追放されたクズ勇者の死に戻り ~「オマエはクビだ」からやり直したオレは、破滅フラグを折りまくる~

テツみン

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第三話 クズ勇者、ダンジョンへ行く

その八

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 商業ギルドの宿泊施設でしっかり睡眠を取ったオレたちは、翌朝も無料で朝食をいただいた。

「さて、そろそろ行くか?」

 オレがそう言うと、マルタとフィルも「はい!」と返事をする。

「その前に、これを持っていってくれ。儂からの餞別みたいなモノだ」
 そう言って、アスワンがオレたち三人にそれぞれカードを渡す。

「これって、身分証か?」

 魔法銀(ミスリル)を含んだ金属プレートに自分たちの名前が刻まれていた。このカードは特殊な魔道具にかざすと、個人の情報が表示される仕組みになっている。

「商業ギルドの身分証――もちろん本物だ。これで、大陸のどこへでも行けるぞ」

 おおっ! それはありがたい。冒険者ギルドをクビになってから、身分証をどうするかが悩みの種だったんだ。これで、ひとつ心配事が減った。

「フィルさんは、儂が勝手に名前を決めさせてもらった」

 フィルのカードを見ると、『フィル・ハース』と書かれている。いやいや、いくらなんでも安直すぎるだろ?
 ――というか、アスワンもやっぱりフィルの身元に気づいていたんだな――そんなそぶりはいっさい見せていなかったが、とんだタヌキオヤジだ。

「それじゃあ、ボクたち、これからは商人ということだね?」
 マルタに言われて、「そうだな」と苦笑いする。

 商売なんてやったこともないのに、商人ねえ――

「王都に戻ったら、商業ギルド王都支部へ行くとイイ。話はつけておくから――」

 まあ、形だけでも商業ギルドに席を置くわけだから、挨拶くらいはしないとな。

「何を言っている? 当然、商人として働いてもらうぞ。もちろん、その前に勉強もしてもらうがな」
「――えっ?」
「三人には立派な商人になってもらうよ。いやあ、今から楽しみだ」
 そう大笑いするアスワン。

 なんか、完全にハメられた気がする。

「だからって、特別扱いはしないぞ。使い物にならないと判断したら、即クビだからな。そしたら、またオマエさんたち、無職へ逆戻りだ。ハ、ハ、ハ!」

 ハ、ハ、ハ――じゃないよ。運び屋のマルタはともかく、剣士のオレが商人になれるわけないだろ? ああ! やっぱり、破滅するのかあ!?
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