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第六章 混戦
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しおりを挟む確かに、気になるといえば気になるところだとは思う。
実際、俺と兄ちゃんが兄弟にあるまじき行為を何度となく繰り返しているのは事実でも、普通の人間ならそんな話を素直に信じられない気持ちがあるんじゃないかと思う。
実は鵜飼先生も俺と兄ちゃんの関係を密かに疑っているのかも。
俺や兄ちゃんの中じゃ〈そんなことで嘘なんか吐くかよ〉って感じでも、鵜飼先生からしてみれば、自分との関係を終わらせるための手段に思えてしまうのかもしれない。
だから、実際に自分の目で見て確かめたいって思ったんじゃないかな。こっちはそんなことのために、鵜飼先生の前で兄ちゃんとセックスするつもりなんてないっていうのに。
「なあ、真実ちゃん。真実ちゃんって普段真弥とどんなセックスしてんの?」
「どんなって……言われてもぉ……」
ヤバい。このままだと兄ちゃんが鵜飼先生の思う壺になってしまいそうだ。そんな気配をひしひしと感じる。
兄ちゃんが二人とどんなセックスをしているのかはもう見ちゃったけれど、俺は兄ちゃんとどんなセックスをしているのかなんて二人に絶対見せたくない。
この状況に耐え続けるのも苦痛でしかないけれど、だからって流れに身を任せるつもりもないんだからな。
(どうしたものか……)
そう思っていると
「おい、鵜飼。こっちはお前に先を譲ってやっているんだぞ。そこに弟が割り込んでくるなんて冗談じゃない。大体、お前もいつまでそうやって神崎を独占しているつもりだ。さっさと出すもの出して俺と代われ」
人が増えるほど空気になりがちな遠山先生が、不満全開な顔でそう言ってきた。
言い方や、言っている内容そのものは色々と気に入らないが、兄ちゃんを良くない方向へ誘導しようとする鵜飼先生に口を出してくれたことはありがたいと思った。
そうじゃなきゃ、兄ちゃんが鵜飼先生に上手いこと言い包められて、俺を巻き込んでいたに違いないって思うから。
「さっさと出すもの出して俺と代われってなぁ……。せっかく真実ちゃんとセックスしてるんだから、もうちょっと真実ちゃんを堪能させてくれても良くない?」
「もう充分堪能しただろ。こっちはずっと待ちぼうけを食らっているんだぞ。早くしろ」
「そう急かすなって。せっかちな奴だな」
俺が現れたことで、兄ちゃんとの貴重な時間を邪魔されたことについて、鵜飼先生はこれといった不満を感じていないようだけど、遠山先生の方はそうじゃないって感じ。
元々鵜飼先生に先を越されたことも不満があったんだろうが、そのうえ更に俺までってなったら、遠山先生的には非常に面白くないんだろう。
でも
(だったら、そもそも三人でシようって思うなよ)
って話である。
俺がこの中に絶対混ざりたくないと思うのも、結局はそういうことだもんな。
せっかく兄ちゃんとセックスしているのに、他の人間に邪魔されたくなんかないし、俺一人が兄ちゃんを思う存分堪能したいって思うもん。
だから、こいつらみたいに二人掛かりで兄ちゃんを――なんて気持ちには一生なれないと思う。
「でもま、こうして真弥も起きちゃったら、確かにあんまのんびりしてもいられないかもな。幸い今はおとなしく傍観者に徹しているみたいだけど、いつ気が変わって俺達の邪魔をしてくるかわからないしな」
「たとえ邪魔が入ったところで、俺に今更引く気はない。邪魔が入ろうと目的は遂行させてもらう」
「だよな」
は? 何言ってんの? この人達。そりゃ俺もやめる気なんて更々ないんだろうとは思っているけど、こいつら、本当に俺の前で兄ちゃんとのセックスを続けるつもりなの? 俺が見ている前で兄ちゃんをイかせるつもりなのかよ。
でもって、俺の前で自分達がイくところを見られてもいいっていうのか?
