異世界に召喚された俺が召喚したのは異世界の勇者だった?

310番

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港町編

決着?

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スラさん達は俺達の援護の下、ビッグヘドラーの前に辿り着いた。
ビッグヘドラーは体からヘドロを産み出し、海を汚染していた。その周囲は死んだ魚が浮いていた。

「これは早く倒さなきゃ不味いな。」
「ええ。」
「スラミ、テンペストはいけるか?」
「いけるわ。」
「じゃあ、始めてくれ。」

「それは少々お待ちいただきたい。」
「!?お前は!?王都の?」
「おやおや、これは私のゴブリンキングを倒した冒険者様ではないですか。」
「この魔物もお前が原因か!」
「そうですとも、私が育てた魔物ですよ。」
「なぜ、こんなことをする。」
「戦争に勝つためですね。食料を潰すのは大事でしょう?」
「戦争?お前ら一体何者だ?」
「はっはっは、それを教える義理はないでしょう。」
「そうか、じゃあ、力ずくで教えてもらうとしよう。スラミ!」
「ええ!テンペスト!」
 
 巨大な風の渦が男に襲いかかる。すると、呆気なく男の体は吹き飛ばされた。

「え、よっわ。」
「ふふふ、お気付きでない?」
「?」

男はそういうとボロボロにも関わらず、すくっと立ち上がる。

「これは、私の分身体ですよ。いくら傷つけても、本体である私は倒せません。それに、私があなた方に手を出す気もありません。」 
「では、なぜここに来た?」
「くっく、その魔法を消費させるためですよ。」

テンペストの打てる数には限界があるそこを読まれていた。

「再度打つにも時間がいるのでしょう?それであれば十分海を汚染できますしね。私の目的は果たされました。
 ということで、私はここでおさらばします。また会ったときはよろしくお願いしますね。」
「待て!」

そういうと、男の分身体は糸が切れたからのようにその場に倒れた。

「くそ!」
「スラ、なんなの?」
「話は後だ!スラミ、次打つのにどれくらいかかる。」
「3分。」
「わたった。その間はお前を守る。貯めることに集中してくれ!」

「ゴォー」

スラさんたちが話終わったあたりで、ビッグヘドラーに変化が起きる。今までは山のような形であったが、ピラミッド状に変化したのだ。

「あれは?」
「もしかしたら、進化?」
「たしかに、あの魔物からの圧が変わった気もするけど……。」
「もしかしたら、進化の前兆かもしれない。スラミ、急ぐんだ!」
「ええ!」

そのまま、俺達はスラミの準備を各々の仕事をこなしながら待つ。

「いける!」
「了解だ!」
「くらいなさい!テンペスト!」

スラミのテンペストは周囲のガスを吹き飛ばした。
そして、そのままビッグヘドラーを取り囲む。

「スラ!」
「ああ!ファイヤーポール!」

スラさんは、ファイヤーポールを魔物に叩き落とす。

「ゴォー。」

「効いていないか。しかし、これで終わりじゃないぞ。」

そうここからが俺達が止めを刺すために立てた作戦の山場だ。

「テンペストの風で火力アップよ!」

次第に火柱が大きくなっていく。さらに……

バーンバーン!

テンペストにより取り込まれたガスが爆発する!

「ゴオーーー!」

今までとは違い苦しそうな声が海岸に響く!

「ウォー!」
「ハァー!」

その断末魔が消えるまでひたすらに魔力をそそぐスラミとスラさん!

「ゴ……」

そして、数分後ビッグヘドラーの声が途絶えた。俺達は勝ちを確信した。しかし……。

「スラさん、やったね!」
「ああ、あとはヘドラーさえ倒せば……な、なんだ!」

ビッグヘドラーが倒れたあたりから急に強烈な光が吹き出し始めたんだ……。
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