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後ろの快楽への好奇心

03 肛悦

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(前と違う感覚はあるけど……あんまり気持ちよくなれないな……)
 自室に敷いた布団の上、産まれたままの姿の翼は思う。あれから、尻の穴を何度かいじってみた。ネットでいろいろ調べ、ローションやアナニーグッズを購入して。
 が、どうも快感を得られない。前立腺の開発が思うように進まないのだ。全身がけいれんして泣き叫びながらメスイキをするようなことは、全くない。
(あ……そう言えば……。あれなんかどうかな……)
 ふと、思い当たるところがある。真琴の部屋で見かけたあれだ。『催眠アナニー』とか言うもの。音声で深い催眠状態となり、アナルで快感を得るのだそうだ。
「これか……催眠なんてあるのかな……? ま……ものは試しだ……」
 ネットで検索すると、ダウンロード版がすぐに見つかる。迷うことなくスマホにインストールして、イヤホンをつなぐ。
 音声の指示通り、尻の穴にエネマグラを挿入する。
(あ……なんか……ふわふわして……気持ちいいかも……)
 催眠音声に従って穏やかに呼吸し、力を抜く。なんとなく感じる。自分が深い催眠状態に堕ちていくのが。
『前立腺がズキズキしてくるでしょう? そのズキズキを……もっと大きくしてあげる』
 最初は優しかった女の声が、やがて低くサディスティックになっていく。言葉責めをするように。
(あ……あああ……? なんだ……この感じ……? イきそう……?)
 催眠音声に導かれるうちに、翼は気づく。自分の中で快感が飽和していくことに。
『あなたはドライオーガズムを経験してしまうの……。さあ……いくわよ?』
 女の声がカウントダウンを始める。ゼロに近づくたびに前立腺がどんどん熱くなる。翼の中でなにかが爆ぜようとしている。
『ゼロ!』
「あああっ……! い……イくっ!♡」
 カウントがゼロになると同時に、頭の奥が白く弾けた。確かに『イった』のに、射精はしていない。翼はついにドライオーガズムを迎えた。メスイキをしてしまったのだ。
(あああ……気持ちいい……。やばい……こんなの知ったら……戻れないよ……♡)
 催眠音声が終わるまで、成年は数え切れないほどドライオーガズムに押し上げられた。
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