追放されたクズ勇者の死に戻り ~「オマエはクビだ」からやり直したオレは、破滅フラグを折りまくる~

テツみン

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第四話 クズ勇者、捕まる

その五

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「エオリア、そして、騎士団の皆様、ご迷惑をおかけしました」

 グエルと一緒に衛兵本部で拘束されていたフィルだったが、王宮騎士団長、エオリア・サンダースが衛兵本部長と掛け合い、フィルだけ解放された。現在は王宮に戻り、こうして騎士団を前に陳謝の言葉を伝えている。

「いえ、私こそ遅くなって申し訳ありません。まさか、ここまで衛兵が強硬な手段に出てくるとは思っていませんでしたので――」

 そうエオリアが無感情な言い方で、そう意見を述べた。

「グエル様とマルタ様はまだ衛兵に拘束されているのですか?」
「はい。解放されたのは殿下だけです。おそらく、衛兵本部は殿下であることを知っていたのでしょう。だから、殿下だけ簡単に引き渡したのだと思います」

 どうしてそれを知っていたのかはわからないが、『フィル・ハース』として、大ごとにせずフィリシア殿下を引き渡したことで、騎士団側は衛兵に貸しを作ってしまった。それは、暗に『これ以上、騎士団が関わるな』と言っている――エオリアはそう自分の考えを言う。

「そうだったのですね……」

 ライトブルーのドレスを纏い、赤毛から金髪へ。フィルからフィリシアへ戻った彼女は、幼いころから姉のように慕うエオリアから話を聞き、うなだれていた。

「殿下、今後はこうした軽率な行為は控えていただきたく存じます。そして、しばらくの間、騎士団が御身の警護をさせていただきますので、ご承知のほどを――」

 エオリアがそう上申すると、フィリシアは「わかりました」と応えた。

「ジャスパード、ドイル、今日は私が殿下を警護する。二人は王宮入口の警備に加わりなさい」

 騎士団長の指示に、後ろに控えていた二人の騎士は、互いの顔を見合わせる。

「しかし団長、私たちは本日、この部屋の外で待機するように仰せつかっていましたが――」

 すると、エオリアは二人を睨む。その視線が恐ろしく、屈強の騎士である二人が「ひいっ」と短い悲鳴をもらした。

「予定を変更する。それとも、私一人では殿下をお守りできないと思うか?」
「滅相もございません! そ、それでは私たちは下がらせていただきます!」

 慌てて、ふたりが部屋の外へ出て行くと、駆け足で離れていく音が聞こえた。

「さて――」エオリアがそうつぶやいたあと――

「殿下ぁぁぁぁっ! 無事でなによりでしたぁぁぁぁっ!」

 いきなり、フィリシアに駆け寄ると彼女の頬に自分の頬をこすり合わせてきた。

「エ、エオリア!? ちょ、ちょっと――」
「本当に、心配で、心配で、心配で、心配で、心配で――」
「わかりました。わかりましたから、少し離れて」

 そう言われても、なかなか離れないエオリア――

「あの男に何もされませんでしたか? されていたら、ヤツの肉片も残らないくらい、切り刻んでやります――」
「大丈夫です。なにもされませんでしたよ。残念ながら――なにも――」とフィリシアは半ベソをかいている。
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