追放されたクズ勇者の死に戻り ~「オマエはクビだ」からやり直したオレは、破滅フラグを折りまくる~

テツみン

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第四話 クズ勇者、捕まる

その八

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「ねえグエル、いったい、何が起きたの? まさか、グエルが!?」
「えっ? 違うぞ。オレは何もしてねえ。これはアレンだ」

 魔族がアレンを魔人化し、その影響で地下牢や建物が破壊したと説明する。

「魔人化!? それで、アレンは?」

 そういえば、どこへ行った? すると、ガシャーンという大きな音が聞こえる。

「行くぞ!」

 マルタと一緒に、音がした方へ向かった――といっても、辺りはがれきだらけで、前へ進むだけでもひと苦労だ。それでも、よじ登ったり、払い除けたりして、なんとか移動する。そして、見えてきたのは――

「な、なんだぁ、アレは!!」

 十メートル以上の巨大な肉塊――見るのもおぞましい姿をしたそれが、形を変えながら、四方にある建物に体当たりして、破壊している。

「グエルあれ!」

 マルタが指した方向を見ると、そこにアレンの顔が見える。ということは、アレが魔人化した姿かぁ!?

「ちょ、ちょっと待て、オレの時とは違うぞ!」

 オレも前の人生で魔族に魔人化された。しかし、こんな姿ではない! たしかに巨大化したが、せいぜい三メートル。それにかろうじて人間の形をしていたし――だが、今、見えているモノはもはや人ではない。

「ボク、アレを古文書で見たことがある――腐塊(ふかい)という、いくつものアンデットが一つの巨大な融合体になったモノだよ。複数の霊体がまとまってできた大きな魔力が、アンデット化した肉体を吸収して、あのような塊になったんだ」

「なんだってぇ!」と叫んだが、実のところ説明を聞いてもよくわからん。とにかく、かなりヤバいモノだということだけわかった。

「おい、どうやって攻撃をすればイイんだ!?」
『解――物理攻撃も有効ですが、魔力の発生源となる核を無力化しないと、破壊しても再生します』

 つまり、それって――

『解――他のアンデットと同じように、消魔薬が有効です。ただし、内部にある核に消魔薬を直接投入しないと効果がありません』

 だとよ。ということは、外側を削って、中身を取り出すしかないってことか――簡単に言っているが、腐塊の中にはアレンのようにまだ生きている者もいる。力技で破壊するとそいつらも犠牲になってしまう。

「おい、アンデットと生きている者を区分けできないか?」
『解――聖水が有効だと判断します。聖水により、アンデットだけが一時的にダメージを与えられるので、魔力の低下により、腐塊を形成できなくなり、剥がれ落ちると考えられます』

 おおっ! それはイイ! それで、腐塊の核となっているアレンを文字通り丸裸にする!

『ただし、聖水により、生きている者は一時的に生命力が上り、より凶暴化すると思われます』

 げっ、それってプラスマイナスゼロということ? まあイイ。アンデットと分離できれば、あとはなんとかなる。

「マルタ、聖水をありったけくれ!」
「聖水なら、ロゼルからもらったモノがあるけど、どうするの?」
「それをクサナギにかけてくれ」

 神剣クサナギのブレイドは魔力を吸引する性質を持っている。聖水は光属性の魔力を大量に含んだ水なので、刃に吸い付くはずなのだ。

「それで、アンデットだけを斬っていく」

 生身の人間は聖水に守られて切れない。それどころか元気になってしまう。

「うん、わかった。それじゃ、かけるよ」
「頼む」

 マルタが聖水の入った水筒を手により、クサナギにかけると、刃に大量の聖水がまとわりつく。

「よし! このくらいでイイだろう」

 ためしに振ってみると、聖水がブヨンブヨンと揺れながらでも、刃から離れない。これなら、全力で振っても、聖水がほとんど飛び散らないだろう。

「それと、ロゼルを助けたときに作った消魔薬をくれるか?」
「これ?」と間髪入れずに出てくる。
 いくら無限収納の扱いに長けた運び屋でも、マルタのように言われたモノがすぐに取り出せるヤツはなかなかいない。さすがだ。

 しかし、これだけか――魔人のカラダにぶっかけるには足りないな。直接、体内に送り込む必要があるだろう。その方法を考えなければならないが、とりあえず消魔薬が入った容器を腰のポケットに入れる。

「まずはアンデットの外皮を削いでいく!」オレは腐塊に向かって飛び込んだ!

 オレに気づいた怪物は、形を急速に変えて、槍状に突き出した『腕』となり、オレに向かって伸びてくる! おい! そんな攻撃、アリかぁ!? とっさにオレはその『腕』をクサナギで斬る!

『ウギャァァァァッ!』

 どこに口があるのかわからないが、そんな気持ち悪い悲鳴をあげると、腕がボロボロと崩れていった。

 よし! 聖水の効果が出ているぞ!
 そうとなれば、思い切りクサナギを振り回すだけだ!
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