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第4話 連絡先と「また今度」
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第4話 連絡先と「また今度」
仕事中に、誰かの顔を思い浮かべることなんて、これまでほとんどなかった。
目の前の数字と書類とメール。
それを淡々と処理していれば、一日は勝手に終わる。
僕の社会人生活は、ずっとそういうものだった。
なのに、その日は少し違った。
ふとした瞬間に、コンビニの前のベンチと、
そこで「冬馬」と呼んだ彼女の声が、何度も頭をよぎった。
名前で呼ばれることが、こんなにも意識に残るとは思っていなかった。
「冬馬くん、これ確認お願い」
「あ、はい。……いえ、分かった。見ておきます」
同僚に返事をしながら、自分の言葉に少し違和感を覚える。
「はい」と言いかけて、「分かった」に言い直した。
昨夜の会話の余韻が、まだどこかに残っているのかもしれない。
仕事が終わる頃には、外はすっかり暗くなっていた。
帰り道。
足は自然と、あのコンビニへ向かっていた。
誰かに会えると期待していたわけではない。
ただ、いつもの店でいつものコーヒーを買うだけ──のつもりだった。
自動ドアが開く。
チャイムの音。
蛍光灯の白い光。
視線を右に向けると、コピー機の前に人影があった。
フードもパーカーもない、薄いコート。
髪をひとつに結んだ横顔。
やはり、咲良だった。
「あ、来た」
彼女は、まるで僕が来るのが分かっていたかのように、軽く手を振った。
「……待っていたんですか」
「うん。
君、同じ時間に同じ道通りそうだな~って思って」
「発想が少し怖いですね」
「褒め言葉として受け取っとく」
コピー機の上には、昨日のような写真ではなく、
手書きのメモや印刷した紙片が並んでいる。
「今日は遺影選びじゃないんですか」
「もうあれは仮決定したよ。
あとは“生きてる顔”を、もう少し増やしてから本決定」
さらりと口にされる“生きてる顔”という言い方に、
言葉を返すタイミングを少しだけ失う。
「でね、今日は二つ目いこうかなって」
「二つ目、ですか」
「“死ぬ前に君と”リスト、第二弾」
咲良はノートを取り出し、表紙をぱたんと開く。
手書きのタイトル──
『死ぬ前にやりたいことリスト』。
その文字を見るたび、胸のどこかがわずかにざわつく。
「元々はさ、“誰かと連絡先交換する”ってだけだったんだけど」
咲良は新しいページを開き、ペンを走らせた。
「こうしよ」
ノートをこちらに傾ける。
──2.君と連絡先を交換する。
──3.誰かに“また今度”って普通に言う。
「……一つ増えましたよね」
「セットだから。
連絡先だけ交換しても、使わなかったら意味ないでしょ?
だから、“また今度”ってちゃんと言える相手がほしかったの」
“また今度”。
よく聞く言葉のはずなのに、
自分の口から出したことは、あまりない。
約束を曖昧に先延ばしにするような、
そんな印象があって、あまり使いたくなかった。
「それを、僕にやらせるつもりですか」
「うん。
君、そういうの守りそうだし。
“また今度”って言ったら、本当にまた今度くれそう」
「信用の仕方が少しおかしい気がします」
「いいの。私が得する方向に使うから」
咲良はスマホを取り出した。
「じゃ、交換しよ。
LINEでもなんでもいいけど」
「……分かりました」
QRコードを出し合い、読み込む。
操作は簡単なのに、指先が少しだけ汗ばむ。
友人が全くいないわけではない。
それでも、“自分から”誰かと連絡先を交換することは、多くなかった。
「冬馬、アイコンそれ?」
画面に表示された僕のアカウントを見て、咲良が笑う。
「何か問題ありますか」
「問題っていうか……なんか、履歴書の証明写真みたい」
「本人確認ができれば十分でしょう」
「いやいや、“死ぬ前に君と”付き合ってくれる人のアイコンがそれって、ちょっと渋すぎない?」
「遺影を選んだ人に言われたくはないですね」
「それもそうかも」
咲良はくすっと笑って、今度は自分の画面をこちらに向ける。
咲良のアイコンは、逆光気味の空の写真だった。
そこに、小さく人の後ろ姿が映っている。
「これ、咲良なんですか」
「うん。
自撮りアイコンって、なんか照れるじゃん。
後ろ姿くらいがちょうどいい」
「らしい気はしますね」
「でしょ?」
交換が完了したことを示す通知が、画面に表示される。
──“咲良”が友だちに追加されました。
それだけの文言なのに、
