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第四章 秘密
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しおりを挟む身体は正直というか、相変わらず感じやすくてエッチな身体というか……。
とにかく、セックスしている時の兄ちゃんほどわかりやすいものはないって感じだ。
そんな反応をされちゃうと、「ああ、気持ちいいんだ」って一目でわかっちゃうもん。
「ココ触られるの気持ちいいね。ね? 兄ちゃん」
「んっ……んんっ……気持ちい……ぁんっ……」
まあ、兄ちゃんは口でもちゃんと言ってくれるけどね。「気持ちいい」って。素直な兄ちゃんってほんと可愛い。
先端を優しく撫でているだけでも兄ちゃんは充分に気持ち良さそうだったけど、俺もただ気持ち良くなっている兄ちゃんを見ているだけじゃ満足できない。どうせ気持ち良くしてあげるなら、俺も兄ちゃんと一緒に気持ち良くなりたいと思う。
元々セックスは二人でするものだし。二人で一緒に気持ち良くならないと意味がないもんな。
兄ちゃんの先端から零れる蜜で充分に指を濡らした俺が、勃ち上がったナニの下でヒクついている兄ちゃんの入り口に指をあてがうと、兄ちゃんの入り口は一瞬キュッと窄まったけれど、窄まった入り口を押し開くようにして指を中に埋めていくと、そこから蕾が花開くように、ゆっくりと兄ちゃんの身体が内側から開いていくような感覚が指を伝ってきた。
「んんっ……真っ、弥ぁ……」
俺とセックスをするようになる前から、兄ちゃんは鵜飼先生や遠山先生と身体だけの関係を一年以上も続けている。
そのせいで、兄ちゃんの身体は完全に受け入れる側の身体へと変化してしまい、時間を掛ける必要もなく、すんなり男の一物を取り込む準備ができる身体になっているんだと思う。
多分、俺が今すぐ兄ちゃんの中にナニを突っ込んだとしても、兄ちゃんの身体はすんなり俺を受け入れてしまうだろう。
でも、それだと何か愛が足りないって感じがするよな。
兄ちゃんにとって、俺とするセックスはただの欲求不満の解消だったり、単なる性欲処理の一つだったとしても、俺にとっては好きな人とする大事なセックスだ。ちゃんと時間を掛けてあげたいと思うし、セックスを通じて俺の気持ちが全部兄ちゃんに伝わればいいと思っている。
だから、お互いに素直な気持ちを全部曝け出して、自分が何をどう感じるのかも正直に伝え合うことが大事だと思っているんだけど
「ゃっ、ん……音っ……音立てんなよぉ……」
俺が濡れた指でわざと音を立てて兄ちゃんの中を掻き回すと、その音が恥ずかしいのか、兄ちゃんは顔を両手で覆い、俺から顔を隠してしまった。
セックス大好きな淫乱の癖に、時々こういう恥じらいを見せてくる兄ちゃんって何なんだろう。そんなタマじゃないとわかっていてもキュンとしちゃうし、余計ムラムラしちゃうじゃん。
これ、わざとやっているんだとしたら相当あざといと思う。
「今更何恥ずかしがってんの? 兄ちゃんは音立てられた方が感じる癖に」
兄ちゃんが俺から顔を隠したいっていうなら、しばらくは兄ちゃんの好きにさせてあげるけど、顔を隠すということは、つまり視界も遮るということだ。
自分から視界を遮ってしまう兄ちゃんの耳元にそっと唇を寄せた俺が、できる限り大人っぽい声でそう囁くと、兄ちゃんの中がビクビクっと震えて、俺の指をきゅうぅっと締め付けてきた。
「あれ? 兄ちゃん俺の声に感じた? 感じたよね? だって今、兄ちゃんの中きゅうぅってなったもん」
「ぅ……うるせ……別に感じてなんか……ぁんんっ! だっ……だからぁ……音立てんなって……言ってんのにぃ……」
身体は物凄く素直なのに、口では時々素直じゃないことを言う兄ちゃんを知っている俺は、兄ちゃんからの反論も想定済みだった。
だから、兄ちゃんが反論を言い終わるよりも先に、ぐちゅんって音を立てて兄ちゃんのいいトコロを指で突き上げた俺に、兄ちゃんは声と身体を震わせながら文句を言ってきた。
兄ちゃん的には俺に言うことを聞かせたいところなんだろうけど、可愛い兄ちゃんを目の前にして、俺も譲れる時と譲れない時がある。
特に、兄ちゃんが本当に嫌がっているわけじゃない時は、兄ちゃんの言うことをほとんど聞かない俺だったりする。
言うことを聞かないどころか
「どうして? 音立てた方がエッチなことしてるって雰囲気出て盛り上がらない? そもそも、兄ちゃんがいっぱい濡らしちゃうから、音だって自然に出ちゃうんだよ?」
音が立つのは兄ちゃんのせいだと指摘すると、兄ちゃんは悔しそうにキュッと唇を結び
「だって……気持ちいーんだもん……しょうがねーじゃん……」
俺の指を濡らすほどに蜜を零してしまうのは仕方がないことだと認め、ちょっと拗ねた顔だった。
そんな兄ちゃんを見て、俺が
(クソ可愛いなっ! ブチ犯すっ!)
