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貴族の調査Ⅴ
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「ディアン公爵も同じ特徴でしたよ。だから、奴が死んだと聞いた時はカルカラの国民は皆悲しんでいました。しかし蓋を開けてみれば創世の幹部。それにただの殺人鬼です」
「確か、サイスト・クローバー侯爵を殺害したんですよね?」
「そうです。口封じの為に殺害しました」
俺がそう答えると青龍さんが「ナリユキ殿はアードルハイム帝国の兵士を皆殺しにしたけどな」と痛いところを突いてきた。
「いずれにせよ、スペンサー家が創世に関係している事は間違いないので直接会って情報を聞き出すしかないですね」
「そうですね。平和的に話し合いができるとは思いますが――創世が関係していますからね――」
「正直なところ、マルキージオ卿には危険が伴う可能性があります」
「そうですね。勿論その覚悟です」
マルキージオ卿がそう決意をした表情を浮かべていると、青龍さんが「マルキージオ卿。大丈夫だ。ナリユキ殿とミユキ殿がいれば死ぬことは無い」と青龍さんが隣に座っているマルキージオ卿の肩を叩いた。
「ナリユキ殿も余の転生イヤリングを持っている。仮に連れ去られても直ぐに助けてくれる」
「一国の主に助けられるのですか――少し情けない話ですね」
「マルキージオ卿も戦闘値4,000程あるので、早々負けないと思うのですが、そもそもハドソン・スペンサーさんはどのくらいの戦闘値なんですか?」
「ハドソン・スペンサー殿の戦闘値は3,000ちょっとだった筈です。私のほうが実力は上です」
「成程。あとは殺戮の腕を所有しているかどうかですね」
「青龍様からお伺いしておりますが、その殺戮の腕というのはどんな代物なのでしょうか?」
マルキージオ卿にそう言われた俺は、持参してきた殺戮の腕を取り出してマルキージオ卿に渡した。
「触ってもいいですか?」
「どうぞ」
俺がそう伝えるとマルキージオ卿の目は少年のように輝いていた。実際、格好いいし出来る事たくさんあるからな。
「これで空を飛んだり、MPを吸収したりすることが可能なんですよね?」
「その通りです。また、人によっては義手にしている人もいるみたいですね」
「成程。ありがとうございました」
マルキージオ卿はそう言って俺に殺戮の腕を返却してきた。
「とりあえず、予定した話は以上になりますが、行く前に何か聞いておきたい事とかありますか?」
マルキージオ卿がそう問いかけてきて返答したのはアマミヤだった。
「ここからディルビア王国はどのくらいなのでしょうか?」
「ここからだと3,000km程ですね。如何せんオストロンが広いので」
「成程。でもまあ、あの専用機なら3時間程あれば着くか」
とアマミヤが言うとマルキージオ卿が「3時間で到着できるんですか!?」と驚いていた。
「時速1,000kmですからね。まあぶっちゃけランベリオンの背中や、青龍さんの背中に乗った方が速いですが」
「確かにそれはそうだな」
と、俺達が異次元な会話をしているものだから、マルキージオ卿は「凄い――」と目を丸くして驚いていた。
「大船に乗った気でいるといいよ。マルキージオ卿」
そう言ったのはマルファスだった。しかし、マルキージオ卿はあまり気乗りしない様子。先程も言っていたように、単純に一国の主を守るのではなく、守られる側になっているのが、マルキージオ卿のプライドが許さないのだろう。
「別に恥ずかしい話じゃないから気にしなくていいですよ」
「そうですか――ありがとうございます」
と、少しは納得してくれたようだった。
「他に何か質問はあるか?」
青龍さんが俺にそう問いかけてきた、俺は今のところ疑問に思う事は無いから「いいえ」と答えた。青龍さんアマミヤを見ると、アマミヤも「いいえ」と答えて会議は終了した。
会議が終了した後は青龍さん、マルファス、マルキージオ卿を含めた七大青家との会食が行われた。
オストロンで好きになった料理の一つでお肉にウニ、卵黄、白味噌で作ったジンソースを付けて食した。うちでも真似をしているけど微妙に味が違うからな~。やっぱり本場の方が数段美味しい。
「ナリユキ閣下は自国で困っている事とかないでしょうか?」
そう問いかけてきたのは一角獣の貴族ヴェルテだ。彼女の戦闘値は4,000程。マルキージオ卿と同じくらい――というか七大青家の殆どが4,000前後くらい。一角獣って珍しいから戦闘値が高いとは思っていたけど、スキルを視る限り戦闘タイプではない。少し戦えるくらいだ。むしろ、一角獣なのに、情報収集系のスキルが多いのが不思議でならない。
「そうですね。強いて言えば海外への輸出をもっと増やしたいですね。と、言うのもご存知の通り、マーズベルでは国民に衣食住を無償で与えている国です。それ故に他国の難民の流入なども多いので、建国して間もないですが、人口は100万人を突破しました。建国当初の人口はおよそ2万人とかですからね」
「それは凄い数ですね――」
と、ヴェルテを含めた七大青家全員が驚いていた。
「今はまだ余力はありますが、現状維持ではどうしても財政破綻しますし、国民から多くの税金をとらないといけなくなります。それだけは避けたいので皆様の御力で我が国のワインやコーヒー、農作物、魚、お肉、鉱石、武器などの評判をもっと広めてほしいです」
「成程。東の国への流通をもっと増やしたいという事でしょうか?」
「そうです」
「尽力は勿論させて頂きます。ただ、東の国は閉鎖的な国が多いですからね。どこまで助力できるか――」
