◆青海くんを振り向かせたいっ〜水野泉の恋愛事情

青海

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青海くんに話しかける

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 図書室で何度か青海くんに遭遇するようになり、時々挨拶をするようになった。

 挨拶を交わしているうちに少しだけ話すようになり、最近はなんとなく青海くんの近くで本を読んだりもする。


 「水野さん、そろそろ帰った方がいいよ?家の人が心配するよ?」

 青海くんに声をかけられて我に返る。

 夢中になって本を読んでしまっていたようだ。

 驚いて外を見るともう真っ暗になってしまっていた。

 「うそっ!今何時っ?!」

 「17時過ぎたよ。外も寒そうだしもう帰ろう」

 青海くんが持っていた本を閉じた。

 いつもだったら17時には家に帰っているところだ。

 私は部活動をしていなかったので基本的には早く家に帰る事が普通だった。

 慌てて片付けを済ませる。

 いつもより帰るのが遅いとお母さんが心配するだろう。

 


 「水野さん家とオレの今いる家って案外近いんだね」

 もう外は暗いから送ってくれると言ってくれた青海くんに甘えてしまった。

 お互い緊張してあまり話せなかったが、青海くんは始終微笑んでくれていた。

 前を歩く青海くんから2歩ほど後ろを歩く。

 身長も私とそんなに変わらない。

 髪は少し長めで、体の線が細い青海くんは制服を着ていなければ女の子のようだった。

 気を使ってくれているのか真実の話をしながら私の家の前まで送ってくれた。

 「水野さんの家って立派だね。なんだよ真実ってば自分の家のが凄いのに……」

 青海くんが少しいじけたような声を出す。

 「……?」

 「あ、いやその……前に真実がオレを家まで送ってくれたんだ。その時にオレが住んでる家見て、いい家だなって褒めてくれたんだけど、水野さんの家の方が広いし立派だから……」

 青海くんは困ったように笑った。

 「まあいいか。じゃあオレ帰るから、水野さん寒いから風邪引かないようにね」

 青海くんはそう言うと手を振りながら帰って行った。

 

 ★


 「泉、今日は遅かったのね」
 
 家に入ると母が迎えに出て来てくれた。

 「うん、図書室で本読んでたら遅くなっちゃって……一緒に居た青海くんが家の前まで送ってくれたの」

 そう言うと母は少し驚いた顔をする。

 「あら泉ったら……。そうなの、それで青海くんは?」

 「ん?そのまま帰って行ったけど……」

 母は心なしか嬉しそうだ。

 「泉ったら青海くんに送ってもらったのに……。どうせなら次は家に寄って貰いなさい。ちゃんとお礼言ったの?」

 ……言ってない。

 黙っていると察したのか、母が微笑む。

 「明日会った時にでもちゃんと言いなさい。子供じゃないんだから……」

 なぜか母は上機嫌で夕飯の支度を始めた。

 「はーい……」

 私はそう返事をして部屋に帰る。

 

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