自分の生活のどこかに、小さな異物が混じったような気がした。
「はい、これで二つ目達成」
「ずいぶんあっさりしてますね」
「連絡先交換なんてそんなもんでしょ。
本番は三つ目、“また今度”のほうだから」
咲良はノートの「3」の行を指でとんとんと叩く。
「今日のところは、ここまで。
次会う約束を、ちゃんと言ってほしいの」
「次……ですか」
言葉が少しだけ喉につかえる。
“また今度”。
軽く使えば便利な社交辞令にもなるし、
重く使えば、それなりの覚悟を含んだ言葉にもなりうる。
「冬馬から言って」
「僕から、ですか」
「うん。
私から“また今度ね”って言うのは簡単だから。
君の口から聞きたい」
彼女はいつもの調子でふざけたように見せながら、
目だけは、真っ直ぐだった。
少しだけ考え、息をひとつ吐く。
「……じゃあ、その。
また今度、どこかでコーヒーでも飲みましょう」
言ってから、少しだけ可笑しくなる。
やっていることは、いつもとほとんど変わらないのに、
わざわざ言葉にするのは、妙にこそばゆかった。
「うん、それいいね」
咲良は、満足そうに目を細める。
「“また今度、どこかでコーヒーでも”。
ちゃんと覚えとく」
「忘れてもらって構いませんよ」
「忘れないよ。
忘れたくても忘れられないほうのやつだから」
ノートの三つ目に、小さくチェックがつけられる。
──3.誰かに“また今度”って普通に言う。✔
「これで、二つ進んだ」
「カウントの仕方が雑ですね」
「いいの。
大事なのは、“君と進んだ”ってことだから」
あまりにも何でもないように言うので、
その重さを測ることができない。
「じゃ、今日は解散」
咲良はノートを閉じ、スマホをポケットにしまった。
「帰ったら、ちゃんと“着いた”ってメッセージして」
「……子ども扱いしないでください」
「しないしない。
でも“死ぬ前にやりたいこと”やってる身としては、
途中で君に死なれるのは困るから」
「気をつけて帰りますよ」
「うん、それでよし」
そう言って、咲良は先に店を出た。
自動ドアが開き、夜の空気が流れ込む。
彼女の後ろ姿が、街灯の下に少しだけ滲んだ。
僕も会計を済ませ、コンビニを出る。
すでに咲良の姿は見えない。
さっきまで同じ店内にいたことさえ、夢のように感じられる。
手の中のスマホを見下ろす。
──咲良。
新しく増えた名前を指先でなぞりながら、
小さく呟いた。
「……また今度、か」
口の中で繰り返してみる。
簡単な言葉のはずなのに、
どこか重さを含んでいるように感じられた。
* * *
その夜。
風呂から上がり、布団に入る前。
机の上に置いていたスマホが震えた。
──咲良:ちゃんと家、着いた?
“二つ目”の確認が、思ったより早く来た。
しばらく画面を見つめてから、指を動かす。
──冬馬:着いた。
そっちは。
送信ボタンを押したあとで、少しだけ迷う。
“そっちは”という言い方すら、
自分にしては十分にくだけている気がした。
すぐに、返事が来る。
──咲良:ちゃんと生きてるよ。
君に“また今度”って言われたからね。
画面の文字列を見ながら、
胸の奥で何かが静かに動いた気がした。
返信は、短く。
──冬馬:それなら、よかった。
たったそれだけの文でも、
送信ボタンを押すまでに、想像以上の時間がかかった。
* * *
同じ頃、咲良の部屋。
机の上には、開かれたノートが置かれている。
──2.君と連絡先を交換する。✔
──3.誰かに“また今度”って普通に言う。✔
その下に、今日の日付を書き、
ゆっくりと言葉を綴っていく。
『コンビニで、君と連絡先を交換した。
通知に“咲良が友だちに追加されました”って出たのを見て、
少し笑いそうになった。
君のスマホの中に、自分の名前が増えただけ。
それだけのことなのに。
“また今度”って言葉は、ずっと嫌いだった。
期待させて、結局何も起きないときのための、便利な逃げ道みたいで。
でも、君が言った“また今度”は、
なぜかちゃんと来る気がした。
そう思ってしまう自分が、一番危ない。
だってそんなふうに思い始めたら、
“死ぬ前に”って言い訳が、だんだん使えなくなっていく。
……でも今日は、とりあえずそれでいいことにする。
これは、私だけの問題だから。』
少しだけ迷ってから、もう一行足す。
『君には絶対、見せないページ。
“また今度”って言わせてしまった私の、勝手な後始末。』
ペンを置き、ノートを閉じる。
枕元に置いたスマホの画面には、
さっきまでやりとりしていたメッセージが残っている。
──冬馬:それなら、よかった。
「……よかった、ね」
小さくつぶやき、
咲良は目を閉じた。
