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31『プリンセス ミナコ・13』
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ミナコ転生・31
『プリンセス ミナコ・13』
ミナコはローテの腕を掴んで放さなかった!
すぐにSP部長のダニエルと侍従武官長のダンカン大佐が駆けつけた。
「だめええええええええ! みんな来たら、重みで残りのバルコニーも崩れてしまう!!」
ミナコはあらん限りの声で叫んだ。
そのとき一陣の風が吹いてきて、ミナコのドレスの裾を派手にまくり上げ、キティーちゃんのおパンツが、丸出しになった。
「寄るな、ここから先は国家機密だ!」
ダンカン大佐が、宮殿ごと壊れそうな大声で怒鳴った。
「かまわないから、ザイルか……カーテンでもいいから、投げてちょうだい!」
ダニエルの部下が、カーテンを引きちぎり始めた。
―― 殿下! ローテ嬢は、我々が受け止めまーす! どうか殿下は、お手をお離しになって下さい! ――
下の庭で、警備兵が四人ほどで腕を組んで、受け止める体制をとっていた。
「ローテ、どっちにする? カーテン待つ? それとも下で受け止めてもらう?」
「下で受け止めてもらう!」
「おパンツ見えるけどいい?」
「見えないようにするもん!」
「じゃ、決まりね。下の人たちよろしく!」
ミナコが手を放すと、ローテは実に物理法則に従順に墜ちていった。本人の努力虚しくスカートは、おちょこになった傘のようになり、スターウォーズのアミダラ女王がむき出しになった。
「うまくいったわ、直ぐに助けに行ってあげて」
「お前たち、すぐに行け!」
ダニエルが、ミナコと同時に叫んでいた。
「お姉ちゃん、せめて花柄ぐらいにしとけばよかったのに」
「お祖母ちゃん、ここは、わたしが指揮を執るわね。王女としての最初の仕事よ」
「少し派手だけど、記録に残すのには劇的でいいわね」
これで、案外簡単にローテのクレルモン家との確執は解決しそうな気配がした。
しかし事態は思わぬ方向に展開していく。
「大変です、ローテ嬢が何者かにさらわれました!」
「下にいた警備兵はにせ者でした!」
「怪しい警備車が、東北の方に!」
ダニエルの部下たちが次々と報告をしにきた。
「バルコニーには、小型の爆薬が仕掛けられていました。これです」
ダニエルの手にはコオロギが載っていた。
「こうなります……」
ダニエルが、広間の真ん中に置くと、鳴き声と共に、発火し指向性の強い閃光がして、飾りヨロイの胸に穴を開けた。
「こいつを幾つか仕込んで、お庭の虫の声に紛らせて、バルコニーを少しずつ破壊していったんでしょう。犯人は、おそらく警備兵に化けていた連中です」
「いったい、だれが、こんな怖ろしいことを……」
女王がため息をつき、みなが顔を伏せた瞬間、すごいスピードで紙飛行機が飛んできた。
「だれだ!?」
「無駄だ、庭の木のどこかに細工がしてあって、時間が来たら、ここに飛び込む仕組みになっていたんだろう。かすかに火薬の臭いが……それよりも、付いている手紙が問題だ」
――ローテは預かった、ローテの命が惜しければ、明日の夕刻に我々が指示する場所にミナコ王女が一人で来るように。場所と時間はおって連絡する――
差出人は、ミナコ民族解放戦線とあった……。
『プリンセス ミナコ・13』
ミナコはローテの腕を掴んで放さなかった!
すぐにSP部長のダニエルと侍従武官長のダンカン大佐が駆けつけた。
「だめええええええええ! みんな来たら、重みで残りのバルコニーも崩れてしまう!!」
ミナコはあらん限りの声で叫んだ。
そのとき一陣の風が吹いてきて、ミナコのドレスの裾を派手にまくり上げ、キティーちゃんのおパンツが、丸出しになった。
「寄るな、ここから先は国家機密だ!」
ダンカン大佐が、宮殿ごと壊れそうな大声で怒鳴った。
「かまわないから、ザイルか……カーテンでもいいから、投げてちょうだい!」
ダニエルの部下が、カーテンを引きちぎり始めた。
―― 殿下! ローテ嬢は、我々が受け止めまーす! どうか殿下は、お手をお離しになって下さい! ――
下の庭で、警備兵が四人ほどで腕を組んで、受け止める体制をとっていた。
「ローテ、どっちにする? カーテン待つ? それとも下で受け止めてもらう?」
「下で受け止めてもらう!」
「おパンツ見えるけどいい?」
「見えないようにするもん!」
「じゃ、決まりね。下の人たちよろしく!」
ミナコが手を放すと、ローテは実に物理法則に従順に墜ちていった。本人の努力虚しくスカートは、おちょこになった傘のようになり、スターウォーズのアミダラ女王がむき出しになった。
「うまくいったわ、直ぐに助けに行ってあげて」
「お前たち、すぐに行け!」
ダニエルが、ミナコと同時に叫んでいた。
「お姉ちゃん、せめて花柄ぐらいにしとけばよかったのに」
「お祖母ちゃん、ここは、わたしが指揮を執るわね。王女としての最初の仕事よ」
「少し派手だけど、記録に残すのには劇的でいいわね」
これで、案外簡単にローテのクレルモン家との確執は解決しそうな気配がした。
しかし事態は思わぬ方向に展開していく。
「大変です、ローテ嬢が何者かにさらわれました!」
「下にいた警備兵はにせ者でした!」
「怪しい警備車が、東北の方に!」
ダニエルの部下たちが次々と報告をしにきた。
「バルコニーには、小型の爆薬が仕掛けられていました。これです」
ダニエルの手にはコオロギが載っていた。
「こうなります……」
ダニエルが、広間の真ん中に置くと、鳴き声と共に、発火し指向性の強い閃光がして、飾りヨロイの胸に穴を開けた。
「こいつを幾つか仕込んで、お庭の虫の声に紛らせて、バルコニーを少しずつ破壊していったんでしょう。犯人は、おそらく警備兵に化けていた連中です」
「いったい、だれが、こんな怖ろしいことを……」
女王がため息をつき、みなが顔を伏せた瞬間、すごいスピードで紙飛行機が飛んできた。
「だれだ!?」
「無駄だ、庭の木のどこかに細工がしてあって、時間が来たら、ここに飛び込む仕組みになっていたんだろう。かすかに火薬の臭いが……それよりも、付いている手紙が問題だ」
――ローテは預かった、ローテの命が惜しければ、明日の夕刻に我々が指示する場所にミナコ王女が一人で来るように。場所と時間はおって連絡する――
差出人は、ミナコ民族解放戦線とあった……。
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