お兄ちゃん絶対至上主義☆

藤宮りつか

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第二章 破綻

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「んっ……んんっ……ぁっ……は、ぁっ……」

 自分からキスしてきた癖に色っぽい吐息を漏らす兄ちゃんに、俺は頭の中がパニックである。
 兄ちゃんからされるキスが気持ちいいのももちろんだけど、俺にキスしてくる兄ちゃんがエロ過ぎてヤバい。
 しかも兄ちゃん

「んんっ……んっ……ぁ、んんっ……」

 俺の唇全然離してくんねーじゃん。俺にキスすることに夢中になっているみたいだ。

(何これ。夢?)

 唇が弱いからキスするなって言ったし、弟とこういうことをするのは「ない」って散々言っていたのにさ。兄ちゃんの性欲スイッチが入っちゃうとこうも変わるの? って感じだよな。
 それだけ兄ちゃんの唇が敏感で、キスされることに感じやすいってことなのかもしれないけど、キスだけでこうなっちゃうんだとしたら、キス以上のことをした時の兄ちゃんってどうなるんだろう。
 それこそ、本当に泣いちゃうような状態になっちゃうんじゃないの?

(ってことは、鵜飼先生や遠山先生の前で泣いてるな。多分……)

 今まで兄ちゃんの泣き顔なんて見たことがない俺としては物凄く腹立たしいことだけど、この場合の〈泣く〉は意味が違うと思うから、そこはもう別物みたいなものだ。
 こんなに刺激や快感に弱い兄ちゃんが、これまでどうやって女の人を抱いていたんだろうって思う。
 兄ちゃんも鵜飼先生や遠山先生に抱かれるまでは、自分も攻める側の人間だと思い込んでいただろうから、キスで感じたとしても、それは男としての性欲を刺激されただけだと思っていたんだろうな。
 でもさぁ、こんな兄ちゃんを見ちゃったら、俺はもう兄ちゃんが抱かれる側の人間にしか見えねぇよ。
 何が

『俺は弟なんか抱けねぇぞ』

 だ。そんなの最初から無理に決まってんじゃん。たとえ兄ちゃんにその気があったとしても、俺が兄ちゃんをめちゃくちゃに抱き尽くしてやるわ。

「ぁ、んんっ……真弥っ……真弥ぁ……っ」
「キス気持ちいいの? 兄ちゃん」
「ん……気持ちい……んんっ……」

 ぐぅ……可愛い……可愛過ぎる。何? この普段とのギャップ。いつもは口が悪いし、男らしさ全開って感じなのにさ。キスするとこんなに可愛くなっちゃうなんて嘘だろ。そりゃ鵜飼先生や遠山先生も兄ちゃんにご執心になっちゃうよ。

「兄ちゃん……可愛い……」

 兄ちゃんの舌の動きを真似しながら、俺からも兄ちゃんの舌に自分の舌を絡ませてみると

「んぁっ……ぁ……んん……んっ……」

 兄ちゃんの声はより一層甘くなって、ただでさえうっとりとしていた表情がもっと蕩けていった。
 すげー感じてるってことなんだろうな。初めてのキスでここまで兄ちゃんが感じてくれたら、俺もちょっと自信が持てそう。
 まあ、兄ちゃんのご指導あっての賜物って感じではあるんだけれど。

「ぁ……ん……真弥……ダメ……だぁ……」
「ん? 何がダメなの?」
「も……ダメ……キス……ダメぇ……」
「兄ちゃんがしてるんだよ? 今更何言ってんだよ」

 確かに、最初にキスをしたのは俺だけど、俺のガキっぽいキスじゃ物足りなくて、本格的なキスをしてきたのは兄ちゃんの方だ。
 それなのに、今更「ダメ」なんて兄ちゃんが言い出したのは、俺とするキスに感じた兄ちゃんの身体に変化が現れ始めたからなんだと思う。
 ぶっちゃけ、俺はもう最初からナニが勃っちゃってるんだけど、兄ちゃんは俺と舌を絡ませるキスが長くなっていくことで、ちょっとずつアソコの形が変わってきたみたいだ。
 兄ちゃんの足攻撃を避けるため、兄ちゃんの両脚の間に身体を割り込ませている俺は、兄ちゃんのナニが俺の腹あたりに密着する形になっているから、兄ちゃんの変化にもすぐに気が付いた。

「ダメ……ぁ……んんっ……真弥ぁ……」
「ダメって言いながら、俺の唇を離してくれないのは兄ちゃんだよ?」
「違っ……違う、からぁ……ぁ、んんっ……」

 気持ち良くなって頭が馬鹿になっているのかも。「ダメ」と言う兄ちゃんは、今自分がどういう状態なのかまるでわかっていない。
 兄ちゃんの代わりに俺が説明すると、兄ちゃんは「ダメ」と言いながら、自分から俺にキスをしている状態だ。
 これで「ダメ」って言われてもなぁ……。俺にどうしろっていうんだよ。