と思ったのは当然である。
もう何なの? どうして俺の兄ちゃんってこんなに可愛いの? それも、セックスしている時は特に。
これで俺より八つも年上だなんて信じられないよ。兄ちゃんの精神年齢って本当はいくつぐらいなのかな? 普段はちょっと無理して大人ぶってんじゃないの? って疑いたくなっちゃう。
「そうだねぇ。中くちゅくちゅされるの気持ちいいねぇ。兄ちゃんはお尻で気持ち良くなるの大好きだもんねぇ」
兄ちゃんがあまりにも可愛いせいで、俺の口調が若干気持ち悪くなってしまっている。
小さい子供に話し掛けているかのような猫撫で声を出す俺に、兄ちゃんはムッとした顔になると
「その喋り方は何だ。やめろ。ガキ扱いされてるみてぇでムカつく」
物凄くナチュラルに俺の口調を嫌がった。
やっぱ自分の方が年上で、兄ちゃんという立場にいると、俺に子供扱いされることが許せないんだろうな。
でも、こういう時くらいは立場が逆転してもいいんじゃないかって思う。兄ちゃんはあまり自覚がないみたいだけど、セックスしてる最中は結構俺に甘えてくると思うし。
だけど、それを指摘したところで兄ちゃんは素直に認めないだろうな。完全にスイッチが入り、理性が飛んでしまった兄ちゃんは自分がどうなっているのかを全く把握できていないんだもん。
まあ、それならそれでいいっちゃいいけど。下手に指摘なんかして、兄ちゃんがそこを意識するようになっても困るし。セックスしてる最中は無自覚のまま、俺にいっぱい甘える兄ちゃんでいいと思う。
「全くもう……兄ちゃんはちょっとしたことですぐ文句言うんだから」
とはいえ、俺も文句を言われっぱなしなのは面白くないから、ちょっとくらいは言い返すことだってある。
もちろん、ベッドの上での他愛のない言い合いが、本格的な兄弟喧嘩にまで発展することはない。
だって、そうなる前に
「文句が多いのはお前も一緒だろ。むしろ、日常的な文句なら俺よりお前の方が多いって気がするし」
「そうかなぁ……」
「そうだろが」
そんな話は後にしろ、と言わんばかりに、兄ちゃんが俺の唇を塞いでくることもあるから、会話そのものが長続きしないんだよね。
キスをするのが兄ちゃんからじゃなくて俺からって時もある。今日は兄ちゃんからだったけれど、俺が兄ちゃんの唇を強引に塞いで、ベッドの上での些細な言い合いを終了させてしまうこともある。
途中で機嫌を損ねようが、どうでもいい言い合いを始めようが、結局ヤることは一緒だから。お互いに〈気に入らないことがあればまた後で〉って思っているんだろうな。
つまり、俺と兄ちゃんの中で最優先するべきは一時的な感情ではなく、セックスをすることなのである。その点では、俺と兄ちゃんの考えは一致しているわけだ。
「んっ……んんっ……真弥っ……」
「っ……兄ちゃん……」
兄ちゃんからのキスはいつも積極的で情熱的だ。
キスに弱い兄ちゃんは、同時にキスが大好きでもあるから、兄ちゃんからしてくるキスはいつも濃厚で、剥き出しの欲望をぶつけられているみたいな気分になる。
舌使いも俺とは比べ物にならないくらい巧みだし、本当に唇が溶けちゃうような気持ちいいキスをいっぱいしてくれる。
「兄ちゃん……」
兄ちゃんにキスをされている間も、兄ちゃんの中を優しく掻き回していた俺は、兄ちゃんのキスに煽られて
(もう挿れたい……)
という気持ちが抑えられなくなってきた。
多分、兄ちゃんもそれを狙っていたんじゃないかって気がするけれど、性欲に対する辛抱強さがまだまだ足りない俺は、兄ちゃんの中に埋めていた指を引き抜くと、熱く昂ぶっている自分を兄ちゃんの入り口に押し付けた。
「も……挿れてい?」
本当はもう少し前戯に時間を掛けて、兄ちゃんをとろとろにしてから挿れたかったんだけどな。兄ちゃんが俺を煽るようなキスをいっぱいしてくるから、俺もそこまで我慢ができなかった。
兄ちゃんも俺にそういうキスをしてくるってことは、「早く挿れて欲しい」って思っているはずだから、一応確認は取ってみるものの、ここでお預けを食らうつもりはない俺だった。
俺をその気にさせたのは兄ちゃんだから、兄ちゃんも「ダメ」とは言わないって確信があったし。
「ん……」
案の定、兄ちゃんは「ダメ」とは言わなかった。むしろ自ら脚を開き、「挿れて」と言わんばかりの姿勢である。
