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生還と宴Ⅰ
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「ん……」
俺がそう声を漏らすと――。
「ナリユキ君!」
「ナリユキ様!」
「ナリユキ殿!」
ミクちゃん、ランベリオン、アリシア、ベルゾーグ、アマミヤ、アリス、ノア、ベリト、フィオナ、ミーシャ達。そして、マカロフ卿とメリーザ、青龍さんの声が確認できた。俺がゆっくりと目を開けると、どこかの医務室のようだった。ベッドで横たわっているのは間違いなかった。
同時に、医務室は歓喜の声に満ち溢れていた。ミクちゃんは泣きながら上体を起こした俺の体に飛びつき、ランベリオン、アリシア、アマミヤ、アリス、ノア、ベリト、フィオナに関しては涙を流しながら「本当に良かった」などの感想を漏らしていた。
「ナリユキ殿。体調はどうだ?」
「問題ない。ありがとうランベリオン」
俺がそう告げると皆の表情が一気に明るくなった。
「ったく心配かけさせやがって」
そう声を漏らしたのはマカロフ卿だった。
「本当に良かった――」
青龍さんもそう呟いてくれた。
「みんな心配かけさせて申し訳無い。ありがとう」
「大丈夫だよ。私はナリユキ君さえ無事でいてくれればそれでいいもん」
俺の体にぎゅっと力強く抱きしめてそう声を漏らしたミクちゃん。俺は「本当にごめん」と呟きミクちゃんの頭を優しく撫でた。
「また蘇生使ってくれたのか?」
俺がそう言うとミクちゃんは首を左右に振った。
「今回、ミク嬢の蘇生は発動しなかったんだ」
マカロフ卿がそう呟いた。
「どういう事だ?」
「恐らく、これも黒龍の何らかの妨害スキルがあるのだろう。一度死んだ人間が黄泉の世界から戻ってくるとは聞いていたが――ナリユキ殿は奇跡の人間だな」
「本当だよ……。二人の戦いが落ち着いたと思ったら、ナリユキ君心臓を貫かれていたんだもん」
「流石に驚いた。脳が残っていれば発動する筈の自動再生が発動しておらず、そのまま横たわっていたんだからな。一体何があったんだ?」
青龍さんにそう問われたので、俺は黒龍との戦いで何が起きたのかを説明した。そして、黒龍を瀕死状態に追い込み、喜んでいる時に心臓を貫かれた事も説明した。
「成程」
「壮絶な戦いだったんですね」
「もはや拙者達が手を出せるレベルではないな」
「そうですね。何か援護できればと思いますが、話を聞く限りではナリユキ様邪魔になるだけですし――」
「それに更に強くなった黒龍――。私達が手を出せるレベルを凌駕しているわ」
青龍さん、アリシア、ベルゾーグ、アリス、アマミヤがそう声を漏らした。
「青龍さん。黒龍は今、また休息を取っているようですが、動きはないのですか?」
「そうだが、何故それを知っている?」
「神に会ったんですよ。こことはまた別の世界で」
俺がそう言うと、この場にいた皆はポカンとした表情を浮かべていた。
「どういう事?」
ミクちゃんはそう首を傾げていた。
「創造神ブラフマー。これは俺の創造主のユニークスキルであるベースの神。そして知性の神メーティスにも会った。俺の二つのユニークスキルが、二人の神との出会いを生んだ。お陰で俺はスキルを無力化するスキルを無力化できるパッシブスキル、神理というスキルを入手した」
俺がそう言うと、医務室にいる全員が「おお!」と声を漏らしていた。
「ナリユキ君が、ユニークスキルも使えるようになるなら、勝機はあるね!」
