【完結】初恋の君を探していたが、本人と気づかずにあれやこれやとドツボにハマる話

たまとら

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結果オーライで帳尻が合う

31 追い込まれるのはいきなり

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後期の授業は、教室より研究室が多い。
本で学んだものを、作ってみる。
おかげで採取もしょっちゅうで、買い取り価格も高騰している。

願ったり♡だ。


ゴーシラを乳棒で潰して練り込んで。
シャルシャルの粉末をゆっくり入れる。

ルツはレードルで沼状になった物を掻き回した。
これは某お偉いさんがアクィラ教授に縋った"毛生え薬"。


人の望みに終わりは無い。
そしてそれに掛けるお金に、天井は無い。

素晴らしい事だ。

ソレが研究室のありがたい資金となる。
だから鼻で息をしないように必死で仕上げる。
……これを頭皮に乗せる羽目にならないように祈ってるがな。
某お偉いさんのその姿を想像して、一瞬気を抜いた

水捌けの悪い古い沼に死んで沈んだ動物の様な匂い。
の、直撃を受けて泣き笑いの顔になった。



今朝、選択授業に出るラッシュ様を見送ってからアメデオ様と二階のサロンでお茶を頂いた。

「ラッシュったら。王宮でお目ざのお茶を受け取って、一口飲んだ途端に
『いつもより渋い。やり直せ。』って言ったそうだよ。」

全くどんだけルツ君に横柄に依存してるのか。
と、稲妻を飲んだ蛙のようなにんまりした顔でアメデオ様は笑った。
最近わかる様になった。
アメデオ様のツボはちょっと微妙だ。

「で、侍従がひいっ。と、真っ青になって。寝ぼけてたラッシュは言った相手に気がついて真っ赤になって。王太子は後で、『あいつ、世話係に恵まれてるな。』って、私にしみじみと言ってきたんだよね。」


ヘルシュベル伯の荷物は。
何故か大鎌が一丁と種が行方不明になっていたが
目録があるのと、ケーナ村の名前を焼印してあるって公表したとたんに。
馬車の隅から出てきたらしい。

これで鼠が動き出すかなぁ。
と、アメデオ様は笑った。

もうすぐ実りの季節になって。
徴税役人が動き出す。
なんかあったら、まず報告してね。

ああ、アメデオ様へのこの安心感。
アメデオ様。まじ神。


「わしにもなんぞ言うて!
褒められることぎょうさん出来るで‼︎」

アメデオ様礼讃を聞きつけて、鼻息荒くオベリオ老がやってきた。
オベリオ老は最近、研究室によく出没する。
手土産持参だから歓迎される。
そして人の話にちゃちゃをいれてくる。
初め、行商人という名称でちょっと警戒していたが、頼り甲斐のあるおじいちゃんだ。

薬師になって、ケーナ村で薬草畑を作って。
薬をばんばんこさえたら、ソレを売る為の人脈は必要だから、ありがたくお付き合いさせて頂いている。



村からは、今年は天候に恵まれて収穫も多いと連絡も来ていた。
あの地域は今年は概ね、大豊作だ。

そうやって、ゆるゆるとした日々が流れていく。
そのまま過ぎていくと思っていた。


そろそろ朝晩が冷えるようになってきた頃。

午後のお茶の時間に。

ルツが寮に戻る為に石畳を歩いていると。
目の前の空間がぐにゃりと歪んだ。
そしてそこから連絡筒が転げ落ちてきた。
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