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第三話 クズ勇者、ダンジョンへ行く
その十四
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「ハア、ハア、ハア……く、くそっ! 五層に入ってもう三時間だぞ! いったい、どうなんてるんだ!? こんなところで手こずってる場合じゃないというのに!」
オレたち、勇者パーティは十体以上のアンデットによる強襲を受け、立ち往生していた。五層に入ってからこれで八回だ。おかげで、まったく次の階層へ進めない。
「だからって、アレン。敵のレベルが上がっているんだから、仕方ないです。おまけに統率のとれた集団攻撃をするようになってきたのだから、さすがに浅い階層と違って、時間がかかるのは当然ですよ」
そんなわかりきったことを聞きたいわけじゃない!
それをなんとかするのが、勇者パーティというモノだろ!
「もうイイ。さっさと行くぞ」
「ちょ、ちょっと待ってよ。少し休ませて」
またニグレアだ。さっきから休むことばっかり言いやがって――
「ダメだ。これ以上遅れるわけにはいかない。休んでいられるか!」
「どうしてよ! そんなに急ぐ必要はある?」
必要? あるに決まっているだろ?
「二十四時間以内にこのダンジョンを攻略する。いままで、S級ダンジョンを二十四時間以内に攻略した者はいないからな。それで、このオレが勇者に相応しいことを世に知らしめる必要があるんだよ」
「――はあ? そんな理由で?」
ニグレアが呆れた顔を見せる。
「そんな? そんなとはなんだ? 今まで誰も成し得なかったことをやることに意義があるというものだろ? そんなこともわからないのか?」
これだからバカはキライだ。
「ああ、もう付き合いきれないわ」
そう声にするとニグレアが引き返そうとする。
「おい待て。どこへ行く?」
「帰るのよ。パーティを辞めさせてもらうわ」
パーティを辞める?
「おい、勝手なことをするな!」
魔導士がいなくなったら、先へ行くどころじゃない。アンデットの中には物理攻撃がまったく効かない相手もいるんだぞ!
「知らないわよ。じゃあね」
「そうかよ。このパーティを辞めるということは冒険者を廃業するということだな?」
「――えっ?」
さすがに、驚いて振り返りやがった。
「どういう意味よ?」
「このパーティは冒険者ギルドから勇者パーティとして特別な待遇を受けている。それを辞めるということは、ギルドの指示に従わないということだ。つまり、オマエはクビだ」
「ちょ、ちょっと――」
『冒険者ギルドをクビ』という言葉に顔を青ざめてやがる。イイ気味だ。
「それだけじゃない。オレは名門、ブラフォード家の人間だ。平民のオマエがブラフォード家に泥を塗るようなマネをすれば、もう王国にいられなくなるのは当然だ」
「な、なに? 脅すつもり?」
「まさか。ただ、現実を教えてやっているだけだ」
これでわかっただろう? ココで一番エライのが誰か?
『そうです。それこそ勇者様。誰もアナタに逆らうなんて許されないのです』
そんな男の声が聞こえた。
「だ、誰だ!」
オレが叫ぶと、他の三人がビックリする。
「アレン? なにを言っているのです?」
そう、ロゼルが聞き返す。
なんだ? 誰も聞こえなかったのか?
この声、どこかで聞いたような――そうだ、夢の中で出てきた紺のジャケットを着た男の声だ。
「どこだ? どこにいる?」
「だから、アレン? ここにはボクたち四人しか――」
オレはロゼルの声を無視して、辺りを探す。
『さて、そろそろイイでしょう。私からプレゼントです。どうぞこちらへ』
「プレゼント? 何を言っている?」
声の主を探すが、どこにも見当たらない。
「おい! 出て来い!」
『こちらですよ』
オレは声が聞こえた方向へ走り出した。
「アレン! ルートを外れるのは危険です! 戻りましょう!」
「うるさい! オレに指図するな!」
すると、『そうそう。こっちですよ』と男の声が聞こえいた。分かれ道の向こうからだ。
「そっちか!」
「アレン! ダメです! 何があるのかわからないのですよ!」
ああ、うるさい! オレは無視して声の聞こえた方向へ向かった。その行き当たりは、薄暗い部屋となっている。なんだ? この部屋?
