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7年前
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「こわい……」
「大丈夫、こわくないよ。橘がいい子にしてたらもう殴ったりしないから。いい子じゃなかったらわからないけど。優しくしてほしい?」
こくこくと何度も頷く。
「う、ん、うん……ッ」
「じゃあ、キスしてあげるから口あけて?」
口を開ける前に、食らいつくように唇を押し付けられた。
「ん──ん、んぅ……んむ」
「は、ぁ……橘のくちびる、リップより甘いね……八重歯も、こんなにちっちゃかったんだ」
「は……ァ、ふ」
「可愛いなぁ……もう。かわいいね」
舌をねじ込まれ、ちゅう、ちゅく、ちゅるぅ……と、絡みついてくる舌はしつこい。だらりとはみ出てしまった舌にさえゆるく噛み付かれ、また絡めとられた。
(口んなか、あつい。どろどろする……ぜんぶ、とけそう……)
顎を伝う唾液が気持ち悪い。でもそれ以上に、舌の根本をぬとぉっと擦られると、腰の辺りがゾクゾクした。奥の歯から前歯にかけてを順番になぞられ、八重歯をくにくにと弄られるのもたまらない。
頭の中が、ひどくぐらぐらした。
ちゅぷ……と糸を引きながら引き抜かれた舌を、名残惜し気に追いかけてしまう。
口の中がすぅすぅする。
「あ……」
「僕の舌、抜かれたくなかったの? しょうがないなぁ……口、開けててね」
くいと顎を引かれて、姫宮がその上に舌を伸ばしてきた。またキスされるのかと思っていると、姫宮の舌の先からとろりと、唾液が垂れてきた。
「……っ」
がっちりと顎を抑え込まれていたので逃げられなかった。しかも親指が強引に口の中に入ってきて、口を閉じられないようにされる。
「ぐ……」
「飲んで」
嫌だ。姫宮に舌打ちされた。
「飲めよ、橘……飲め」
ちょっとの拒絶で、姫宮は「怖い姫宮」になる。
結局、無味無臭の唾液を舌で受け止めざるを得なかった。
とろとろと喉の奥にたまった二人分の唾液をんく……と飲み下せば、姫宮が嬉しそうに笑った。そしてまた口を強制的に開けられ、同じことを何度か繰り返される。
熱い液体を舌の上で馴染ませ、従順に喉を鳴らし続けた俺に、姫宮はようやく満足したようだ。
「ふふ……僕の唾液、おいしい?」
「け、ほ」
「おいしいでしょ、おいしいって言って?」
ちゅ、ちゅ、と顔中にキスの雨が降ってきた。
「さっさと言えよ」
びくりとして、「おいしい」とか細い声を出せば、すりすりと頬ずりをされた。
口周りも涎塗れなのに、汚くないのだろうか。
「じゃあもっといいものあげるから、いい子にしててね」
そのまま、頭を深く抱えこまれた。
「う、ぁああ! 痛いっ」
「しー……橘、落ち着いて。しー……ほら、僕を見て」
奥を目指されながら、あやすようにまぶたに口付けられる。涙で滲んだ顔で姫宮を見上げれば、姫宮は嬉しくて仕方がないとでもいうように微笑んでいた。
赤らんだ頬は、まるでもぎたての林檎のようで。
「うん、そのまま僕を見てて。大丈夫だから、だいじょうぶ……ね?」
根拠のない「大丈夫」を繰り返しながら、姫宮はずるりと引き抜いては、挿入しやすい位置を探るためか、ぐりぐりと腰を推し進めてくる。
「ふ、うぅ、ぐ、う」
「もっと足を開いて。閉じちゃダメだ。そう、いい子だね……力を抜いて」
唇を噛みしめて、最後まで貫かれるまでの長い時間を、耐えしのぶしかなかった。
「っ……──ッ!!」