「確かにそうだな。ナリユキ殿はユニークスキルを中心とした戦い方だ。創造主を始め、知性・記憶の略奪と献上、悪魔との機密契約、復讐の時限爆弾を使えるのだからな」
「ナリユキ君は黒龍との戦いのなかで剣技スキルも相当レベルアップしているしね」
ミクちゃんがそう言うとマカロフ卿が――。
「どんどん化物になっていくな……」
そう呟いた。
「ナリユキ様が復活を遂げたのです。盛大に祝いましょう!」
ベリトがそう提案すると、この場にいる全員が賛同していた。
「そうも言ってられないような気がするけどいいのか――?」
「別に構わないだろう。休息をとるのも万全な状態で黒龍を今度こそ討てばいい。ナリユキ殿が黒龍を相当追い詰めていたのは、余とミク殿が確認しているしな」
青龍さんがそう言ってミクちゃんの方を見ると、ミクちゃんは「そうですね」と頷いた。
「あの状態の黒龍であれば、倒せたかもしれないけど、逃げられてしまったの。ごめんねナリユキ君――」
「いや、いいんだ。二人とも無事でよかったよ」
「ミク殿がいなければ我々は確実に負けていた。そうだろう? ナリユキ殿」
「そうだな。Z級二人とS級の上位のミクちゃんを入れて、三人で戦ってやっと互角。何なら、ミクちゃんの祈禱が無ければあそこまで追い詰めることはできなかったよ」
「やっぱりそんなに違うの?」
「違う」
俺と青龍さんが同時にそう言うと、ミクちゃんは「そっか~」と笑みを浮かべていた。
「ナリユキ様。ベリト様のご提案通り、従者達が宴の準備をしてまいります」
「ああ頼んだ」
俺がそうミーシャに告げると、ミーシャは満面の笑みを浮かべて医務室を出て行った。
「なら、我等も手伝うぞ!」
ガハハと笑いを浮かべながら、ベルゾーグとノアを連れて出ていくランベリオン。そして、アリシア、アマミヤ、アリス、ベリト、フィオナ、マカロフ卿、メリーザもこの部屋を後にした。
残っているのはミクちゃんと青龍さんだ。
俺がそう声を漏らすと――。
「ナリユキ君!」
「ナリユキ様!」
「ナリユキ殿!」
ミクちゃん、ランベリオン、アリシア、ベルゾーグ、アマミヤ、アリス、ノア、ベリト、フィオナ、ミーシャ達。そして、マカロフ卿とメリーザ、青龍さんの声が確認できた。俺がゆっくりと目を開けると、どこかの医務室のようだった。ベッドで横たわっているのは間違いなかった。
同時に、医務室は歓喜の声に満ち溢れていた。ミクちゃんは泣きながら上体を起こした俺の体に飛びつき、ランベリオン、アリシア、アマミヤ、アリス、ノア、ベリト、フィオナに関しては涙を流しながら「本当に良かった」などの感想を漏らしていた。
「ナリユキ殿。体調はどうだ?」
「問題ない。ありがとうランベリオン」
俺がそう告げると皆の表情が一気に明るくなった。
「ったく心配かけさせやがって」
そう声を漏らしたのはマカロフ卿だった。
「本当に良かった――」
青龍さんもそう呟いてくれた。
「みんな心配かけさせて申し訳無い。ありがとう」
「大丈夫だよ。私はナリユキ君さえ無事でいてくれればそれでいいもん」
俺の体にぎゅっと力強く抱きしめてそう声を漏らしたミクちゃん。俺は「本当にごめん」と呟きミクちゃんの頭を優しく撫でた。
「また蘇生使ってくれたのか?」
俺がそう言うとミクちゃんは首を左右に振った。
「今回、ミク嬢の蘇生は発動しなかったんだ」
マカロフ卿がそう呟いた。
「どういう事だ?」
「恐らく、これも黒龍の何らかの妨害スキルがあるのだろう。一度死んだ人間が黄泉の世界から戻ってくるとは聞いていたが――ナリユキ殿は奇跡の人間だな」
「本当だよ……。二人の戦いが落ち着いたと思ったら、ナリユキ君心臓を貫かれていたんだもん」
