追放されたクズ勇者の死に戻り ~「オマエはクビだ」からやり直したオレは、破滅フラグを折りまくる~

テツみン

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第四話 クズ勇者、捕まる

その九

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「うりゃ! うりゃ!」

 腐塊も複数の『腕』を作り、オレを攻撃する――が、一度見た動きならどうってことはない。この程度の速さなら対応できる!
 飛び回りながらも、聖水を纏ったクサナギを振り回す。相手も、聖水に気づいたようで、間合いを取りながら、『腕』を大きく伸ばし、回り込みながら、四方八方から攻撃している!
 だが、そのすべてにオレは対応できた。

「――あれ? なんか視界か広いような――」
『解――神書の機能として、『心眼』を発動しています。三百六十度全ての方角をカバーしました』

 おおっ! なんかスゴいことを言っているぞ!
 それって死角がないっていうことだろ?
 今のオレ、無敵じゃないかぁ?
 さすが、魔王を滅ぼす神器と呼ばれるだけのことはある!

 外部を固めていたアンデットの肉片が削がれ、しだいに魔人化したアレンの姿が露わになってきた。しかし、なんともグロテスク……
 肥大化したアレンの筋肉に衛兵の服を着たカラダがあちこちに突き刺さり、異様な形状となっている。アンデットの肉片が覆っていた時よりも見るに堪えない。

「クサナギに付与した聖水も尽きた頃だし、そろそろ、勝負を決めるか――」

 だからといって、相手の攻撃力が低下したわけではない。肉片を変形して『腕』を伸ばす攻撃はなくなったが、魔人化したアレン本体から攻撃がくる。
 そのうえ、カラダの一部とした衛兵の胴体も『腕』のように扱い、殴ってくる。聖水で、体力が回復してしまったのか? 動きが速い――だが、対応できない速度じゃない!

 魔人本体の肉体は鋼鉄のように硬く、クサナギを持ってしても、キズを与えるのがやっとだ。そのうえ回復も早い。これでは、相手を疲弊させる前に、こっちの体力が持たない。
 オレはいったん、距離を置くため後方へ跳んだ。

「くそ――消魔薬をアレンの体内に送り込む方法を考えないと……」

 そんなふうに考えごとをしていると、マルタの「危ない!」という叫び声が聞こえた。

「――えっ?」

 アレンの目が赤く光ったと思ったら、光線となって、こっちに向かってくる!

「うわっ!」かろうじて躱したが、光線が当たったがれきがドロドロに溶けていた。

「マジかよ。なんだよあれ? 魔法? オレが魔人化したときにはあんなのなかったぞ?」

 エコヒイキだ――なんて、文句を言っている場合じゃねえ!
 これじゃ、近づけない!

 魔人はそれからも光線を放ってくる。何度か躱しているうちに、マルタの前に出てしまった。

 マズい! 避けてもマルタに当たってしまう!

 オレはクサナギを立てて、光線を受け止めようとした。頼む! クサナギ!

 バーン!
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