明日が本当に来る保証なんてどこにもない。
それでも、「また今度」という言葉は、思った以上に甘かった。
仕事中に、誰かの顔を思い浮かべることなんて、これまでほとんどなかった。
目の前の数字と書類とメール。
それを淡々と処理していれば、一日は勝手に終わる。
僕の社会人生活は、ずっとそういうものだった。
なのに、その日は少し違った。
ふとした瞬間に、コンビニの前のベンチと、
そこで「冬馬」と呼んだ彼女の声が、何度も頭をよぎった。
名前で呼ばれることが、こんなにも意識に残るとは思っていなかった。
「冬馬くん、これ確認お願い」
「あ、はい。……いえ、分かった。見ておきます」
同僚に返事をしながら、自分の言葉に少し違和感を覚える。
「はい」と言いかけて、「分かった」に言い直した。
昨夜の会話の余韻が、まだどこかに残っているのかもしれない。
仕事が終わる頃には、外はすっかり暗くなっていた。
帰り道。
足は自然と、あのコンビニへ向かっていた。
誰かに会えると期待していたわけではない。
ただ、いつもの店でいつものコーヒーを買うだけ──のつもりだった。
自動ドアが開く。
チャイムの音。
蛍光灯の白い光。
視線を右に向けると、コピー機の前に人影があった。
フードもパーカーもない、薄いコート。
髪をひとつに結んだ横顔。
やはり、咲良だった。
「あ、来た」
彼女は、まるで僕が来るのが分かっていたかのように、軽く手を振った。
「……待っていたんですか」
「うん。
君、同じ時間に同じ道通りそうだな~って思って」
「発想が少し怖いですね」
「褒め言葉として受け取っとく」
コピー機の上には、昨日のような写真ではなく、
手書きのメモや印刷した紙片が並んでいる。
「今日は遺影選びじゃないんですか」
「もうあれは仮決定したよ。
あとは“生きてる顔”を、もう少し増やしてから本決定」
さらりと口にされる“生きてる顔”という言い方に、
言葉を返すタイミングを少しだけ失う。
「でね、今日は二つ目いこうかなって」
「二つ目、ですか」
「“死ぬ前に君と”リスト、第二弾」
咲良はノートを取り出し、表紙をぱたんと開く。
手書きのタイトル──
『死ぬ前にやりたいことリスト』。
その文字を見るたび、胸のどこかがわずかにざわつく。
「元々はさ、“誰かと連絡先交換する”ってだけだったんだけど」
咲良は新しいページを開き、ペンを走らせた。
「こうしよ」
ノートをこちらに傾ける。
──2.君と連絡先を交換する。
──3.誰かに“また今度”って普通に言う。
「……一つ増えましたよね」
「セットだから。
連絡先だけ交換しても、使わなかったら意味ないでしょ?
だから、“また今度”ってちゃんと言える相手がほしかったの」
“また今度”。
よく聞く言葉のはずなのに、
自分の口から出したことは、あまりない。
約束を曖昧に先延ばしにするような、
そんな印象があって、あまり使いたくなかった。
「それを、僕にやらせるつもりですか」
「うん。
君、そういうの守りそうだし。
“また今度”って言ったら、本当にまた今度くれそう」
「信用の仕方が少しおかしい気がします」
「いいの。私が得する方向に使うから」
咲良はスマホを取り出した。
「じゃ、交換しよ。
LINEでもなんでもいいけど」
「……分かりました」
QRコードを出し合い、読み込む。
操作は簡単なのに、指先が少しだけ汗ばむ。
友人が全くいないわけではない。
それでも、“自分から”誰かと連絡先を交換することは、多くなかった。
「冬馬、アイコンそれ?」
画面に表示された僕のアカウントを見て、咲良が笑う。
「何か問題ありますか」
「問題っていうか……なんか、履歴書の証明写真みたい」
「本人確認ができれば十分でしょう」
「いやいや、“死ぬ前に君と”付き合ってくれる人のアイコンがそれって、ちょっと渋すぎない?」
「遺影を選んだ人に言われたくはないですね」
「それもそうかも」
咲良はくすっと笑って、今度は自分の画面をこちらに向ける。
咲良のアイコンは、逆光気味の空の写真だった。
そこに、小さく人の後ろ姿が映っている。
「これ、咲良なんですか」
「うん。
自撮りアイコンって、なんか照れるじゃん。
後ろ姿くらいがちょうどいい」
「らしい気はしますね」
「でしょ?」
交換が完了したことを示す通知が、画面に表示される。
──“咲良”が友だちに追加されました。
それだけの文言なのに、
自分の生活のどこかに、小さな異物が混じったような気がした。
「はい、これで二つ目達成」
「ずいぶんあっさりしてますね」
「連絡先交換なんてそんなもんでしょ。
本番は三つ目、“また今度”のほうだから」
