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Commentary
割り込み
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「晶……」
菊が悲しそうに言う。
彼から離れながら晶は続けた。
「依存して嘘ついてたのは悪かったけど、俺に割り込んで来るなんて卑怯だろ!
自分だけ除け者みたいにしやがって」
驚くべき事に彼の中では、
『自身が嘘をついて皆を騙し続けていた』罪悪感はあまり重点が置かれておらず
『そういう割り込みは卑怯。自分が利用出来ない話題は腹が立つ。許せない』
からどっちもどっち、という主張に変換されていた。
その結果、藍鶴色に対しても、『自分は何もしていないのに勝手に喧嘩を売ってきた』と考えている。
これが彼の処世術なのだろう。
「誰に謝れと言われても謝ってやらない」
「あっくん。認めなきゃ和解にならないよ……和解、しなくていいの?」
彼が何もしていないのにと考えている以上、和解は不可能だなと思いながら
花子は尋ねた。
「和解=詐称の話を認める、って?」
ふざけるなよ、と晶が吠える。
「和解なんか要らない。俺は、いつも一緒にいてくれる優しい人に何をしてでもすがりつきたいと思ってた。けど、いざというとき邪魔する為に割込んでくるやつに頭を下げる必要は無いと思った」
「友達や、撫子のことは?」
疑問を呈したのは
意外にも撫子だった。
「本来必要無い他者への依存って、悪いことなんだよね?」
「撫子……」
晶が、撫子の方を向く。
「撫子は藍鶴色の気持ち、わかるよ。蛇さんと撫子の間に晶が割り込むってことでしょ?」
菊や花子は、二人の関係を知らない。
晶が撫子を呼んだことに、接点があるのかと驚いている。
「どんなに嫌がってもお母さんやお父さんが此処まで見に来るって事でしょ?
蛇さんに茹で卵を作る一番大切な時間を勝手にありふれた日常仕草だと名付けて、身近な人すらそう見てきて、貴方のためなんて勝手に大義名分で気持ちを無視されて」
でも、自分が助かるためというだけで。
嫌じゃないとか恥ずかしくない筈だとか、勝手に決め付けて蹂躙する。
その上で偉そうに講釈を垂れている。
偉いとか賢いとは思わない。
「友達や撫子たちだって、上の人がそうやって割込んで来て、その事をなんとも思ってなかった。
ねぇ、嘘や学歴で怒るのは皆に馬鹿にされるから?同じくらい、いやそれ以上に毎日――」
ガチャ、とドアが開く。
「皆、楽しそうだね!」
ひょろっとした眼鏡に和服の男性がにこやかに登場する。
「タッキー!」
菊が悲しそうに言う。
彼から離れながら晶は続けた。
「依存して嘘ついてたのは悪かったけど、俺に割り込んで来るなんて卑怯だろ!
自分だけ除け者みたいにしやがって」
驚くべき事に彼の中では、
『自身が嘘をついて皆を騙し続けていた』罪悪感はあまり重点が置かれておらず
『そういう割り込みは卑怯。自分が利用出来ない話題は腹が立つ。許せない』
からどっちもどっち、という主張に変換されていた。
その結果、藍鶴色に対しても、『自分は何もしていないのに勝手に喧嘩を売ってきた』と考えている。
これが彼の処世術なのだろう。
「誰に謝れと言われても謝ってやらない」
「あっくん。認めなきゃ和解にならないよ……和解、しなくていいの?」
彼が何もしていないのにと考えている以上、和解は不可能だなと思いながら
花子は尋ねた。
「和解=詐称の話を認める、って?」
ふざけるなよ、と晶が吠える。
「和解なんか要らない。俺は、いつも一緒にいてくれる優しい人に何をしてでもすがりつきたいと思ってた。けど、いざというとき邪魔する為に割込んでくるやつに頭を下げる必要は無いと思った」
「友達や、撫子のことは?」
疑問を呈したのは
意外にも撫子だった。
「本来必要無い他者への依存って、悪いことなんだよね?」
「撫子……」
晶が、撫子の方を向く。
「撫子は藍鶴色の気持ち、わかるよ。蛇さんと撫子の間に晶が割り込むってことでしょ?」
菊や花子は、二人の関係を知らない。
晶が撫子を呼んだことに、接点があるのかと驚いている。
「どんなに嫌がってもお母さんやお父さんが此処まで見に来るって事でしょ?
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でも、自分が助かるためというだけで。
嫌じゃないとか恥ずかしくない筈だとか、勝手に決め付けて蹂躙する。
その上で偉そうに講釈を垂れている。
偉いとか賢いとは思わない。
「友達や撫子たちだって、上の人がそうやって割込んで来て、その事をなんとも思ってなかった。
ねぇ、嘘や学歴で怒るのは皆に馬鹿にされるから?同じくらい、いやそれ以上に毎日――」
ガチャ、とドアが開く。
「皆、楽しそうだね!」
ひょろっとした眼鏡に和服の男性がにこやかに登場する。
「タッキー!」
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