追放されたクズ勇者の死に戻り ~「オマエはクビだ」からやり直したオレは、破滅フラグを折りまくる~

テツみン

文字の大きさ
72 / 84
第四話 クズ勇者、捕まる

その四

しおりを挟む
「アレン、話が違うぞ。これはどういうことだ?」

 マコーミックの質問に、アレンは逆上する!

「うるさい! オマエらが悪い! オマエらがさっさとコイツを始末しないからだ!」

 こん棒を今度はマコーミックと衛兵に向かって振り回した!

「おい! やめろ! 何をする!」
「オレは悪くない! チクショー、みんなオレのジャマばかりしやがって!」
『そうです。アナタは何も悪くない』

 そんなが聞こえた。この声は――

「また、オマエか! オマエの言う通りにやったぞ! なのに、これはどういうことだ!?」
 アレンがに対してそう怒鳴る。

 今のは、魔族――クリネロの声だ。やはりそうか――アレンはこの魔族からオレが神書を手に入れたことを聞き、そして、オレがロゼルを殺し、神書を奪ったことにしろと吹き込んだのだ。

「おい、アレン――何を言っている? 誰と話している?」とマコーミックが混乱した表情をみせている。看守もそうだ――と、いうことは、オレとアレン以外に魔族の声は聞こえていないということか――

「おい、魔族――いや、クリネロ。いったい、どういうつもりだ? 神書は魔族を滅ぼすためのアイテムだろ? あえて、神書のことをアレンに言ったのはどういう理由だ?」
『容易く、私の名前を呼ぶな! この人間風情が! ……まあ、イイでしょう。それはともかく、神書が魔族を滅ぼすアイテムだと本気で信じていたのですね? そんなの真っ赤なウソですよ。むしろ、その逆です』

 ――えっ? そ、それって?

『神書アスタリアズノートは人間を滅ぼすモノです』

 ちょ、ちょっと待て――それはどういう意味だ?
 オレが魔族に聞き出そうとする前に――

「オマエら! オレを無視するんじゃねえ!」
 そう言って、アレンがこん棒を振り回す。それがオレのムネにあたり、「グファッ!」と情けない悲鳴をあげてしまった。
 やべえ、今のであばら骨が折れたかもしれない――

「なぜだぁ! オレは勇者だぞ! なぜ、オレの思い通りにならねえ!」
『それは、アナタにチカラがないからですよ』
「な、なんだと?」

 お、おい! アレンをこれ以上怒らせてどうする?

『アナタは弱い。勇者なんて語らないでください』とまた、アレンを煽る。こらぁ!
「オレが弱い――弱いだと――」

 カラダを震わせるアレン。

『そうです。弱いから誰もアナタの思い通りにならないのです。ですから、私がアナタにチカラを与えましょう。誰もが屈服するほどの圧倒的なチカラを――』
「チカラをくれるだと?」

 ま、マズい。これって、あの時と同じだ――

「アレン! 話を聞くな!」オレはそう叫ぶのだが――
「うるさい! オレに指図するな!」と、またこん棒でたたかれる!

「ブファッ!」ダメだ――クリネロの声に誘導されている。
 このままでは――

「――イイだろう。オマエの話に乗ってやる。オレにチカラを与えろ!」
『フ、フ、フ……賢明な判断です。アナタにチカラを与えましょう! チカラは快楽です! チカラは優越です! チカラこそ全てです!』

「やめろぉ!」

 オレはつながれている鎖を引きちぎろうと暴れる――が、どうやっても切れない。武技で身体強化してもムリだった。
 魔力が付加され強化されているのだろう。くそっ、そこまでやるかぁ!

「おおっ! これは! なんだ! 気持ちイイ! カラダからチカラみなぎるぞ!」

 アレンのカラダが見る見る大きくなり、着ている服が破れて行く。もはや手遅れだ。
「うわっ!」と声をあげてマコーミックと看守が部屋の出口へ向かう。同じタイミングでドアが開いた。

「おい! なんの騒ぎだ?」と武装した衛兵が何人も入ってきた。
 神書が言っていたように、オレが逃げ出したら、問答無用で殺すつもりだったんだな。

「うわっ! なんだこれは!」巨大化していくアレンに衛兵たちも慌てた。
「魔人化だ! コイツのカラダはもう魔人化している!」
 オレがそう言うと、衛兵たちは泣け叫びながら、部屋から逃げ出す。マコーミックもだ!

「こ、こら! オレを置いていくな! この鎖を外せ!」
 そう叫んだが、誰も立ち止まろうなんてしない。

 その間にもアレンのカラダは大きくなり、地下室の天井を押し付けた。
 そして、ミシミシと音を立てて、天井のモルタルが割れていく。それでも、アレンのカラダがさらに大きくなり続けていた!

 ついに、頭上が崩れ始める! それが大きな塊となって降り注いだ!

「うわぁぁぁぁっ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。 ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。 だから、ただ見せつけられても困るだけだった。 何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。 1~2話は何時もの使いまわし。 亀更新になるかも知れません。 他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

処理中です...