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第九章 普通の恋人同士なら行かないで…そう言うのかな…
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「あ…あの…」
背を向けて黙ってソファに座っている亮におずおずと桂は声を掛けた。亮はピクッと身体を揺らすと、ゆっくりと立ち上がった。
振り返って桂を見詰める。桂がパジャマを着ているのを認めると優しく微笑んだ。
「サイズは大丈夫だったか?」
さっきまでの怒りを微塵も感じさせない穏かな声音につられて、桂も笑顔を浮かべて答えた。
「あぁ…。あの…ありがとう…」
桂の笑みに亮が、ん…と優しく返した。リビングの入り口に立ち尽くす桂をジッと何かを含んだ瞳で見詰める。
「桂…こっちこいよ」
優しい、でも有無を言わせない口調で亮が桂を呼んだ。いつもと雰囲気の違う亮に戸惑いながらも桂はソロソロと亮の側に寄った。
亮が桂の腕を掴んで自分の胸の中に抱き寄せる。桂の身体をヒョイと横抱きに抱き上げると、抱きしめたままソファに座る。
「あ…どうしたんだ…よ…?」
突然亮の胸の中に閉じ込められるように膝の上に抱き上げられて、桂はバランスを崩すまいと咄嗟に亮の首に両手を回す。亮がぎゅっと桂の頭を自分の胸に押し当てた。
トクットクッと規則ただしい亮の鼓動が桂の頬に伝わってくる。
亮の胸の温かさ、自分を強く拘束する熱い腕…耳元に感じる亮の熱い吐息…全部がうれしくて桂はうっとりと亮の胸に顔を埋めた。
亮の熱い掌が滑るように、桂の頬や耳、首筋や肩のラインをしっとりと撫でていく。愛撫というよりは労わるような優しい感触に桂が心地よさそうに身を任せた。
「悪い…」
ポツリと亮が呟く。
「え…?何が…?」
なぜ亮が謝るのか分からず桂は顔を上げて亮の顔を見上げた。亮が苦しそうな表情で桂の視線を受けとめると、自分に向けた桂の頬や顎をまた擦っていく。
「こんなに…細くなっていたのに…。顔も…首も…肩のラインも…。それに胸だって…。触れると壊れそうなぐらいに…。それなのに…俺…気付かなかった…」
「細いって…?」
桂はまだ訳が分からず、聞き返す。亮はフッと笑みを零すと桂の髪を柔らかく梳いてやる。
「桂の身体だよ…。こんなに痩せてしまっていたなんて…。俺ジュリオに言われるまで気付かなかった…。ゴメンな…。俺が一番に気付かなきゃいけなかったのに…。どこか身体の具合悪いんじゃないのか?」
亮の言葉を聞いて桂は亮の胸に顔を埋めた。嬉しくて泣いてしまいそうだった。
亮が自分の体調を気に掛けてくれたなんて…。例えきっかけがジュリオの言葉でも、こうやって言ってくれるだけで充分だった…。
「大丈夫だよ…。夏ばて気味だったんだと思う。自分でも気付かなかったんだ。返ってゴメン…。迷惑掛けちゃったな…」
桂の言う事を受け止めると、亮は更にきつく桂の体を胸に引き寄せた。
バカ野郎…。
桂の言葉に亮が桂の髪の毛に顔を埋めて呟く。一瞬逡巡した後、言葉を継いだ。
「バカ…。俺は桂の……。俺…桂と付き合ってんのに。気付かなかった…。俺ってバカだな…」
桂は幸せな思いで「そんな事ない…」言って頭を振った。
亮が熱っぽく桂の身体のラインをなぞっていく。甘い誘惑に桂がピクンと身体を震わせた。亮が桂の頬に指を這わせる。
「ジュリオとあんまり…付き合うなよな…。」
少し拗ねたような亮の声に桂が驚いて顔を上げて亮の顔を覗き込んだ。
亮はきまり悪そうにフッと視線を逸らす。次の瞬間桂の顎を強く掴むと、今度は自分が桂の顔に覆い被さるように近づけてくる。
― キスされる… —
思って桂は逃げるように身体を捩って、わずかに腕で亮の胸に突っ張る。亮は桂の抗らう腕を掴み取ると、耳元に唇を寄せて囁いた。
「約束は守る…。だから…少しだけ俺の好きにさせろよ…」
言って、しっとりと桂のこめかみに口付ける。甘い感触に戸惑いながらも桂は真剣な亮の口調に押されて、言葉もなく頷いていた。
亮は嬉しそうに桂を見詰めると、またそっとキスを桂の額に落とす。
そのまま唇を桂の頬や顎、震える瞼…唇以外の全てに這わせていった。特にジュリオがキスした所は念入りに…。
時々啄ばむように、時々舌先で味わうように、そして…チュっと音を立てて…桂の顔を食べてしまうかのように…貪欲にキスを繰り返す。
ジャレあうように桂の鼻先にキスを落とし、自分の鼻を甘えるように桂の鼻先に擦りつける。そして、また慈しむように優しい口付けを桂の顔に降らせていった。
今にも唇が触れてしまいそうな程の距離に亮の熱っぽい吐息を感じて、桂は堪らなく亮とキスしたくなってしまう。
自分から口付けてしまいそうになる衝動を、亮の胸元のシャツをギュッと握り締めながら必至で押し殺す。
