は怒りもしなければ、桂を責めたり詰ったりするような事も言わなかった。
ただ部屋に入るなり、桂を乱暴にバスルームに押し込むと感情を押さえた声で命令した。
「風呂に入ってこい。顔をよく洗ってくるんだ。いいな?!」
言って亮は桂をグイグイと押して、桂が脱衣所に入ったのを確認するときびすを返してバスルームから出て行ってしまった。
「…?顔を洗えって…?なんだ?」
一人取り残された桂は呆然としながらも、亮に言われた通り風呂に入った。
身体を洗って、湯船に浸かりながら考える。こういう行動を取る時の亮の考えている事はちっともわからない。
「まぁ…怒るのは当然だよな…」
呟いてみる。仮にも…ごっこと言えど、自分は今亮と付き合っている。それなのに亮との約束を反故にしてジュリオと出かけてしまったのだ。焼もちとは言わなくても…面白くはないだろう。
「しかもなぁ…。あんな事言われて…。俺これからどうやってジュリオさんと接したらいいんだろう…」
ジュリオの真摯な瞳を思い出して胸が疼いた。これは罰なのだろうか?一瞬でもジュリオと恋愛できたら楽だったのに…そう無い物強請りした自分への…。
そこまで考えて桂はガバッと顔にお湯を掛けた。考えたって…ジュリオの気持に答える事は出来ない…。
考えを振りきるように…亮に言われた通り何度も顔にバシャバシャとお湯を掛けて顔を擦る。
風呂から出て、濡れた身体や顔をバスタオルで拭う。いつのまに用意されたのか真新しいパジャマと下着が置いてあった。
サイズを見るとMサイズ。亮は桂よりも一回り大きい。着るサイズもいつもLだから…これって…俺が着て良いってことなのか…?
思って桂の頬が緩んだ。思いがけない亮の気遣いに胸が一杯になる。亮の部屋に泊まるときは、いつも桂は自分の着替えを持ってきていた。この部屋に置く事は出来ないから…そう思って…。
桂は恐る恐るパジャマに指先を触れる。柔らかいコットンの生地にフッと笑みが零れた。
ドキドキしながら、それを身体に纏う。真っ白い地に、袖口と裾に細いネイビーのトリミングがしてあるパジャマ姿の自分を、浮き立つ気分で洗面所の鏡に映して眺める。
やけに爽やかなそのパジャマになんだか…照れくさくて、恥かしくて…でも…嬉しくて…。亮に抱きしめられているみたいに桂の胸は高鳴ってしまう。
…そうなんだ…
桂は襟元をギュッと掴んで鏡の中の嬉しそうな自分を見詰めた。
…俺はこんな山本の優しさに少し触れるだけで…こんなに幸せでいられるんだ…
桂は胸に温かい物をが満ちるのを感じながらバスのドアを開けた。
ただ部屋に入るなり、桂を乱暴にバスルームに押し込むと感情を押さえた声で命令した。
「風呂に入ってこい。顔をよく洗ってくるんだ。いいな?!」
言って亮は桂をグイグイと押して、桂が脱衣所に入ったのを確認するときびすを返してバスルームから出て行ってしまった。
「…?顔を洗えって…?なんだ?」
一人取り残された桂は呆然としながらも、亮に言われた通り風呂に入った。
身体を洗って、湯船に浸かりながら考える。こういう行動を取る時の亮の考えている事はちっともわからない。
「まぁ…怒るのは当然だよな…」
呟いてみる。仮にも…ごっこと言えど、自分は今亮と付き合っている。それなのに亮との約束を反故にしてジュリオと出かけてしまったのだ。焼もちとは言わなくても…面白くはないだろう。
「しかもなぁ…。あんな事言われて…。俺これからどうやってジュリオさんと接したらいいんだろう…」
ジュリオの真摯な瞳を思い出して胸が疼いた。これは罰なのだろうか?一瞬でもジュリオと恋愛できたら楽だったのに…そう無い物強請りした自分への…。
そこまで考えて桂はガバッと顔にお湯を掛けた。考えたって…ジュリオの気持に答える事は出来ない…。
考えを振りきるように…亮に言われた通り何度も顔にバシャバシャとお湯を掛けて顔を擦る。
風呂から出て、濡れた身体や顔をバスタオルで拭う。いつのまに用意されたのか真新しいパジャマと下着が置いてあった。
サイズを見るとMサイズ。亮は桂よりも一回り大きい。着るサイズもいつもLだから…これって…俺が着て良いってことなのか…?
思って桂の頬が緩んだ。思いがけない亮の気遣いに胸が一杯になる。亮の部屋に泊まるときは、いつも桂は自分の着替えを持ってきていた。この部屋に置く事は出来ないから…そう思って…。
桂は恐る恐るパジャマに指先を触れる。柔らかいコットンの生地にフッと笑みが零れた。
ドキドキしながら、それを身体に纏う。真っ白い地に、袖口と裾に細いネイビーのトリミングがしてあるパジャマ姿の自分を、浮き立つ気分で洗面所の鏡に映して眺める。
やけに爽やかなそのパジャマになんだか…照れくさくて、恥かしくて…でも…嬉しくて…。亮に抱きしめられているみたいに桂の胸は高鳴ってしまう。
…そうなんだ…
桂は襟元をギュッと掴んで鏡の中の嬉しそうな自分を見詰めた。
…俺はこんな山本の優しさに少し触れるだけで…こんなに幸せでいられるんだ…
桂は胸に温かい物をが満ちるのを感じながらバスのドアを開けた。
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