お兄ちゃん絶対至上主義☆

藤宮りつか

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第二章 破綻

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「んっ、あ……はっ……ぁあっ……!」
「っ……!」

 兄ちゃんの中は信じられないくらい熱くて、とろとろで……それでいて物凄く気持ち良かった。
 ちょっとでも気を抜くとあっという間に達してしまいそうな快感に、俺は頭の中が真っ白になりそうだった。

「真っ……弥ぁ……ぁんっ、ン……」
「兄ちゃんっ……」

 さっきまで男前モード全開だった兄ちゃんも、さすがに挿入時には余裕がないのか、兄ちゃんの中にゆっくりと挿入はいっていく俺に息を詰まらせていた。

「真弥っ……ぁんんっ……ん……真弥ぁ……」
「兄ちゃん……大丈夫? 痛くない?」
「平気……だ、けどぉ……ぁあっ! んんっ……っ!」

 平気だ、とは言っているけれど、兄ちゃんの顔はかなり辛そうで、俺は一瞬

(抜いた方がいい?)

 と迷ってしまった。
 だけど

「平気……だからぁ……そのままもっと奥まで……奥まで来いっ……」

 兄ちゃんはそんな俺の迷いを察したのか、腰を引きそうになる俺にギュッと抱き付いてきた。
 そして

挿入はいってくる時の感覚が気持ちいんだ……意識がぶっ飛びそうになんの……」

 俺の耳元でそう囁いてくるから、兄ちゃんの色っぽい声に俺はイきそうになった。
 ほんと、どこまで淫乱なんだよ、俺の兄ちゃんは。
 こんな淫乱で可愛い兄ちゃんを、俺以外の人間が知っているとかマジで殺意しか湧かない。
 やっぱ俺、兄ちゃんにはあの二人との関係を今すぐやめて欲しい。俺とセックスしちゃったんなら、これからはもう俺だけとセックスして欲しいって思う。
 俺じゃまだまだ兄ちゃんを満足させてあげられるようなセックスはできないかもしれないけど、そこは努力でどうにかするから。ちゃんと兄ちゃんを満足させられるセックスができるようになってみせるから。だから、兄ちゃんは俺だけで満足して欲しいって思う。
 兄ちゃんには俺だけを見て欲しい。

「んンっ! 真弥ぁ……真、弥ぁ……」
「っ……も、ちょっと……もうちょっとで全部挿入はいる……からっ……」
「はっ、ン……んんっ……んぁあっ……」

 兄ちゃんの中、熱くて蕩けそうなのに、俺をどうしようもなく締め付けてきてマジ気持ちいい。これが初めてのセックスになる俺には、他の人間の中がどうなのかは知らないけれど、兄ちゃんの中がこんなに気持ちいいんだと知ったら、兄ちゃん以外の人間の具合なんてどうでもいいし、知りたいとも思わない。

「兄ちゃんの中……すっげー気持ちい……」
「んっ……そりゃ良かったなぁ……兄ちゃんも気持ちい……真弥のが中で擦れて……んんっ……すっげー気持ちいっ……」

 時間を掛けてゆっくり兄ちゃんの中を突き進んで行く俺は、時々兄ちゃんの唇にキスを落としながら、兄ちゃんと二言三言会話を交わした。
 兄ちゃんは言葉なんて必要ないって言ったけど、やっぱこういう会話があった方が、お互いに愛情みたいなものを感じられていいよな。
 それによって気持ちも盛り上がるっていうか、身も心も満たされる感じがするから幸せだし。

「んっ、ぁ……真弥っ……奥ぅ……」
「ぅ、んっ……全部挿入はいったよ、兄ちゃんっ……」
「ははっ……ほんと、兄弟で何やってんだろうなぁ、俺達……」

 俺は兄ちゃんと一つになれて物凄く嬉しいし、泣きたいくらいに幸せだと思っているけれど、兄ちゃんの方はそういうわけでもないみたいだった。
 まあ、兄ちゃんはその場の雰囲気に流されたっていうか、俺にキスされてこうなっちゃってるわけだから、本来俺とこうなるのは不本意だったんだろうな。
 でも、自分からも俺を求めたという自覚はあるみたいだから、俺の我儘には最後まで付き合ってくれるらしい。

「動いていいぞ、真弥。兄ちゃんのこと、いっぱい気持ち良くしてくれんだろ?」

 与一は兄ちゃんのことを怖いと言う。確かに、怒った時の兄ちゃんは俺も怖いと思う。
 でも、兄ちゃんは優しい。いつだって俺に優しいんだ。俺を怒るのも、俺を突き放そうとした時だって、兄ちゃんはそれが俺のためだと思ってくれている。
 常に俺のためを思い、俺の幸せを願っているからこそ、兄ちゃんは俺を怒るし、俺に冷たい態度を取ったりするんだ。
 多分、兄ちゃんは俺の本当の気持ちにも薄々気付いていたんだと思う。いくら兄ちゃんが人の感情に鈍いといっても、一緒に住んでいる俺の気持ちに全く気付かないとは思えないもん。
 だから、俺を突き放そうとした。俺に冷たい態度を取って、俺の気持ちが兄ちゃんから離れるように仕向けたんだ。
 だけど、その目論見は失敗に終わり、兄ちゃんは俺を受け入れてしまった。
 そのことに後悔がないわけじゃないんだろうけど、俺の気持ちを知ったうえで俺を受け入れた兄ちゃんは、きっともう俺を拒めないんじゃないか――って、そんな気がする。