兄ちゃんが恥じらう時と、そうじゃない時の違いって何だろう。本当にわけがわからなかったりするんだけど、恥じらう兄ちゃんも積極的な兄ちゃんも両方可愛いって思うから、俺の中ではたいした問題ではなかった。
せっかく兄ちゃんが自分で開いてくれた脚を抱えると、お尻の奥で俺を誘っているみたいにヒクついている兄ちゃんの入り口に、硬くなった自分をゆっくり埋めていった。
「ぁあっ、ンっ……! ぁっ……んんっ……んぅっ……」
俺を受け入れる時、兄ちゃんはいつも泣きそうな顔になって、一際甲高い声を上げる。
最初は兄ちゃんが痛がっているんじゃないかと心配になって、思わず腰を引いてしまいそうになった俺だけど、兄ちゃんに「挿入ってくる時の感覚が、意識ぶっ飛びそうになるくらい気持ちいい」って教えてもらったから、今ではその表情が堪らなく可愛いと思うようになった。
だって、俺と一つになる瞬間を堪らなく気持ちいいと思っているわけでしょ? めちゃくちゃ可愛いし、死ぬほど愛しいと思うじゃん。
「真弥っ……ぁんっ……真弥ぁ……」
「俺っ……この瞬間が凄く好きだよっ……兄ちゃんと一つになるこの瞬間……。凄く好きだし、めちゃくちゃ気持ちいい……」
「ぉ……俺も好きぃ……真弥が俺の中に挿入ってくんの……めちゃくちゃ気持ち良くて好きぃ……」
俺と一つになる感覚が堪らなく好きな兄ちゃんは、俺にぎゅうぅっと抱き付いてきて、身体中に駆け巡る快感に酔いしれているみたいだった。
何かさぁ……こうしていると相思相愛のラブラブカップルって感じなのに、何で付き合ってないの? って思っちゃうよね。
もう付き合ってるでいいじゃん。何だかんだと毎週セックスしてる仲なんだから、おとなしく俺のものになっちゃえばいいじゃん。ダメなの?
男同士のセックスでこんなに気持ち良くなっちゃう兄ちゃんは、もう女なんて抱けないと思うのに。〈セックスはするけど男と付き合うつもりはない〉ってスタンスの兄ちゃんって、ちょっとわからないよね。
「真弥ぁ……奥っ……奥、凄い気持ちい……」
「ん……俺も兄ちゃんの中、めちゃくちゃ気持ちいいよ。今日はゆっくりシたいから、一緒にいっぱい気持ち良くなろうね」
「んんっ……なるぅっ……兄ちゃん、真弥といっぱい気持ち良くなるぅ……」
俺に優しく身体を揺すられるように、ゆっくり突き上げられる兄ちゃんは、イけないけどずっと気持ちいいのが続くことがもどかしいのか、時々腰を振って俺に催促するような素振りを見せてくるけれど、俺が相変わらずゆっくり腰を送っていると
「ぁあんっ……もっ……ゆっくりばっか……やだぁ……」
ついに言葉に出して俺に催促してきたから、俺もあんまり意地悪しないことにした。
夜はまだまだ長いしね。
兄ちゃんの腰を掴み、ズンッと深いところまで突き上げてあげると
「んぁあっ! ぁっ……んんっ……」
兄ちゃんの身体が大きく撓って、中がビクビクッと震えた。
「今の気持ち良かった? もっとシて欲しい?」
聞くまでもない質問を浴びせてみると、兄ちゃんはうっとりとした涙目で俺を見てきて
「んんっ……もっとがいい……」
少しはにかんだ笑顔を浮かべてそう答えた。
可愛いけど色っぽくもある兄ちゃんの表情に、俺は全身で兄ちゃんのことを「可愛いっ!」と思ってしまった。
兄ちゃんってほんと俺を煽るのが上手いよね。こういうの、一体どこで覚えてくんの?
「兄ちゃんは俺を煽るのが上手いね。俺を煽ることに関しては天才かも」
兄ちゃんのこの才能――おそらく、鵜飼先生や遠山先生によって開花させられた才能ではあるんだろう――は、いつだって俺を翻弄してくるし、俺を堪らなく兄ちゃんに夢中にさせてくる。
本当は俺の前だけで見せて欲しい姿だけど、今はそういうわけにもいかないんだろうなぁ……。
兄ちゃんが潔く俺だけのものになってくれれば、俺を煽ってくる兄ちゃんを見て、俺はもっと悦に浸れるのにな。
「ほんと……いい加減俺だけのものになってくれればいいのに……」
兄ちゃんと深く繋がったまま、思わずそんな本音を漏らしてしまう俺に
「んっ……ぁんんっ……」
兄ちゃんは感じることに夢中な振りをして、俺の言葉をスルーした。
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