追放されたクズ勇者の死に戻り ~「オマエはクビだ」からやり直したオレは、破滅フラグを折りまくる~

テツみン

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第二話 クズ勇者、旅に出る

その三

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 ゴブリン退治と引き換えに、食事と寝床を確保したオレたちは、老婆の家にやってくる。

「それで、どうやってゴブリンをおびき寄せるか――だな」

 ゴブリンはすばしっこいうえに用心深い。ワナを仕掛けるとしても、警戒してなかなか近寄らない。
 時間があれば辛抱強く、相手が出てくるのを待つという策もあるが、明日の朝にはザブレロを出発しなければならない。だから、今晩のうちにゴブリンを退治する必要がある。

「それならボク、効果的なゴブリン用のワナを知っているよ」
 そうマルタが言い出す。
「おお! さすが物知りだな。で? どういうワナなんだ?」

でゴブリンをおびき寄せるんだよ」

「――――――――へっ?」

 ゴブリンにもオスとメスがいるのだが、メスが巣から外へ出ることは滅多にないらしい。
 つまり、畑を荒らしているのは十中八九、オスのゴブリン。そして、オスのゴブリンはメスのニオイがとても好きである。
 それはゴブリンのメスでなくてもイイ。人種であれば、人間や亜人の女性でも、そのニオイに寄ってくるのだとか――

 なんて、本能に従順な――いや、下品なヤツらなんだ。
 まあ、前の人生で酒と女に溺れたオレが言える立場ではないが――

「できるだけ、女性のニオイが染みついている下着がイイんだけど」

 つまり、長く着用していればしているほど効果があるそうだ。もちろん、適齢期の女性の下着に限る。老婆や子供では意味がない。
 それって――オレはフィルを見る。

「――えっ?」と彼女は声をあげた。いやいや、それはマズいだろ?

「おい、マルタ。こっちへ来い」
 そう言って、マルタの首に手を回すと、部屋の隅へ連れて行く。

「まさか、フィルの――を使うつもりとか言うんじゃないだろうな……」
 フィルには聞こえないように、小声で話す。

「――えっ? い、いや、そんなつもりは――」
 急にマルタは顔を赤くする。

「じゃあ、どうするつもりだったんだよ!」
「え、えーと……」

 どうやら、そこまで考えが回っていなかったようだ。
 オレは頭を掻く。いくら、正体を隠しているとはいえ、フィルはこの国のお姫様だぞ。さすがに「下着を脱いでくれ」と言うわけにいかないって……

「すまない、ばあさん。この家って、他に女性は住んでいないか?」
 そうたずねると、「孫が住んでいるよ」と返答があった。
「お孫さんの年齢は?」
「十二歳だよ」
 十二歳か……ギリギリだが、なんとかなるか。そう考えていた時――

「グエルさん、マルタさん、どうぞ、お使いください!」
 そう、フィルが言い出した。

「――えっ?」
 ええぇぇぇぇっ!
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