「兄ちゃんはキスでいっぱい感じちゃうんだね。可愛い。いいじゃん。もっといっぱいキスしよ? 俺、可愛い兄ちゃんもっと見たい」
「可愛いって……言うなぁ……」

 兄ちゃんが俺にエッチなキスをいっぱいしてくれるおかげで、俺もやり方が段々わかってきた。
 だから、兄ちゃんがしてくれるキスと同じようなキスを兄ちゃんに返しながら、俺の手は兄ちゃんの服を少しずつ脱がせ始めた。
 シャツのボタンを外し、ズボンを寛げ、下着と一緒に兄ちゃんのズボンをゆっくり引き下ろすと、今まで服に隠れていた兄ちゃんを全部見ることができた。

「ゃ、あっ……服……脱がすなぁ……」
「もう遅いよ」

 まだ上も下も中途半端に脱がせただけだけど、兄ちゃんのエッチなおっぱいも、綺麗なお尻もナニも全部丸見えだった。
 改めて見ると本当にエッチなおっぱいだし、腰は細くて、そそられるお尻をしている。勃ち上がった兄ちゃんも物凄くいやらしい。

「このまま全部脱がしちゃってもいいよね?」
「やだぁっ……ダメっ……見んなぁ……」
「ダメ。俺、兄ちゃんの全部が見たい」

 ちょっと前は

『久し振りに一緒に風呂でも入るかぁ?』

 なんて俺を誘ってきたし、その時は

『真弥が見たいって言うなら、兄ちゃんの裸見せてやってもいいぜ?』

 とも言っていたのに。風呂以外で俺に裸を見られるのは恥ずかしいらしい。

「ぁっ……ちょっ……真弥っ……」

 でも、もう俺に裸を見られたも同然だし、今の俺には兄ちゃんの身体を隠す服が邪魔で仕方ないから、抵抗力のない兄ちゃんの服をあっという間に脱がせてしまうと、裸にした兄ちゃんの上に覆い被さり、またキスの雨を降らせてやった。
 今度は最初から舌を絡ませる濃厚なキスを。

「んんっ……ぁんっ……ぁ……はぁっ、んんっ……」

 最初は裸にされたことを嫌がって、ちょっとは抵抗する素振りを見せた兄ちゃんだけど、再びキスの応酬が始まると、裸にされたことにも感じているみたいだった。
 こんなに感じやすくて大丈夫なんだろうか。
 感じやすくてエッチな兄ちゃんはめちゃくちゃ可愛いんだけど、こんな簡単に気持ち良くなっちゃう兄ちゃんを見ていると、俺は色々と不安になってきちゃうよな。

「んんっ……俺だけ……や、だぁ……真弥も脱げよぉ……」
「え。いいの? 俺まで脱いじゃったら、マジでキスだけじゃ済まないよ?」

 まあ、元々キスだけで終わらせるつもりなんてないけどな。そんな段階はとっくに過ぎちゃってるし。

「ぃ、いっ……俺だけ素っ裸なの馬鹿みてぇ……だからぁ……」
「わかったよ」

 何か今、物凄くナチュラルにキス以上のこともしていいって認めたよな?
 もちろん、兄ちゃんがオッケーしてくれたのならこっちもそうさせてもらうけど、ほんと、こんなに流されやすくて大丈夫?
 っていうか、兄ちゃんの男性経験って本当にあの二人だけなんだろうか。俺、そこがちょっと信じられなくなってきたんだけど。

「兄ちゃんさぁ、男の経験は鵜飼先生と遠山先生だけ? 他にいない?」

 気になるから聞いてみた。
 兄ちゃんからの答えは

「いねぇ……あいつらだけ……あと……お前……」

 だった。
 ここで俺も数に入れてくれているってことは、もうシてもいいってことでいいんだよな?
 もっとも、こんなにキスだけで気持ち良くなっちゃって、ナニも反応しちゃった兄ちゃんは、もう後に引けない状況なんだろうけど。
 俺も今更後には引けないから好都合だ。

「あ……」

 俺が制服を脱ぎ捨て、裸になって兄ちゃんを抱き締めると、俺と素肌が触れ合った兄ちゃんは切なそうな声を上げた。
 もしかして、裸で触れ合うことにも感じちゃうのかな? 確かに気持ちいいもんな。こうして裸になって兄ちゃんを抱き締めるのって。

「兄ちゃんの肌ってすべすべだね。気持ちいい」
「……そういう感想はいい……」
「何で? こういう会話って大事なんじゃないの?」
「そ……そりゃ相手が女の時だろ。男同士の……ましてや兄弟でそんな会話されたら恥ずかしいんだよ」
「えー……」

 最早男同士だとか、兄弟云々がどうのこうのと言われましても……って感じだけど、兄ちゃんの中でそこはどうしても譲れないらしい。
 まあ、気持ちはわからなくもないけどね。でも、その弟の前でこんなにエッチな姿を晒し放題な兄ちゃんは、言葉と身体が裏腹って感じで、それがまた堪らなく可愛いよな。
 だけど、俺は兄ちゃんのことが大好きだから、兄ちゃんに恥ずかしがられようとも、こういう時の会話は大事にしたいと思う。
 可愛くてエッチな兄ちゃんをいっぱい褒めてあげたくなるし、俺が兄ちゃんのことをどれくらい好きなのかも伝えたい。伝えたいっていうか、伝えたくなっちゃうんだよな。


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