◆青海くんを振り向かせたいっ〜水野泉の恋愛事情

青海

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気まづくなりたくない!

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 朝早くに、珍しく真実が部屋に来ていた。

 「透はさ、ただ愛され慣れてないんだよ。お前を嫌いなわけじゃないんだ」

 真実はそう言い、何か言いたそうに私を見つめる。

 「……うん、青海くん私の事好きって言ってくれたし、タイミングが悪かったのかなって思うの。だからもう少し待とうって思ってるんだ。」

 私がそう言うと真実はホッとしたように笑った。

 「ああ、それがいい。透はお前のこと好きだと思うんだ。ただそれが初めてのことだったから戸惑って、その気持ちに振り回されてるだけだと思うんだ。」

 「うん、そうかもしれないね」

 真実は隣で眠っている浅川さんに視線をやった。

 「愛されたこと無いってんならその分お前が愛してやれよ。透が戸惑って、根を上げるまでさ」

 面白そうな顔で眠っている浅川さんの頭を撫で始めた真実をその場に残して部屋を出る。

 そろそろ青海くんは起きる頃だろう。

 こんな事で青海くんと気まづくなんてなりたくなかった。

 
 
 一息ついてドアをノックする。

 「……どうぞ、入っていいよ」

 青海くんの声が聞こえたのそっとドアを開けて部屋を覗きこんだ。

 薄暗い部屋で青海くんはベッドに寝転んでいる。

 「……シンジ……オレ今日部屋で寝てるから……目が腫れてるからこんな顔見られたく無いし……」

 真実と勘違いをしている青海くんは枕に顔を埋めたまま顔を上げようとしない。

 パタパタと足をバタつかせる青海くんを少しかわいいと思ってしまった。

 「青海くん、昨日はごめんねっ!!」

 思い切ってそう声をかけると青海くんが驚いたように顔を上げた。

 「水野さんっ……」

 青海くん昨日泣いたのか目が赤くなって腫れてしまっている。

 青海くんの表情に戸惑いながらも何とか思いを伝える。

 「あのね、もう変なこと言わないから……嫌じゃなかったら……また話しかけてもいい?」
 
 青海くんと一緒にいるのは楽しかったし、一緒に買い物に行くことや、料理をするのはやめたくはなかった。

 嫌われてしまったのなら仕方ないが、そうで無かったのなら落ち着いたらまた一緒に過ごしたい……

 青海くんを見つめると青海くんも私を見ていた。

 「うん、オレも……水野さんと話したいし……」

 青海くんはそう言ってくれたので少し安心した。




 青海くんの部屋を出て自分の部屋に戻る。

 自分の部屋だったので何の気なしにドアを開けてしまう。

 私の部屋のベッドで眠っている浅川さんの頭を撫でている真実……

 なんとも優しい表情で、真実は浅川さんを見つめていた。

 「済んだか?」

 真実は私に気づいたのか顔を上げる。

 さっきほどの優しい表情ではなかったが、微笑む真実が浅川さんの頭から手を離す。

 頷くとホッとしたように真実はベットから立ち上がった。

 「透の事……諦めるなよ」

 真実はそう言うと軽く私の肩に触れて部屋から出ていった。

 

 ……真実……すごく優しい顔してたな……

 最近珍しく女の子と一緒にいるし浅川さんのこと好きなのかな……

 なんとなくそう思った。

 

 ……浅川さんもまだ寝てるし、もう少し寝ようかな……

 そう思いながら浅川さんの隣に寝転ぶ。

 ……青海くんとまた一緒に過ごせそうでよかった……

 ホッとしながら毛布を掛けようとして気づく。

 浅川さんが真っ赤な顔をしていた。

 「……起きてたんだね?」

 そう言うと浅川さんは赤い顔で起き上がった。

 「んっ……っていうか起きちゃったのよ……シンジってば……」

 そう言いながら浅川さんは照れたように髪をかき上げた。

 「浅川さんは真実と付き合ったりしないの?」

 そう聞くと浅川さんは困ったような顔で笑う。

 「私……もうとっくに真実にフラれてるわよ?でもね諦めてないだけ。真実……親に養ってもらっているうちはそういう事できないって……」

 ……真実らしい考えだなあとなんか納得してしまった。

 真実は昔から……しっかりとした考えと行動をしていた。

 「付き合って貰えなくってもいいの、一緒にいられるだけで楽しいから」

 浅川さんはそう言いながら笑っていた。



 ……青海くんと付き合えなくっても、一緒に居たい……

 今の私と同じ考えだった。


 「それに、そのうちふっと気が変わるかもしれないでしょ?」

 浅川さんの明るい笑い声になんだか心が軽くなった。

 青海くんもいつか……気が変わる時が来るだろうか?

 ……その時まで側にいられたらいいな……

 青海くんがずっと笑って過ごせるように……

 
 
 

 
 

 

 

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