「うん。俺、兄ちゃんのこといっぱい気持ち良くしてあげたい。だって俺、兄ちゃんのことが大好きだから」

 兄ちゃんの太腿を抱え直し、それまでよりも兄ちゃんとの距離をグッと縮めた俺は、ゆっくりと兄ちゃんから出て行く寸前まで引いた腰で、今度は兄ちゃんの奥を優しく突き上げてみた。

「あぁっ、ンッ! ぁ……真弥っ……」
「兄ちゃんっ……」

 たった一回腰を送っただけで、気を失いそうなほどの快感に襲われた。
 兄ちゃんをいっぱい気持ち良くしてあげたいけど、この快感は童貞の俺にとっては強過ぎて、あっという間に果ててしまいそうな気がする。
 でも、そう簡単にイくわけにはいかない。童貞だろうが何だろうが、自分の好きな相手を気持ち良くしてあげられないセックスなんかしたら、格好悪過ぎて立ち直れないもん。

「っ……」

 だから、襲ってくる快感に必死で耐え、二回、三回と兄ちゃんに腰を打ち付け、兄ちゃんの奥を突き上げてあげた。

「んんっ……ぁっ、あ……んんっ……真弥っ……もっと奥っ……奥がいっ……」
「もっと奥? 奥って……このへんっ?」
「ぁんんっ! あ、んっ……ソコぉっ……ソコがいっ……」
「ココがいいんだ……兄ちゃんのいいトコ、ちゃんと覚える……ねっ……」
「んっ……はぁっ、ン……んんっ……真弥ぁ……」

 うわぁ……。今更だけど、俺と兄ちゃんって本当にセックスしてるんだ。
 ちょっと実感が湧かないと言えば湧かない気もするけど、俺に襲い掛かってくる刺激と快感の波は本物だし

「んぁあっ! ンっ……真弥っ……真弥ぁ……」

 涙目になるほど感じながら、俺の名前を呼んでくれる兄ちゃんも本物だ。
 兄ちゃんの中の気持ち良さにも少しずつ慣れてきて、気持ちにちょっと余裕が出てきた俺は、抱えていた兄ちゃんの太腿を自分の肩に乗っけると、兄ちゃんとの距離を更に縮めた。

「んんっ! ぁっ……ぁんっ……深っ……んんっ……!」

 持ち上げられる脚の高さが変わったことで、腰がソファーから浮いた兄ちゃんは、兄ちゃんを突き上げる俺がもっと奥まで挿入はいってくるらしく、それが気持ちいいみたいだった。
 両手が空いたことで、兄ちゃんの細い腰を掴みながら、兄ちゃんを突き上げられるようになった俺は、兄ちゃんに教えてもらった兄ちゃんのいいトコロを擦りながら、兄ちゃんの奥深くを何度も何度も突き上げた。
 肌がぶつかり合う音と濡れた音がリビング中に響いて、リビングが物凄くエッチな空間と化しているような気がしたけれど、どうせこの家にいるのは俺と兄ちゃんの二人だけだ。
 だから、誰も目も気にすることなく、俺は兄ちゃんとのセックスに没頭することができる。

「ふぁっ、ン……真弥っ……気持ちいっ……真弥ぁ……」
「うんっ……気持ちいーね、兄ちゃん……」
「真弥っ……キス……キスしろぉ……」
「んっ……いっぱいシてあげる……」

 自分が兄ちゃんの求めるもの全てを与えられているのかどうかはわからなかったけれど、俺に突き上げられる兄ちゃんは凄く気持ち良さそうだし、俺も死ぬほど気持ちいい。お互いが気持ち良くなれているのであれば、それでいいんじゃないかって思う。
 個人的には反省点もあるっちゃあるんだけどな。
 でも、それはそれでいい思い出になったっていうか、そのおかげで淫乱な兄ちゃんをいっぱい見ることができたから良かったんじゃないかと思う。

「んっ……んっ……真弥ぁ……兄ちゃ……も、イきそ……」
「っ……俺もだよ、兄ちゃんっ……一緒にイこ……」

 最初はどうなることかと不安だった俺の初体験も、兄ちゃんのおかげで無事事なきを得た。
 後はお互いに高みへと昇り詰めて行くだけの俺と兄ちゃんは、多分今、同じ気持ちなんじゃないかって気がする。

「兄ちゃんっ……大好きだよ、兄ちゃん……」
「俺、もっ……真弥のこと、大好きだぁ……」

 俺の言う〈大好き〉と、兄ちゃんの言う〈大好き〉が全く同じものだとは思わないけれど、〈大好き〉って気持ちは一緒だから嬉しい。今はそれでいいって思える。

 高二の春。十六年間兄ちゃんの可愛い弟だった俺は、兄ちゃんで童貞を卒業した。


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