【完結】初恋の君を探していたが、本人と気づかずにあれやこれやとドツボにハマる話

たまとら

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森での出会い

5 10日前

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ルツが第三地区の森に行ったのは、サルソルの採取の為だった。

入学してからそろそろ三ヶ月。
夏に近くなってきた。
『熱かぶれ』が流行り出す頃だ。

『熱かぶれ』は乳幼児が熱と発疹を繰り返す流行り病だ。
死亡率は高くないが、何より痒がってむずかる。
おかげで親もクタクタになる。

その薬のもとがサルソルだ。
生えてる所は少なく、第三地区の水辺だけだ。
第一地区の森なら、素人でも気軽に採取に行ける。
第二地区は魔獣もちらほら出るから、慣れていないと難しい。
そして第三地区ほ王都からも遠く。
一人で行くのは止められるような危険な森だった。

ルツは過疎の僻地で育った。
基本全てが手作りの田舎で、おかげで狩も解体も出来る。
薬師ギルドの登録も幼い頃からしていたし、いわばベテランだった。



この学園に入学する為に、身元引き受け人になってくれたアクィラ教授はじいサマと旧知の仲だったらしく、森人にも理解がある。
自分の生活費を稼ごうとするルツに、学園の印のある採取袋を貸してくれるありがたい人だった。




秘密だが、森人は"精霊の道"を使うことが出来る。
もちろん幼いころから魔力に応じて鍛えられ、大人と一緒に行き来して、やっと使える様になる道だ。
時空を歪めて行き来出来る道だとしかわかっていない。
馬で2時間は掛かる第三地区の森に行くのに、その道を通ると10分ほどでいける。
実にありがたい道だ。

じいサマに仕込んで貰って使っているが。
その道は余計な魔力や呪いを纏っていると入れない。

だからルツは人の世にいる時の、麦わら色の髪とか、黄色がかってぼんやりして見えるその力を取っ払って、素のままで道をくぐっていた。



第三地区と呼ばれる森は王都から遠い。
そしてかなり深い。
危険な魔獣もでてくる。
その為にあまり人がいなくって、ルツは久しぶりに素にもどってのびのびとピクニック気分になっていた。

食堂の皿洗いの後で、料理人さん達から残り物を貰って弁当を作った。
なんとローストビーフが沢山あって、サンドイッチはかつてないほどにゴージャスだ。
おかげで心がめっちゃ軽い。



サルソルの群生を見つけてがっつりと採取する。
ついでにリオールも獲る。
水中から毒液を飛ばしてくるカエルモドキも串刺しにして収納する。
木の上から飛んできたシャールも、首を斬り落としてグイグイと内臓をひり出して処理してから、袋に突っ込んだ。


頭の中でチャリンチャリンと音がする。

毒液は高価だ。
シャールの毛皮はお貴族様の飾りに常に需要がある。

この分では夏用の生活用品を揃えても、村に仕送り出来るほどに貯まるかもしれない。

うっしっし♡


にんまりと軽い足取りで浮かれてたせいで、ナラガの穴に片足を突っ込んだ。


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