「ここは?」
追ってきた三人も部屋に入ると、ニグレアが「なんか気味悪い」とつぶやいた。
「ムダ口をたたいていないで、さっさと魔法で照らせ」
「わかっているわよ」と、火属性魔法のファイアを詠唱し、部屋を灯す。
「なにも……ないわね」
その時だった。部屋の入口からキーッ! バタンッ! という音が聞こえた。
オレたち、勇者パーティは十体以上のアンデットによる強襲を受け、立ち往生していた。五層に入ってからこれで八回だ。おかげで、まったく次の階層へ進めない。
「だからって、アレン。敵のレベルが上がっているんだから、仕方ないです。おまけに統率のとれた集団攻撃をするようになってきたのだから、さすがに浅い階層と違って、時間がかかるのは当然ですよ」
そんなわかりきったことを聞きたいわけじゃない!
それをなんとかするのが、勇者パーティというモノだろ!
「もうイイ。さっさと行くぞ」
「ちょ、ちょっと待ってよ。少し休ませて」
またニグレアだ。さっきから休むことばっかり言いやがって――
「ダメだ。これ以上遅れるわけにはいかない。休んでいられるか!」
「どうしてよ! そんなに急ぐ必要はある?」
必要? あるに決まっているだろ?
「二十四時間以内にこのダンジョンを攻略する。いままで、S級ダンジョンを二十四時間以内に攻略した者はいないからな。それで、このオレが勇者に相応しいことを世に知らしめる必要があるんだよ」
「――はあ? そんな理由で?」
ニグレアが呆れた顔を見せる。
「そんな? そんなとはなんだ? 今まで誰も成し得なかったことをやることに意義があるというものだろ? そんなこともわからないのか?」
これだからバカはキライだ。
「ああ、もう付き合いきれないわ」
そう声にするとニグレアが引き返そうとする。
「おい待て。どこへ行く?」
「帰るのよ。パーティを辞めさせてもらうわ」
パーティを辞める?
「おい、勝手なことをするな!」
魔導士がいなくなったら、先へ行くどころじゃない。アンデットの中には物理攻撃がまったく効かない相手もいるんだぞ!
「知らないわよ。じゃあね」
「そうかよ。このパーティを辞めるということは冒険者を廃業するということだな?」
「――えっ?」
さすがに、驚いて振り返りやがった。
「どういう意味よ?」
「このパーティは冒険者ギルドから勇者パーティとして特別な待遇を受けている。それを辞めるということは、ギルドの指示に従わないということだ。つまり、オマエはクビだ」
「ちょ、ちょっと――」
『冒険者ギルドをクビ』という言葉に顔を青ざめてやがる。イイ気味だ。
「それだけじゃない。オレは名門、ブラフォード家の人間だ。平民のオマエがブラフォード家に泥を塗るようなマネをすれば、もう王国にいられなくなるのは当然だ」
「な、なに? 脅すつもり?」
「まさか。ただ、現実を教えてやっているだけだ」
これでわかっただろう? ココで一番エライのが誰か?
『そうです。それこそ勇者様。誰もアナタに逆らうなんて許されないのです』
そんな男の声が聞こえた。
「だ、誰だ!」
オレが叫ぶと、他の三人がビックリする。
「アレン? なにを言っているのです?」
そう、ロゼルが聞き返す。
なんだ? 誰も聞こえなかったのか?
この声、どこかで聞いたような――そうだ、夢の中で出てきた紺のジャケットを着た男の声だ。
「どこだ? どこにいる?」
「だから、アレン? ここにはボクたち四人しか――」
オレはロゼルの声を無視して、辺りを探す。
『さて、そろそろイイでしょう。私からプレゼントです。どうぞこちらへ』
「プレゼント? 何を言っている?」
声の主を探すが、どこにも見当たらない。
「おい! 出て来い!」
『こちらですよ』
オレは声が聞こえた方向へ走り出した。
「アレン! ルートを外れるのは危険です! 戻りましょう!」
「うるさい! オレに指図するな!」
すると、『そうそう。こっちですよ』と男の声が聞こえいた。分かれ道の向こうからだ。
「そっちか!」
「アレン! ダメです! 何があるのかわからないのですよ!」
ああ、うるさい! オレは無視して声の聞こえた方向へ向かった。その行き当たりは、薄暗い部屋となっている。なんだ? この部屋?
「ここは?」
追ってきた三人も部屋に入ると、ニグレアが「なんか気味悪い」とつぶやいた。
「ムダ口をたたいていないで、さっさと魔法で照らせ」
「わかっているわよ」と、火属性魔法のファイアを詠唱し、部屋を灯す。
「なにも……ないわね」
その時だった。部屋の入口からキーッ! バタンッ! という音が聞こえた。
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