咲良はノートの「3」の行を指でとんとんと叩く。
「今日のところは、ここまで。
次会う約束を、ちゃんと言ってほしいの」
「次……ですか」
言葉が少しだけ喉につかえる。
“また今度”。
軽く使えば便利な社交辞令にもなるし、
重く使えば、それなりの覚悟を含んだ言葉にもなりうる。
「冬馬から言って」
「僕から、ですか」
「うん。
私から“また今度ね”って言うのは簡単だから。
君の口から聞きたい」
彼女はいつもの調子でふざけたように見せながら、
目だけは、真っ直ぐだった。
少しだけ考え、息をひとつ吐く。
「……じゃあ、その。
また今度、どこかでコーヒーでも飲みましょう」
言ってから、少しだけ可笑しくなる。
やっていることは、いつもとほとんど変わらないのに、
わざわざ言葉にするのは、妙にこそばゆかった。
「うん、それいいね」
咲良は、満足そうに目を細める。
「“また今度、どこかでコーヒーでも”。
ちゃんと覚えとく」
「忘れてもらって構いませんよ」
「忘れないよ。
忘れたくても忘れられないほうのやつだから」
ノートの三つ目に、小さくチェックがつけられる。
──3.誰かに“また今度”って普通に言う。✔
「これで、二つ進んだ」
「カウントの仕方が雑ですね」
「いいの。
大事なのは、“君と進んだ”ってことだから」
あまりにも何でもないように言うので、
その重さを測ることができない。
「じゃ、今日は解散」
咲良はノートを閉じ、スマホをポケットにしまった。
「帰ったら、ちゃんと“着いた”ってメッセージして」
「……子ども扱いしないでください」
「しないしない。
でも“死ぬ前にやりたいこと”やってる身としては、
途中で君に死なれるのは困るから」
「気をつけて帰りますよ」
「うん、それでよし」
そう言って、咲良は先に店を出た。
自動ドアが開き、夜の空気が流れ込む。
彼女の後ろ姿が、街灯の下に少しだけ滲んだ。
僕も会計を済ませ、コンビニを出る。
すでに咲良の姿は見えない。
さっきまで同じ店内にいたことさえ、夢のように感じられる。
手の中のスマホを見下ろす。
──咲良。
新しく増えた名前を指先でなぞりながら、
小さく呟いた。
「……また今度、か」
口の中で繰り返してみる。
簡単な言葉のはずなのに、
どこか重さを含んでいるように感じられた。
* * *
その夜。
風呂から上がり、布団に入る前。
机の上に置いていたスマホが震えた。
──咲良:ちゃんと家、着いた?
“二つ目”の確認が、思ったより早く来た。
しばらく画面を見つめてから、指を動かす。
──冬馬:着いた。
そっちは。
送信ボタンを押したあとで、少しだけ迷う。
“そっちは”という言い方すら、
自分にしては十分にくだけている気がした。
すぐに、返事が来る。
──咲良:ちゃんと生きてるよ。
君に“また今度”って言われたからね。
画面の文字列を見ながら、
胸の奥で何かが静かに動いた気がした。
返信は、短く。
──冬馬:それなら、よかった。
たったそれだけの文でも、
送信ボタンを押すまでに、想像以上の時間がかかった。
* * *
同じ頃、咲良の部屋。
机の上には、開かれたノートが置かれている。
──2.君と連絡先を交換する。✔
──3.誰かに“また今度”って普通に言う。✔
その下に、今日の日付を書き、
ゆっくりと言葉を綴っていく。
『コンビニで、君と連絡先を交換した。
通知に“咲良が友だちに追加されました”って出たのを見て、
少し笑いそうになった。
君のスマホの中に、自分の名前が増えただけ。
それだけのことなのに。
“また今度”って言葉は、ずっと嫌いだった。
期待させて、結局何も起きないときのための、便利な逃げ道みたいで。
でも、君が言った“また今度”は、
なぜかちゃんと来る気がした。
そう思ってしまう自分が、一番危ない。
だってそんなふうに思い始めたら、
“死ぬ前に”って言い訳が、だんだん使えなくなっていく。
……でも今日は、とりあえずそれでいいことにする。
これは、私だけの問題だから。』
少しだけ迷ってから、もう一行足す。
『君には絶対、見せないページ。
“また今度”って言わせてしまった私の、勝手な後始末。』
ペンを置き、ノートを閉じる。
枕元に置いたスマホの画面には、
さっきまでやりとりしていたメッセージが残っている。
──冬馬:それなら、よかった。
「……よかった、ね」
小さくつぶやき、
咲良は目を閉じた。
明日が本当に来る保証なんてどこにもない。
それでも、「また今度」という言葉は、思った以上に甘かった。
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