追放されたクズ勇者の死に戻り ~「オマエはクビだ」からやり直したオレは、破滅フラグを折りまくる~

テツみン

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第三話 クズ勇者、ダンジョンへ行く

その二十二

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 マルタが投げた黒い物体が激しく爆発すると、アンデットが巻き込まれて、飛び散った!

 バタン!

 マルタのおかげで、間一髪、扉を閉めることに成功した。

「ふう、なんとかなった――」

 オレは、その場に倒れ込む。

「マルタさん、なんですか? 今のは?」

 ミリアが目を丸くして、たずねる。

「これは、火薬というものだよ。お弁当と一緒に、アスワンさんという人から分けてもらったんだ」

 アスワンのキャラバンが山賊に襲われた時、運び屋の人たちが使用し、山賊を撃退した――あの火薬だ。使い方などをマルタは教えてもらっていたらしい。

「マルタ、お手柄だ」

 オレは立ち上がると、マルタの頭を撫でた。

「へ、へ、へ」とマルタは喜ぶ。

「ちょ、ちょっと、それより――アレを見てよ」

 サリアの声で、振り返ると――

「な、なんだよ。これは――」

 金銀財宝の山がそこにあった。

「や、やったあ! これで私たち、大金持ちよ!」
 サリアが大喜びで、金塊に向かってダイビングする。

 それにしても、スゴい。まるで、お伽話に出てくる『宝の山』状態だ。本当に、これだけの宝があったんだな――

「って、オレたちはこれが欲しくてココに来たんじゃない!」
「えっ? なら全部、私がもらってイイの?」
「バカ! 当然、オレも少しはもらう――てか、それよりも神書だ。どこにある!?」
「グエル、あれ!」

 マルタが指した先に、本棚があり、本がいくつもある。

「この中にあるのか?」

 本をいくつか手に取った。

「これ全部、古代人の魔法書だよ。どれもスゴい! 大変な発見だよ」

 マルタがものスゴく興奮しているが、そんなことより、神書を見つけないと――ん? この本だけ、カギがかかっているぞ。手にすると、それだけで膨大な魔力を感じた。

「これが、神書『アスタリアズノート』なのか?」

 革の表紙には何も文字が書かれていない。しかし、これが特別なモノであることはハッキリわかる。

「グエル? どうなの?」
「うん、おそらくこれだ。しかし、カギが――」

 カギ穴を覗く、この形、どこかで見たような――

「あっ! そうか!」

 オレが大声を出すと、三人がビックリする。

「な、何!? 急に大声出して――まさか、やっぱり少しじゃヤダとか、言うんじゃないわよね?ほしければ私の許可をもらいなさい!」

 オレはサリアを無視して、ポケットをまさぐる。たしかココに――あった!
 それは、ザブレロ郊外にある老婆の家に泊まったときのことだ。エルフの耳を隠すイヤリングと引き換えに、老婆の息子の形見というカギをもらったのだ。

「まさかと思うが、これが――?」

 オレはそれを本のカギ穴に差し込むと――

「うわっ! なんだぁ!」
 いきなり、本が輝き出す。

「きゃあ!」
「グエル!」

 マルタたちの声が聞こえたが、オレは気が動転して言葉がでない。頭の中に、なにやらたくさんの情報が入ってきているのを感じていた。やがて――

『セットアップが完了しました。再起動します――』

 そういう声が聞こえ、気を失ってしまった。
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