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竹取物語
好奇心は猫をも殺すらしい
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今は昔。
爺さまと婆さまがおりました。
爺さまは竹を切るのを生業にしておりました。
二人はその竹を扱いて、籠や笊を作っておりました。
貧しい生活でしたが、二人はほのぼのと暮らしておりました。
ある日、いつもと違う竹藪で、爺さまは光る竹を見つけました。
不思議に思って上の節を切って見ますと。
その中には、小さな。
本当に小さな赤児が、光り輝いて眠っておりました。
恐る恐る抱き上げると、その赤児は目を開けてにっこりと笑いました。
きゅん♡
爺さまは胸を撃ち抜かれました。
大事にそっと家に帰って婆さまに見せました。
きゅん♡
きゅん♡
荒屋にきゅんの音が木霊します。
こうしてその赤児は"なよ竹"と名付けられました。
なよ竹は元気な男の子でした。
その可愛いさに村の者はメロメロです。
山の動物も、気の荒い猪でさえ懐いてしまいます。
爺さまはそれ以来、竹藪に行くと時々光る竹を見つけるようになりました。
そこには金の粒やお宝が入っています。
爺さまと婆さまはみるみる金持ちになりました。
なよ竹はスクスク育ちました。
その尋常じゃない雰囲気と美貌は、行商人の口に乗って、波のように都へ登って行きました。
"竹から生まれた""天上の美童"
そんな呼び名がついた時。
婆さまは、これだ! と、思いました。
なよ竹に十二単を着せて、陽に当たらないように育て始めたのです。
その女とは違う倒錯的な美しさは、人の心を掻き立てて噂を煽り立てました。
そんな訳で都の貴族達は、男という括りを超越した"天上の美童"という話題にもう夢中になりました。
田舎にも関わらず、牛車でごとごとと詣でます。
御簾越しでも匂い立つ美貌に、貴族の公達はもうメロメロでした。
詩を贈られプレゼントを贈られ、果ては夜這いにまでやって来ます。
そんな貴族達を婆さまはにんまりと眺めておりました。
なよ竹は屋敷の奥で、婆さまと今後について語らいました。
そう、なよ竹は天空にある別な世界の佳人でした。
そこでは単性で男女の区別なく誰でも孕めます。
ええとこのぼんだったので、調子に乗って、供え物の神酒をがぶ飲みしたり、神像に落書きしたりして、
『下界で反省してこいやっ‼︎』
と、落とされてしまったのです。
テレビもスマホも無い生活に危機感を覚えて。
反省の態度を示す為に、
"弓よりクロスボウの方が楽だし"とか、
"冷蔵庫無いと水も緩くてマジ勘弁"とか思っても、ひたすら口を噤んで品行方正に暮らしていました。
お許しはもう目前。
の、はずですが、少々退屈でうんざりなのです。
婆さまとは繦まで変えて世話してくれた仲です。
婆さまは、きゅん♡の後、冷静になった時。
なよ竹が自分達と生物的に違うのを感じました。
村という閉鎖空間の異物は、本来なら直ぐに排除されるものですが。
何せ竹から生まれた子供です。
婆さまだって、ほのぼのがただただ続く毎日に、心底飽いておりました。
そういうわけで、退屈を持て余した二人はタッグを組んだのです。
爺さまと婆さまがおりました。
爺さまは竹を切るのを生業にしておりました。
二人はその竹を扱いて、籠や笊を作っておりました。
貧しい生活でしたが、二人はほのぼのと暮らしておりました。
ある日、いつもと違う竹藪で、爺さまは光る竹を見つけました。
不思議に思って上の節を切って見ますと。
その中には、小さな。
本当に小さな赤児が、光り輝いて眠っておりました。
恐る恐る抱き上げると、その赤児は目を開けてにっこりと笑いました。
きゅん♡
爺さまは胸を撃ち抜かれました。
大事にそっと家に帰って婆さまに見せました。
きゅん♡
きゅん♡
荒屋にきゅんの音が木霊します。
こうしてその赤児は"なよ竹"と名付けられました。
なよ竹は元気な男の子でした。
その可愛いさに村の者はメロメロです。
山の動物も、気の荒い猪でさえ懐いてしまいます。
爺さまはそれ以来、竹藪に行くと時々光る竹を見つけるようになりました。
そこには金の粒やお宝が入っています。
爺さまと婆さまはみるみる金持ちになりました。
なよ竹はスクスク育ちました。
その尋常じゃない雰囲気と美貌は、行商人の口に乗って、波のように都へ登って行きました。
"竹から生まれた""天上の美童"
そんな呼び名がついた時。
婆さまは、これだ! と、思いました。
なよ竹に十二単を着せて、陽に当たらないように育て始めたのです。
その女とは違う倒錯的な美しさは、人の心を掻き立てて噂を煽り立てました。
そんな訳で都の貴族達は、男という括りを超越した"天上の美童"という話題にもう夢中になりました。
田舎にも関わらず、牛車でごとごとと詣でます。
御簾越しでも匂い立つ美貌に、貴族の公達はもうメロメロでした。
詩を贈られプレゼントを贈られ、果ては夜這いにまでやって来ます。
そんな貴族達を婆さまはにんまりと眺めておりました。
なよ竹は屋敷の奥で、婆さまと今後について語らいました。
そう、なよ竹は天空にある別な世界の佳人でした。
そこでは単性で男女の区別なく誰でも孕めます。
ええとこのぼんだったので、調子に乗って、供え物の神酒をがぶ飲みしたり、神像に落書きしたりして、
『下界で反省してこいやっ‼︎』
と、落とされてしまったのです。
テレビもスマホも無い生活に危機感を覚えて。
反省の態度を示す為に、
"弓よりクロスボウの方が楽だし"とか、
"冷蔵庫無いと水も緩くてマジ勘弁"とか思っても、ひたすら口を噤んで品行方正に暮らしていました。
お許しはもう目前。
の、はずですが、少々退屈でうんざりなのです。
婆さまとは繦まで変えて世話してくれた仲です。
婆さまは、きゅん♡の後、冷静になった時。
なよ竹が自分達と生物的に違うのを感じました。
村という閉鎖空間の異物は、本来なら直ぐに排除されるものですが。
何せ竹から生まれた子供です。
婆さまだって、ほのぼのがただただ続く毎日に、心底飽いておりました。
そういうわけで、退屈を持て余した二人はタッグを組んだのです。
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