元不良の悪役令嬢は最年少ドS魔法使いに躾される

ほのじー

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鳥小屋の中

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「くそっ・・・頭が狂いそうだ」


マリアンヌは意地でその日小屋の中で耐えた。しかし何もない小屋でマリアンヌは歌を歌ったりするも、すぐに何もすることがなくなり、独り言を言うしかなくなってくる。


「飯も本当にかったいパンだけじゃねえか。まじであいつ、ここから出たらただじゃおかねえ」


時間が来ると、水とパンが現れる。小さなパン一つでは十分とは言えず、空腹感も襲ってきた。


──キィイ──


その日の終わりに(正確な時間は分からないが、そうマリアンヌは判断する)ユーグがマリアンヌの様子を見に来るのだが、マリアンヌは負けてたまるかと彼を睨み付けた。


「あれ、まだ反省できてないんだ」
「こんな場所で過ごさせるなんてどんな神経してるんだ!!早く出せ!!」
「ペットの躾は大事だからね」
「誰のこと・・・!!」


──バタン──


ユーグは扉を閉め、去っていく。マリアンヌに再び孤独な時間が訪れ、もう必要以上に寝るしかなくなった。







「三日もよく耐えるね・・・その根性には感服するよ」


あれから三日が経ったようだ。マリアンヌはもう時間の感覚がなくなり、眩しい光に目を細めた。髪や体が砂にまみれ体臭で服も臭くなっている。


(もう、嫌だ、なんでこんな奴のとこ来るって決めちまったんだ)


「いったいっ・・・何を私にしてほしいんだ」
「小屋に入れるときに言ったじゃないか」


(まさか、本当にやれってか??)


マリアンヌはもう既に限界である。これ以上ここで過ごせば気が狂い死んでしまう気がした。


「ほら、反省したか僕に見せてみて」
「っ・・・」


(やりたくねえけど、その一言で、普通の生活ができる・・・ここで、反省してる振りさえすれば・・・戻れる)


マリアンヌは折れた。プライドを捨てる決心して彼の前で正座をする。そして深く土下座をした。そしてボソボソと声を発した。


「ごめんなさい、マスター・・・」
「・・・声が小さくて聞こえないな」


(くそっ・・・我慢我慢我慢我慢)


「ごめんなさい、マスター!!」


ユーグは満足したかのように、マリアンヌを撫でた。


「良く言えたねぇ、偉いよ」
「・・・」


(ガキが子供扱いしやがって・・・後で覚えとけよ)


ユーグはマリアンヌを小屋から出した。フラフラなのでユーグに支えられないと家の中に戻れない。その支える手は思ったより優しい。


「ご飯作ってあげるから、ちょっと待っててね」


良い匂いが漂ってくる。その間にマリアンヌはとりあえず顔を洗った。


──グウウウウ


「はは、お腹が空いたんだね。今できるよ」


食事が完成し、マリアンヌは椅子に座ろうとするも、椅子はなく、部屋の端にクッションが置いてあった。


「ほら、これからこのクッションの上が君の食事場所だよ。ここでいつも僕が食べさせてあげるからね」
「・・・くっ」

ユーグがベーコンを手にとり、マリアンヌの口に持っていく。まるで犬に餌をあげるようだ。


(この野郎・・・)


しかしマリアンヌにもう反抗する力は残っていなかった。目の前にある美味しそうな匂いにマリアンヌは「今だけ、今だけ我慢だ」と言い聞かせ、そのベーコンにかぶり付いた。


「偉いねえ。ちゃんと僕の汚れた指も舐めるんだよ」


マリアンヌはもう食事の為ならとケチャップの付いたユーグの指先を舐めあげた。


──チュパッ、チュパ


全て平らげると、少し眠くなってくる。


「ほら、寝る前にお風呂入らないとだろう」
「あ、ああ・・・」


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