と少し不安気な様子だった。
「それは私が得意だからやろう。今回ナリユキ閣下と同行もできるので一石二鳥だ」
と頼もしい発言をしたのはマルキージオ卿だった。
「確か、サイスト・クローバー侯爵を殺害したんですよね?」
「そうです。口封じの為に殺害しました」
俺がそう答えると青龍さんが「ナリユキ殿はアードルハイム帝国の兵士を皆殺しにしたけどな」と痛いところを突いてきた。
「いずれにせよ、スペンサー家が創世に関係している事は間違いないので直接会って情報を聞き出すしかないですね」
「そうですね。平和的に話し合いができるとは思いますが――創世が関係していますからね――」
「正直なところ、マルキージオ卿には危険が伴う可能性があります」
「そうですね。勿論その覚悟です」
マルキージオ卿がそう決意をした表情を浮かべていると、青龍さんが「マルキージオ卿。大丈夫だ。ナリユキ殿とミユキ殿がいれば死ぬことは無い」と青龍さんが隣に座っているマルキージオ卿の肩を叩いた。
「ナリユキ殿も余の転生イヤリングを持っている。仮に連れ去られても直ぐに助けてくれる」
「一国の主に助けられるのですか――少し情けない話ですね」
「マルキージオ卿も戦闘値4,000程あるので、早々負けないと思うのですが、そもそもハドソン・スペンサーさんはどのくらいの戦闘値なんですか?」
「ハドソン・スペンサー殿の戦闘値は3,000ちょっとだった筈です。私のほうが実力は上です」
「成程。あとは殺戮の腕を所有しているかどうかですね」
「青龍様からお伺いしておりますが、その殺戮の腕というのはどんな代物なのでしょうか?」
マルキージオ卿にそう言われた俺は、持参してきた殺戮の腕を取り出してマルキージオ卿に渡した。
「触ってもいいですか?」
「どうぞ」
俺がそう伝えるとマルキージオ卿の目は少年のように輝いていた。実際、格好いいし出来る事たくさんあるからな。
「これで空を飛んだり、MPを吸収したりすることが可能なんですよね?」
「その通りです。また、人によっては義手にしている人もいるみたいですね」
「成程。ありがとうございました」
マルキージオ卿はそう言って俺に殺戮の腕を返却してきた。
「とりあえず、予定した話は以上になりますが、行く前に何か聞いておきたい事とかありますか?」
マルキージオ卿がそう問いかけてきて返答したのはアマミヤだった。
「ここからディルビア王国はどのくらいなのでしょうか?」
「ここからだと3,000km程ですね。如何せんオストロンが広いので」
「成程。でもまあ、あの専用機なら3時間程あれば着くか」
とアマミヤが言うとマルキージオ卿が「3時間で到着できるんですか!?」と驚いていた。
「時速1,000kmですからね。まあぶっちゃけランベリオンの背中や、青龍さんの背中に乗った方が速いですが」
「確かにそれはそうだな」
と、俺達が異次元な会話をしているものだから、マルキージオ卿は「凄い――」と目を丸くして驚いていた。
「大船に乗った気でいるといいよ。マルキージオ卿」
そう言ったのはマルファスだった。しかし、マルキージオ卿はあまり気乗りしない様子。先程も言っていたように、単純に一国の主を守るのではなく、守られる側になっているのが、マルキージオ卿のプライドが許さないのだろう。
「別に恥ずかしい話じゃないから気にしなくていいですよ」
「そうですか――ありがとうございます」
と、少しは納得してくれたようだった。
「他に何か質問はあるか?」
青龍さんが俺にそう問いかけてきた、俺は今のところ疑問に思う事は無いから「いいえ」と答えた。青龍さんアマミヤを見ると、アマミヤも「いいえ」と答えて会議は終了した。
会議が終了した後は青龍さん、マルファス、マルキージオ卿を含めた七大青家との会食が行われた。
オストロンで好きになった料理の一つでお肉にウニ、卵黄、白味噌で作ったジンソースを付けて食した。うちでも真似をしているけど微妙に味が違うからな~。やっぱり本場の方が数段美味しい。
「ナリユキ閣下は自国で困っている事とかないでしょうか?」
そう問いかけてきたのは一角獣の貴族ヴェルテだ。彼女の戦闘値は4,000程。マルキージオ卿と同じくらい――というか七大青家の殆どが4,000前後くらい。一角獣って珍しいから戦闘値が高いとは思っていたけど、スキルを視る限り戦闘タイプではない。少し戦えるくらいだ。むしろ、一角獣なのに、情報収集系のスキルが多いのが不思議でならない。
「そうですね。強いて言えば海外への輸出をもっと増やしたいですね。と、言うのもご存知の通り、マーズベルでは国民に衣食住を無償で与えている国です。それ故に他国の難民の流入なども多いので、建国して間もないですが、人口は100万人を突破しました。建国当初の人口はおよそ2万人とかですからね」
「それは凄い数ですね――」
と、ヴェルテを含めた七大青家全員が驚いていた。
「今はまだ余力はありますが、現状維持ではどうしても財政破綻しますし、国民から多くの税金をとらないといけなくなります。それだけは避けたいので皆様の御力で我が国のワインやコーヒー、農作物、魚、お肉、鉱石、武器などの評判をもっと広めてほしいです」
「成程。東の国への流通をもっと増やしたいという事でしょうか?」
「そうです」
「尽力は勿論させて頂きます。ただ、東の国は閉鎖的な国が多いですからね。どこまで助力できるか――」
と少し不安気な様子だった。
「それは私が得意だからやろう。今回ナリユキ閣下と同行もできるので一石二鳥だ」
と頼もしい発言をしたのはマルキージオ卿だった。
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