桂は甘い亮のキスに心臓が軋むような切なさを感じながら…その甘い毒に侵されていた…。
背を向けて黙ってソファに座っている亮におずおずと桂は声を掛けた。亮はピクッと身体を揺らすと、ゆっくりと立ち上がった。
振り返って桂を見詰める。桂がパジャマを着ているのを認めると優しく微笑んだ。
「サイズは大丈夫だったか?」
さっきまでの怒りを微塵も感じさせない穏かな声音につられて、桂も笑顔を浮かべて答えた。
「あぁ…。あの…ありがとう…」
桂の笑みに亮が、ん…と優しく返した。リビングの入り口に立ち尽くす桂をジッと何かを含んだ瞳で見詰める。
「桂…こっちこいよ」
優しい、でも有無を言わせない口調で亮が桂を呼んだ。いつもと雰囲気の違う亮に戸惑いながらも桂はソロソロと亮の側に寄った。
亮が桂の腕を掴んで自分の胸の中に抱き寄せる。桂の身体をヒョイと横抱きに抱き上げると、抱きしめたままソファに座る。
「あ…どうしたんだ…よ…?」
突然亮の胸の中に閉じ込められるように膝の上に抱き上げられて、桂はバランスを崩すまいと咄嗟に亮の首に両手を回す。亮がぎゅっと桂の頭を自分の胸に押し当てた。
トクットクッと規則ただしい亮の鼓動が桂の頬に伝わってくる。
亮の胸の温かさ、自分を強く拘束する熱い腕…耳元に感じる亮の熱い吐息…全部がうれしくて桂はうっとりと亮の胸に顔を埋めた。
亮の熱い掌が滑るように、桂の頬や耳、首筋や肩のラインをしっとりと撫でていく。愛撫というよりは労わるような優しい感触に桂が心地よさそうに身を任せた。
「悪い…」
ポツリと亮が呟く。
「え…?何が…?」
なぜ亮が謝るのか分からず桂は顔を上げて亮の顔を見上げた。亮が苦しそうな表情で桂の視線を受けとめると、自分に向けた桂の頬や顎をまた擦っていく。
「こんなに…細くなっていたのに…。顔も…首も…肩のラインも…。それに胸だって…。触れると壊れそうなぐらいに…。それなのに…俺…気付かなかった…」
「細いって…?」
桂はまだ訳が分からず、聞き返す。亮はフッと笑みを零すと桂の髪を柔らかく梳いてやる。
「桂の身体だよ…。こんなに痩せてしまっていたなんて…。俺ジュリオに言われるまで気付かなかった…。ゴメンな…。俺が一番に気付かなきゃいけなかったのに…。どこか身体の具合悪いんじゃないのか?」
亮の言葉を聞いて桂は亮の胸に顔を埋めた。嬉しくて泣いてしまいそうだった。
亮が自分の体調を気に掛けてくれたなんて…。例えきっかけがジュリオの言葉でも、こうやって言ってくれるだけで充分だった…。
「大丈夫だよ…。夏ばて気味だったんだと思う。自分でも気付かなかったんだ。返ってゴメン…。迷惑掛けちゃったな…」
桂の言う事を受け止めると、亮は更にきつく桂の体を胸に引き寄せた。
バカ野郎…。
桂の言葉に亮が桂の髪の毛に顔を埋めて呟く。一瞬逡巡した後、言葉を継いだ。
「バカ…。俺は桂の……。俺…桂と付き合ってんのに。気付かなかった…。俺ってバカだな…」
桂は幸せな思いで「そんな事ない…」言って頭を振った。
亮が熱っぽく桂の身体のラインをなぞっていく。甘い誘惑に桂がピクンと身体を震わせた。亮が桂の頬に指を這わせる。
「ジュリオとあんまり…付き合うなよな…。」
少し拗ねたような亮の声に桂が驚いて顔を上げて亮の顔を覗き込んだ。
亮はきまり悪そうにフッと視線を逸らす。次の瞬間桂の顎を強く掴むと、今度は自分が桂の顔に覆い被さるように近づけてくる。
― キスされる… —
思って桂は逃げるように身体を捩って、わずかに腕で亮の胸に突っ張る。亮は桂の抗らう腕を掴み取ると、耳元に唇を寄せて囁いた。
「約束は守る…。だから…少しだけ俺の好きにさせろよ…」
言って、しっとりと桂のこめかみに口付ける。甘い感触に戸惑いながらも桂は真剣な亮の口調に押されて、言葉もなく頷いていた。
亮は嬉しそうに桂を見詰めると、またそっとキスを桂の額に落とす。
そのまま唇を桂の頬や顎、震える瞼…唇以外の全てに這わせていった。特にジュリオがキスした所は念入りに…。
時々啄ばむように、時々舌先で味わうように、そして…チュっと音を立てて…桂の顔を食べてしまうかのように…貪欲にキスを繰り返す。
ジャレあうように桂の鼻先にキスを落とし、自分の鼻を甘えるように桂の鼻先に擦りつける。そして、また慈しむように優しい口付けを桂の顔に降らせていった。
今にも唇が触れてしまいそうな程の距離に亮の熱っぽい吐息を感じて、桂は堪らなく亮とキスしたくなってしまう。
自分から口付けてしまいそうになる衝動を、亮の胸元のシャツをギュッと握り締めながら必至で押し殺す。
桂は甘い亮のキスに心臓が軋むような切なさを感じながら…その甘い毒に侵されていた…。
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