悪役令嬢は俺様王子に溺愛されて困ってます！

50.

その日は雨が降っていた。
エメアリアの体調が徐々に悪化していっている中、
それでもシュバリアはエメアリアを求めると、
エメアリアはそれに喜んで応えていきます。
しかし、シュバリアの激しい行為によって、
体力の限界を迎えた彼女はついに力尽きてしまいました。
それからエメアリアはベッドの上に寝かせられて、静かに息を立てながら眠っており、
シュバリアが慌てて彼女のもとに駆けつけます。
「エメアリア！  エメアリア！」
シュバリアの声を聞いたエメアリアは瞼を開けると、
彼はエメアリアの身体を強く抱き寄せて喜びの表情を見せています。
エメアリアは彼の頭を撫でて落ち着かせるとシュバリアは落ち着きを取り戻した。
エメアリアは彼に謝罪の言葉をかけながら彼に伝える。
「ごめんなさい。もうこれ以上あなたの子供を作れなくなりそう」
シュバリアは首を横に振って彼女の言葉を拒絶する。
彼の目にはうっすらと光るものが見える。
シュバリアはエメアリアに自分がどれだけ悲しかったかを、
どう思っていたかを語りかけ始めた。
エメアリアはそれを聞いて、自分は彼に心配をかけたのだと思ったのか
申し訳なく思うと同時にとても嬉しく感じました。
（本当に愛されているわ。だからこそ彼に悲しい思いをさせてはいけない）
「大丈夫よシュバリア。あなたを残して死んだりしないから」
エメアリアはそう告げるとシュバリアを優しく抱きしめます。
「でも、あなたとの子供をもう産めなくなったのは寂しいかな？」
シュバリアはその言葉に目を大きく見開くと、
再び涙が込み上げてきたようで泣いてしまい、
エメアリアはそんなシュバリアを抱きしめ続けながら彼の頭を撫でていました。
シュバリアが落ち着いてきたのを確認した後に
エメアリアは自分の考えをシュバルツに伝えていきます。
「でも、私はまだ死んではいません」
「どういうことだ？」
「私の命は今あるようで実はないようで」
「つまりどういうこと？」
「要は私が意識を持った状態で生きているのか、それとも死んでしまった状態なのかわからないってこと」
「それなら、何故お前の腹が膨れているんだ？」
「私はシュバリアの子を産むまでは死ねないという意志を持っているから、
私の子宮の中でまだ生きているという可能性があるということになりませんか？」
「確かに理屈ではそうだが、お前のお腹の中に入っているのは
出した精の残りカスみたいなものだろう？」
「そうかもしれないけど、今は信じる事しか出来ないと思うの。
どちらにせよこのまま放っておけば死んでしまう可能性が高いから」
その時の私のお腹は大きくなっていて 中に子供が居ても居なくても流石にもう動くことすら難しい状態です。
もし、私が生き残っているとしたら、それは私のお腹の中の子供だけが
生き残る可能性が僅かにあると言うことです。
しかし仮にそうでなかったとしても私が生きる希望を失えば
私の中の子供の魂は私の生命活動と共に消滅し、二度と目覚めることは無いでしょう。
ですから今から私がする事はただ1つです。
シュバリアにお願いします。
どうかもう一度チャンスをください」
シュバリアは無言だったけれど真剣に私の話を聞いていたようです。
そしてしばらく経ってから口を開きました。