追放されたクズ勇者の死に戻り ~「オマエはクビだ」からやり直したオレは、破滅フラグを折りまくる~

テツみン

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第三話 クズ勇者、ダンジョンへ行く

その六

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 前の人生で、ロゼルはリッチに殺された。そもそも、リッチを相手にしようと考えたのも、ロゼルの対アンデット魔法、『ホーリー』をアテにしたからだ。

 アンデットは物理攻撃や物理魔法のダメージに対して、回復が早い。高位アンデットだと物理的に致命傷を負わせることは不可能だろう。そのため、聖職者の魔法と呼ばれる、光属性の『ホーリー』で、直接、霊体エネルギーに攻撃をしかけるのだ。

 アンデットは総じて知能の低い。前衛が攻撃し、相手の注意を引き付けることで、ホーリーの詠唱時間を稼ぐことができる。
 しかし、この作戦はリッチに通用しなかった。その最恐アンデットは敵の種類を認識できる知力を有していたのだ。
 ロゼルが聖職者だと認識すると、真っ先に攻撃し、行動不能にしてしまう。そうなると、オレたちはリッチと戦う術がなくなり、逃げ帰るしかできなかった。
 ロゼルを見捨てて――

 ナタリアが言う『ロゼルの死相』は間違いなく、前の人生で見たリッチによるものだろう。そもそも、ロゼルがいなければリッチと戦おうという気は起きなかったのだから。

「リッチですか――わかりました。気を付けましょう。しかし、グエルはどうしてファーナンド遺跡にリッチがいると知っているのですか?」
「――えっ?」

 うっ――しまった。まさか、前の人生の記憶――なんて、言えない。ココはどう、説明すれば――そうだ!

「マ、マルタが調べた情報にあったんだよ。中層にリッチが現れると――なあ?」

 マルタが調べてくれたファーナンド遺跡の情報が記されたノート――リッチほどのアンデットなら、その情報が載っているはずだ。

「グエル? ボク、リッチの情報なんて持ってないよ?」
「――えっ?」
「そもそも、ボス級のリッチが中層なんかに現れたら大変なことになるよ」

 そうだ、冷静に考えればオカシイ。未踏破の最下層ならともかく、中層には今までもたくさんの冒険者が足を踏み入れている。
 もし、そんなところにリッチなんてバケモノが登場するなら、大変な騒ぎになっているはずだ。それじゃ、なんで前の人生ではリッチがそこにいたんだ?

 最下層にいたリッチが何かの原因で中層まで上がってきた? それとも、誰かが召喚した? 誰かって、そもそも、そんな上位アンデットを召喚できる者とは?

 その時、オレは「はっ!」と声をあげてしまった。

 そうかもしれない――いや、きっとそうだ――
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