「流石に驚いた。脳が残っていれば発動する筈の自動再生が発動しておらず、そのまま横たわっていたんだからな。一体何があったんだ?」
青龍さんにそう問われたので、俺は黒龍との戦いで何が起きたのかを説明した。そして、黒龍を瀕死状態に追い込み、喜んでいる時に心臓を貫かれた事も説明した。
「成程」
「壮絶な戦いだったんですね」
「もはや拙者達が手を出せるレベルではないな」
「そうですね。何か援護できればと思いますが、話を聞く限りではナリユキ様邪魔になるだけですし――」
「それに更に強くなった黒龍――。私達が手を出せるレベルを凌駕しているわ」
青龍さん、アリシア、ベルゾーグ、アリス、アマミヤがそう声を漏らした。
「青龍さん。黒龍は今、また休息を取っているようですが、動きはないのですか?」
「そうだが、何故それを知っている?」
「神に会ったんですよ。こことはまた別の世界で」
俺がそう言うと、この場にいた皆はポカンとした表情を浮かべていた。
「どういう事?」
ミクちゃんはそう首を傾げていた。
「創造神ブラフマー。これは俺の創造主のユニークスキルであるベースの神。そして知性の神メーティスにも会った。俺の二つのユニークスキルが、二人の神との出会いを生んだ。お陰で俺はスキルを無力化するスキルを無力化できるパッシブスキル、神理というスキルを入手した」
俺がそう言うと、医務室にいる全員が「おお!」と声を漏らしていた。
「ナリユキ君が、ユニークスキルも使えるようになるなら、勝機はあるね!」
「確かにそうだな。ナリユキ殿はユニークスキルを中心とした戦い方だ。創造主を始め、知性・記憶の略奪と献上、悪魔との機密契約、復讐の時限爆弾を使えるのだからな」
「ナリユキ君は黒龍との戦いのなかで剣技スキルも相当レベルアップしているしね」
ミクちゃんがそう言うとマカロフ卿が――。
「どんどん化物になっていくな……」
そう呟いた。
「ナリユキ様が復活を遂げたのです。盛大に祝いましょう!」
ベリトがそう提案すると、この場にいる全員が賛同していた。
「そうも言ってられないような気がするけどいいのか――?」
「別に構わないだろう。休息をとるのも万全な状態で黒龍を今度こそ討てばいい。ナリユキ殿が黒龍を相当追い詰めていたのは、余とミク殿が確認しているしな」
青龍さんがそう言ってミクちゃんの方を見ると、ミクちゃんは「そうですね」と頷いた。
「あの状態の黒龍であれば、倒せたかもしれないけど、逃げられてしまったの。ごめんねナリユキ君――」
「いや、いいんだ。二人とも無事でよかったよ」
「ミク殿がいなければ我々は確実に負けていた。そうだろう? ナリユキ殿」
「そうだな。Z級二人とS級の上位のミクちゃんを入れて、三人で戦ってやっと互角。何なら、ミクちゃんの祈禱が無ければあそこまで追い詰めることはできなかったよ」
「やっぱりそんなに違うの?」
「違う」
俺と青龍さんが同時にそう言うと、ミクちゃんは「そっか~」と笑みを浮かべていた。
「ナリユキ様。ベリト様のご提案通り、従者達が宴の準備をしてまいります」
「ああ頼んだ」
俺がそうミーシャに告げると、ミーシャは満面の笑みを浮かべて医務室を出て行った。
「なら、我等も手伝うぞ!」
ガハハと笑いを浮かべながら、ベルゾーグとノアを連れて出ていくランベリオン。そして、アリシア、アマミヤ、アリス、ベリト、フィオナ、マカロフ卿、メリーザもこの部屋を後にした。
残っているのはミクちゃんと青龍さんだ。
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