正気の沙汰とは思えない。兄ちゃんもエロくて淫乱だと思っていたけど、大人ってこういうものなの? いくら何でも性に奔放過ぎるだろ。
「じゃあ真実ちゃん。ちょっと早い気もするけど、一回イって気持ち良くなっちゃおっか」
「え? んんっ! 待っ……ちょっと待って……」
「今から俺、真実ちゃんの大好きなトコいっぱい刺激してあげるから、真実ちゃんもいっぱい気持ち良くなってね」
「ぁんっ……だから待っ……ゃあっ! 待ってぇっ! ぁんっ……あぁぁぁんっ!」
抱えていた兄ちゃんの両脚を抱え直すと、鵜飼先生は今までのセックスとは全く別物みたいに、兄ちゃんを激しく突き上げ始めた。
濡れた音と肌がぶつかり合う音が響き
「ぁんっ……ゃっ、ぃやぁっ……激しっ……あぁぁぁぁっ!」
兄ちゃんの喘ぎ声も大きくなっていき、まさに本番シーン真っ只中って感じだった。
「あー……気持ちい……。真実ちゃん、すっげー気持ちいいよっ……」
「ゃんっ、ぁっ……ぁんっ……ダメっ……ダメぇぇぇぇっ……」
「イきそうなの? だったらイっていいよ」
「んんっ……んっ……ぁ……あ、あっ……ぁんんんんっ!」
激しく兄ちゃんを突き上げる鵜飼先生のナニが、一際深く大きく兄ちゃんを穿った瞬間、兄ちゃんは身体をぶるぶるっと震わせながら射精した。
しかし、兄ちゃんがイった後も何度も激しく兄ちゃんを突き上げる鵜飼先生に
「ぁあんっ! ゃめっ……ダメっ……ダメだって……あぁぁぁぁっ!」
今度は身体を仰け反らせて潮吹きをしてしまった。
これが恋愛経験豊富な大人のテクニックと言ってしまえばそれまでだけど、鵜飼先生にイかされた兄ちゃんは完全に意識が飛んでしまっているようだった。
「上手にイけたね、真実ちゃん。じゃあ俺もそろそろイくから、全部受け止めてね」
「んっ……んんっ……あぁんっ……あー……」
押し寄せる快感の波にだらしない顔になる兄ちゃんは、多分鵜飼先生の声なんて聞こえていないと思う。揺さぶられるままに鵜飼先生に身体を揺さぶられ、兄ちゃんの中に欲望を吐き出す鵜飼先生にも、恍惚とした表情で感じていた。
俺の時も気持ち良さそうな反応や顔を見せてくれるけど、ここまで快楽に溺れた表情は見せてくれたことがないから、ちょっと悔しいと思ってしまう。
「はぁっ……マジでめちゃくちゃ気持ち良かったよ、真実ちゃん。気持ち良くしてもらったお礼にちゅーさせて」
「ん……んん……」
はぁぁぁぁ~っ⁉ 何だそれっ! モテる男の常套テクニックか何かですか⁉ そんな言葉でキスとかアリなの? 何か見てるこっちがめちゃくちゃ恥ずかしくなるんですけどっ!
更に言わせてもらえば
「んぅ……んっ……んんっ……ぁんん……」
鵜飼先生とキスしている兄ちゃんがめちゃくちゃエロい。完全に鵜飼先生に身を委ねている状態だし、自分から鵜飼先生に舌まで絡ませて、鵜飼先生とするキスに気持ち良くなっているのが見ていてわかる。
きっと鵜飼先生は俺なんかよりずっとセックスが上手くて、そんな鵜飼先生とセックスしちゃった兄ちゃんは、〈こんなに気持ち良くなるなら……〉って思い、鵜飼先生や遠山先生との関係を続けることになったんだろうな。
「もういいだろ、鵜飼。次は俺の番だ」
まあ、兄ちゃんで童貞を卒業した遠山先生は、本当についでって感じだったのかもしれないけれど。
でも、その遠山先生だって兄ちゃんとのセフレ歴は鵜飼先生と同じなんだから、今頃は兄ちゃんを気持ち良くさせるテクニックを身につけているんだろう。
「はいはい。わかったっての。ほら、真実ちゃん。次は遠山の番だってさ」
「ん……んん……」
鵜飼先生にイかされた後の兄ちゃんは、多分俺の存在なんてすっかり忘れているんだと思う。
鵜飼先生の腕の中から遠山先生の腕の中に移った兄ちゃんは、まだボーっとした顔のまま、遠山先生を見上げると
「遠山も俺とスるぅ?」
拙い口調と声でそう尋ねていた。
ぽやぽやとした可愛い兄ちゃんにそんなことを言われて、「シない」なんて言う人間がいるんだろうか。
俺は絶対にいないと思う。
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