トンっと姫宮の恥骨が下腹部に当たり、ふっと意識が遠ざかった。
「大丈夫、こわくないよ。橘がいい子にしてたらもう殴ったりしないから。いい子じゃなかったらわからないけど。優しくしてほしい?」
こくこくと何度も頷く。
「う、ん、うん……ッ」
「じゃあ、キスしてあげるから口あけて?」
口を開ける前に、食らいつくように唇を押し付けられた。
「ん──ん、んぅ……んむ」
「は、ぁ……橘のくちびる、リップより甘いね……八重歯も、こんなにちっちゃかったんだ」
「は……ァ、ふ」
「可愛いなぁ……もう。かわいいね」
舌をねじ込まれ、ちゅう、ちゅく、ちゅるぅ……と、絡みついてくる舌はしつこい。だらりとはみ出てしまった舌にさえゆるく噛み付かれ、また絡めとられた。
(口んなか、あつい。どろどろする……ぜんぶ、とけそう……)
顎を伝う唾液が気持ち悪い。でもそれ以上に、舌の根本をぬとぉっと擦られると、腰の辺りがゾクゾクした。奥の歯から前歯にかけてを順番になぞられ、八重歯をくにくにと弄られるのもたまらない。
頭の中が、ひどくぐらぐらした。
ちゅぷ……と糸を引きながら引き抜かれた舌を、名残惜し気に追いかけてしまう。
口の中がすぅすぅする。
「あ……」
「僕の舌、抜かれたくなかったの? しょうがないなぁ……口、開けててね」
くいと顎を引かれて、姫宮がその上に舌を伸ばしてきた。またキスされるのかと思っていると、姫宮の舌の先からとろりと、唾液が垂れてきた。
「……っ」
がっちりと顎を抑え込まれていたので逃げられなかった。しかも親指が強引に口の中に入ってきて、口を閉じられないようにされる。
「ぐ……」
「飲んで」
嫌だ。姫宮に舌打ちされた。
「飲めよ、橘……飲め」
ちょっとの拒絶で、姫宮は「怖い姫宮」になる。
結局、無味無臭の唾液を舌で受け止めざるを得なかった。
とろとろと喉の奥にたまった二人分の唾液をんく……と飲み下せば、姫宮が嬉しそうに笑った。そしてまた口を強制的に開けられ、同じことを何度か繰り返される。
熱い液体を舌の上で馴染ませ、従順に喉を鳴らし続けた俺に、姫宮はようやく満足したようだ。
「ふふ……僕の唾液、おいしい?」
「け、ほ」
「おいしいでしょ、おいしいって言って?」
ちゅ、ちゅ、と顔中にキスの雨が降ってきた。
「さっさと言えよ」
びくりとして、「おいしい」とか細い声を出せば、すりすりと頬ずりをされた。
口周りも涎塗れなのに、汚くないのだろうか。
「じゃあもっといいものあげるから、いい子にしててね」
そのまま、頭を深く抱えこまれた。
「う、ぁああ! 痛いっ」
「しー……橘、落ち着いて。しー……ほら、僕を見て」
奥を目指されながら、あやすようにまぶたに口付けられる。涙で滲んだ顔で姫宮を見上げれば、姫宮は嬉しくて仕方がないとでもいうように微笑んでいた。
赤らんだ頬は、まるでもぎたての林檎のようで。
「うん、そのまま僕を見てて。大丈夫だから、だいじょうぶ……ね?」
根拠のない「大丈夫」を繰り返しながら、姫宮はずるりと引き抜いては、挿入しやすい位置を探るためか、ぐりぐりと腰を推し進めてくる。
「ふ、うぅ、ぐ、う」
「もっと足を開いて。閉じちゃダメだ。そう、いい子だね……力を抜いて」
唇を噛みしめて、最後まで貫かれるまでの長い時間を、耐えしのぶしかなかった。
「っ……──ッ!!」
トンっと姫宮の恥骨が下腹部に当たり、ふっと意識が遠ざかった。
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