BLゲームの世界に転生したら騎士二人の♂♂の受けとなった。

ほのじー

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表彰

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「第二騎士団、団長ジェイク・クイン・・・」
「はっ」
「副団長、セル・ファウラー・・・」
「はっ」


活躍した人が次々と表彰されていく。お立ち台で輝くジェイクとセルを見て、レイは彼らが非常に遠く感じる。平民であるレイがこれほど彼らの近くにいることが罪のような感覚がしていた。二人は他の貴族たちに話しかけられ、対応をしていた。レイはお酒を飲みながらパーティーを観察していると、エリカ妃がレイを呼んだ。


「レイちゃん、パーティー楽しんでる~?」
「ええ・・・とっても!!でも楽しみにしてたダンスは誰も誘ってくれませんでした・・・」


レイは一人くらい誰かダンスに誘ってくれる人もいるだろうと期待したが、誰も誘ってくれず、せっかくの初パーティーにがっかりした。


「うーん、そりゃねー。後ろにあんな独占丸出しの男二人いたら、そりゃ誘えないよねー」
「・・・?」


レイには見えていなかったが、男がレイに近づこうとすればジェイクとセルが睨みをきかせていたのだ。


「じゃ、しょんぼりしてるレイちゃんに、良いもの見せてあげるっ!!こっち来て」
「エリカ妃・・・いいんですか?」
「いいの、いいの~」


エリカがレイをパーティー会場の庭に連れていく。そこは迷路のように木や花が植えられ、太陽の光で花や葉が輝いている。相当腕のたつ庭師がいるのであろう。その間をエリカはてくてくと進み、レイは必死についていく。


「エリカ妃・・・どこまでっ・・・」
『しーっ!!』


エリカはレイの腕を掴み、さらに奥へと入っていく。すると人影が二つ、浮かび上がった。誰がこんなところにいるのだろうかとレイは疑問に思う。じっとその二人を観察すると、一人は花切りハサミを持っており、もう一人は上品なスーツを着ていた。耳を澄ますと、声が聞こえエリカとレイは木の影に隠れる。


「ああ・・・素敵な作品が完成しましたよ。最高傑作です」
「・・・んあっ」


(こ、こ、こ、これは──────!!)


レイは鼻を必死に押さえた。鼻血が噴き出さないように堪える。エリカはレイを見て、『その気持ち分かるわー!!』というテレパシーを送りながら、エリカも鼻を押さえている。


「お尻の中で、綺麗なお花が咲いてますよ」
「こ、こんな明るい場所で、やめろ///」
「大丈夫、誰が見ても高級な花瓶にしか見えないですし、気がつかないですから」


(いやいやいや、立派なお尻にしか見えません)


この二人、ゲームの中の登場人物で一人は有名な庭師である。彼の作品は何度も入賞し、他国でも展覧会を行う程の実力者だ。立派なお尻に茎部分を入れられ花が咲いているこの人物は伯爵の息子で、甘やかされたのか少し生意気だ。しかし庭師が彼の性格を調教して立派に成長していくという感動的ストーリーがあるだ。


(ああああ、このシーンを間近で見れるなんて・・・エリカ妃・・・グッジョブ)


レイはエリカにグッと親指を立てた。エリカもレイに向き、グッと親指を立てる。男がモゾモゾと動くと花も左右に動き、お金を払ってでも見たい光景である。


(ごっくん)


間近で観賞したいと、エリカとレイは気がつかれるギリギリの距離ににじりよった。



(はぁっ!!こ、こっから良く見え・・・)



──スパーン!!
──スパーン!!


エリカとレイの頭に衝撃が走る。


「いたっ・・・」


後ろを振り向くと、レオン、ビッグ、そしてジェイクとセルが仁王立ちしていた。ビッグの手にハリセンという日本の武器を持っているのは目の錯覚であろうか。


(なんでここに四人が・・・?って、ゆ、夢のキャラクター四人、いや、後ろも含めると六人、大集合──!!)


レイが鼻を再び押さえると、エリカも鼻を押さえて情景を楽しんでいる。


「ねえ、こんなところで何してるの、レイちゃん?」
「お、お、お花、綺麗なお花(お尻)が咲いていて、楽しんでました」
「そ、そうなの~レイちゃんに見せてあげてたの~。素敵なお庭でしょ?あは、あはははは」


エリカもレイも動揺して言葉がたどたどしくなる。四人の目は据わっており、エリカとレイは小さな悲鳴をあげた。庭師と伯爵家息子は人の気配を察知したのか、すでにいなくなっているようだ。


「やっと挨拶から解放されたんだ。レイ、今から戻って踊るぞ」
「え、いいんですか?」
「その次は僕と踊ってね、レイちゃん」
「は、はい・・・お二人ともお優しい・・・私が誰にも誘われないので、同情してくれてるんですねっ・・・」


レイがジェイクとセルの言葉に感動していると、レオンとビッグは「類は友を呼ぶ・・・」とボソリと呟いた。


「何言ってるの、レイちゃん。誰かと踊ったりなんかしたら、僕まちがってその男、殺しちゃうかもだから、絶対やめてね」
「セル、それはやりすぎだ。レイを触った腕を切り捨てて、レイを見た両目を潰すくらいにしとけよ」
「あはは、面白い冗談いいますね、二人とも」


エリカが「いやいやいや、彼らの目、本気ですけど」と呟いているが、レイは先ほど庭師たちがいた位置に花が一輪落ちていることに気がつき、それに意識が吸い寄せられ彼らの話はほとんどスルーである。


(あ、あれは、さっき、お尻に咲いていた・・・花!!)


焦ってここから去ったのか、花を持っていく余裕はなかったようである。レイの表情に、エリカのBLセンサーが発動する。そしてレイの視線の先を同じく見て、目を見開いた。


『あれって・・・もしかしてっ』
『はい・・・そのもしかしてです』


レイとエリカはテレパシーで会話する。ゴクリと唾を飲み込み、ゆっくりとそちらに向かう。


──グシャッ


「「あああああああ!!」」


大きなジェイクの足がその花を踏んでしまう。


「ん?なんだ?」


無惨に踏み潰される花の様子を見てレイとエリカは涙を拭う。


(素敵なコレクションが・・・)


この国の国宝が失われた瞬間であった。
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