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本音
しおりを挟むパーティーから数日。
私は王宮へと足を運んでいた。
目的は一つ。
皇后シアナに事の真相を聞き出すこと。
彼女がもし夫ルイを好きだとしたら…
私は、どうしよう?
過去に貴妃だった時は、ローレンスを共有することに何の不満もなかった。
それは後宮という複雑な体制があったから。
でも現在の私はルイの妻となった。
もう夫を合法的に共有することはできない。
だからこそ彼の妻としてシアナと話をする必要があった。
「失礼します。」
皇后の部屋へと案内された私は、挨拶をして中に入る。
「いらっしゃい、エレーナ。」
皇后シアナは笑顔で出迎えてくれた。
過去の時と変わらない優しい笑顔だった。
まさかそんな彼女が内乱を企てるなんて…いまだに信じれなかった。
「今日は、皇后に聞きたいことがあります。」
私が改まってそう言うと、シアナは不思議そうな表情で私を見る。
「私の夫ルイのこと、どう思っていますか?」
遠回しに聞いても意味がない。
私はシアナに直球で質問した。
「どう、って…」
シアナは少し動揺したように口ごもる。
「パーティーの日、見てしまったんです。
貴女が夫に抱きついていたところを…」
私のその言葉にシアナは目を驚いたような表情を見せる。
「見ていたのね…」
そして諦めたようにそう言った。
「確かに、貴女がいうように私は…ルイに好意を抱いてる。」
観念したようにそう言ったシアナ。
「貴女は、過去に戻ったことがある?」
そしてシアナは、おもむろにそう切り出した。
その言葉に私は驚かなかった。
彼女も、過去に戻っていたのね。
現在ルイに好意を持つシアナが、過去に戻った経験がないわけない。
だって、ルイに好意を持つきっかけは陛下を恨んだことだもの。
でも、彼女から聞くまでは確証を持てなかった。
敢えて、その考えを放棄していた。
だって、シアナが過去に戻っていたら…
私は彼女と、さらに決別しなければいけなくなる。
「私も、その経験に覚えがあります。」
「そう、なのね。」
シアナは少し動揺した。
私も同じく過去に戻ったことがあるとは考えてなかったらしい。
「ルイも…過去に戻ったことがあるとか。」
「ええ、そうね。」
「シアナ、貴女はどうして内乱を起こしたの?」
私は昔の呼び方でそう聞く。
「私と貴女は、仲が良かったじゃない。
どうしてそんなことをしたの。
そもそもどうして陛下を恨んでいたの?
内乱を起こす前に相談してくれたら…」
「どう相談しろと?
私が陛下を恨む気持ちも、私の境遇も理解できないくせに…そんな貴方が変えられるわけない。
無理だわ。」
確かに、全てを変えることはできなかったかもしれない。
でも、陛下への誤解を解くことはできたはず。
「私ずっと貴女に聞きたかったことがあるのよ。」
シアナの質問に私は考え込む。
私に聞きたいこと?
何かしら…
「どうやって、陛下をたらしこんだの?
すべての元凶はエレーナ、貴女よ。
貴女が悪いの。
どうして陛下との結婚を了承したの?
陛下には私がいたのに…彼に近付かないで欲しかった。」
初めて聞くシアナの本音。
私のことずっとそんな風に思っていたなんて、知らなかった。
私はぐっと涙をこらえる。
泣くな。
そう自分を鼓舞して、私は強い眼差しで彼女を見返した。
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